【おすすめDLゲーム】『Fury Unleashed』はアメコミの世界観に浸かれるローグライトなアクションシューター

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 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はPC(Steam)でリリースされた『Fury Unleashed』を紹介します。

 本作は、ポーランドのデベロッパーである“Awesome Games Studio”が手掛けた、コミックの世界を駆け巡るローグライト2Dアクションシューター。

 『Rogue Legacy』や『Spelunky』、『Dead Cells』などローグライトの名作に影響を受け、『メタルスラッグ』シリーズを彷彿させる2Dアクションシューターになっています。

 そんな『Fury Unleashed』の魅力に迫ります。

コミックの中を駆け巡る世界観が最高!

 本作、最大の魅力はグラフィックと世界観と言っても過言ではありません。

 ストーリーは、かつて大人気だった架空のコミックシリーズ“Fury Unleashed”の作者がスランプに陥り、その苦悩を体感しながらどうやって克服していくのか、という内容になっています。

 ゲームでは、“Fury Unleashed”の主人公“Fury(フューリー)”を操作し、作者の描いた世界を縦横無尽に駆け巡るのですが、この駆け巡る世界がアメコミの中というのが斬新な作品!

 ステージのマップ構成はこのように漫画のコマ割り構成になっています。ランダム生成マップなのでコマ割りとステージはプレイするたびに変わります。

 部屋になっているコマを移動しながら探索するステージ構成や、強化アイテムが“インク”になっている作りなど、アメコミの世界観×2Dアクションを存分に楽しめます。

 それだけではなく、特殊なイベントでは白黒の下書きのようなラフに描かれたステージや、アメコミ調の敵が現れたりと「おぉっ!」と思わずうなってしまう魅力を端々から感じられます。アメコミという世界観にどっぷり浸かれるタイトルだと思いました。

 ステージセレクトはコミックを選ぶ形式なのがすごくいい! ステージの内容は選んだコミックの内容に沿ったものになっています。

ローグライトを逆手にとったスピーディなゲーム性が特徴!

 死んでしまうとアイテムをすべて失ってしまいますが、入手したインクだけは残るので主人公のレベルアップやスキル強化に役立ちます。

 本作は近年人気のある“ローグライト”というジャンルになっています。ランダム生成のマップ、スキルや武器といった育成要素ありというジャンルですが、人気ありすぎるジャンルゆえに似たようなゲームが増えていました。

 本作にも、ランダム生成のマップでスキルなどの育成要素といったシステムがありますが、独特なグラフィックと世界観という他にはない特徴や、とにかく速いゲーム性という特徴があります。どのぐらい速いかというと作中ほぼずっとダッシュができるほど(笑)。

 しかも、ちょっとした隙間や段差なら引っかからずに進めるので、ストレスほぼゼロでダッシュできるところがかなり気持ちいいのです!

 ローグライトなゲームはそのゲーム性ゆえに、死なないような慎重プレイを強いられますが本作はその逆。ガンガン突っ込んでガンガン敵を倒すというプレイスタイルになります。

▲二段ジャンプからの空中ダッシュというプレイも可能! 操作性やボタン反応速度はかなりいいため、軽快にプレイできます。

 攻撃や武器も多彩に用意されているので。状況に合わせた使い分けが可能。近距離攻撃は接敵のリスクがありますがかなり強く、ダッシュで近づいて即殺しながら進んでいけます。

 ちょっとした高さからの踏みつけ攻撃も強く、こちらも即殺できるので高いところから降りる時には踏みつけ、そのまま横ダッシュで近づいて近距離攻撃、取りこぼした敵は銃で一掃! といったスピーディな立ち回りで縦横無尽にマップを駆け回ることができるので、ぜひ体感してもらいたいです。

  • ▲シューターゲームですが当たった時の感触など含めて近接攻撃がかなり気持ちいいです!

より爽快感が増す絶妙なコンボシステム

 縦横無尽にマップを駆け回ることができるといっても、死んでしまうとアイテムなどすべて失ってしまいます。「それならば他のローグライトなゲーム同様に慎重プレイで進んだ方が安全なのでは?」と思いましたが、慎重プレイをすればするほど、先へ進めなくなります。

 本作、回復アイテムがステージ中に驚くほど出現しません。そのため最後のボス戦に辿り着く前にHPが足りなくなるという絶望を味わいます。

  • ▲赤く丸いオーブが回復アイテムですが……普通にプレイしていると本当に出ません。

 そこで重要になってくるのが“コンボシステム”です。敵を倒した後、一定時間内にノーダメージで敵を倒すとコンボが繋がり、倒すほど数字が増えていくというシステムになるのですが……このコンボ数が本作の肝になります。

 画面左上にコンボ数と残りの制限時間が表示されています。コンボ数が増えると入手できるインク量が増えるので育成スピードもあがります!

 実は3コンボ以上の状態で敵を倒すと回復アイテムがドロップするので、慎重に敵を倒しているとコンボが繋がらず、永遠に回復アイテムがドロップしないという現象に陥ります。筆者はそれを知らずにプレイしていたため、慎重プレイにしたとたん、全然進めなくなるという(笑)。

 ただ「ノーダメージじゃないとコンボが繋がらないのは相当難しいのでは!?」と感じるかもしれませんが、一定数コンボを繋ぐとある程度のダメージを無効化するコンボシールドが手に入るので、そのシールドをまといながら縦横無尽に敵を殺してコンボを繋ぎ、回復を手に入れつつ進んでいくというスタイルが基本になります。

  • ▲チュートリアルの説明にもちゃんと書いてあります! 筆者はプレイに必死で読んでいませんでした……。

 シールドがあるからゴリ押しで行ける! と思ってもシールドはある程度のダメージしか防げないというのが絶妙なところ。

 高速で移動しながらも敵の強い攻撃を見極めて避けるか、接近戦をやめて敵の射程外から銃で攻撃するのか……しかもコンボには時間制限があるので、高速移動しながら敵の攻撃を見極めつつ時間も気にするという、忙しいプレイにはなりますが、コンボがうまく決まった時には脳汁がドバドバ溢れ出ます!

 しかも、コンボが増えれば増えるほどBGMに音が足されていき、どんどんカッコいいBGMに変わっていくので必聴です。

キャラや武器のバリエーションが豊富!

 主人公のキャラはアンロックキャラを含めると12キャラから選択可能。キャラスキンはゲーム中にも変更ができるので、筆者はゲーム進行に詰まった時、気分転換でコロコロ変えていました。

 デフォルトの2キャラは個性こそないのですが、髪型や肌色など変更できたり、ゲーム中に武器や防具の装備が見た目に反映されたりする利点があります!

▲普通のキャラスキンから、どう見ても主人公じゃないスキンまで選ぶことができます。
▲デフォルトキャラはスキンを少し変更できます。

 サブマシンガンを持った状態でスタートしますが、ステージ上にある宝箱の中に武器が隠されていたり、道中出会う謎の人物から武器などを購入できたりと、さまざまな方法で入手できるので武器がないということはありません。

▲入手できる武器も完全にランダムなので、強い武器が入手できるかは運次第。

 登場する武器は、“ロケットランチャー”や“火炎放射器”や“レールガン”や“スナイパーライフル”といったなじみのある武器から、“闇のエネルギー銃”といった聞いたこともない銃まで出てくるのでコレクション感覚としても楽しめます。

▲銃はもちろん、接近攻撃用の武器にもバリエーションがあります!

まるでチートのようなイージーモード

 本作の設定はハードモードorイージーモードしかないという、かなり思い切ったものになっています!

 基本的にはハードモードでのプレイが推奨されていますが、難易度が高めに設定されているので、アクションゲームが苦手な人だとコンボがうまく繋がらなかったり、超高速のゲームスピードについていけなかったりすると思います。

 難易度はプレイ中にも自由に変更できるので、どうしてもクリアできない場合はイージーモードに切り替えてプレイすればいいのです。が、このイージーモードの設定がまるでチートモードのようなイメージになっているのです。

 通常イージーモードにした場合、単純に難易度が下がるだけで「イージーモードだと簡単すぎるなぁ…」とか「イージーモードでも難しい…」などいったゲーム難易度問題が起きますが、本作のイージーモードは“ゲーム速度”、 “受けるダメージ”、 “回復量” 、“敵のHP”の4項目を細かく設定できるというおもしろいシステムです。

 「コンボがうまく繋げられなくて回復が足りない!」という人は“回復量”をMAXにしつつ“受けるダメージ”を減らしてみたり、アクションゲームが苦手なら全体的に変更したり、もしくはスピードだけ落としてゆっくりプレイしたりというようなさまざまなプレイスタイルを実現できて、かなり便利です。

 筆者は、ゲーム速度を落とし、敵のHPを下げてコンボの練習などをしていました。

  • ▲ゲームの特徴であるスピード感を保ったまま、ガシガシ敵を倒したい時の設定です。

超高速でエンディングまで駆け抜けられるおもしろさ

 ローグライトなゲームはゲーム難易度や育成の難しさゆえに、途中でプレイできなくなることがありますが、本作は難易度の調整や程よいボリュームのゲームのため、プレイが慣れてくると脳汁出しっ放しで一気に最後までプレイできます。

▲中ボスを含めるとさまざまなデザインのボスが計40体も出てくるので、ステージボリューム以上にやり込みがいがある作品です。
▲ボス戦の前にはコミックの見開きページで紹介してくれるところも、アメコミっぽくて最高です!

 ローグライトなゲームは1人で黙々とプレイするゲームが多いですが、本作は2人同時プレイが可能です。

 1人は近距離特化型、1人はスナイパーで遠距離援護型といった役割分担をして楽しんだり、プレイのうまい人が回復アイテムを出してあげて渡したりなど、協力プレイが楽しめます。

 慣れた2人でプレイすると、とんでもない勢いでステージの敵が駆逐されていく、爽快すぎるアクションゲームになります(笑)。

 本作は、作者とコミックの主人公の対話があり、虚構と現実の境界線いわゆる“第四の壁”を破る演出が多々あります。そこで描かれるストーリーも気になる展開なので、2Dアクションシューターの魅力だけではなく、ストーリーの見せ方やおもしろさも評価したい部分です。

▲作者が主人公に話しかけるシーンや、作者が現実世界でファンのコメントのようなものを読んでいるところを見られます。
  • ▲育成はスキルポイントを振り分けて強化するシステムですが、振り分けても取り消しや再振り分けが可能。自由度の高さを感じられます。

 ランダム生成マップや育成システムといったローグライトなゲームが好きな人にはぜひオススメしたいゲームです!

(C) Awesome Games Studio Sp. z o.o.

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『Fury Unleashed』

  • メーカー:Awesome Games Studio
  • 対応端末:PC(Steam)
  • ジャンル:アクション
  • 配信日:2020年5月9日
  • 価格:2,050円

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