2008年5月4日(日)
原案を久弥直樹氏が、キャラクター原案を七尾奈留さんが手掛けたTVアニメ「sola」。今回、電撃大王(アスキー・メディアワークス刊)で「sola」コミック版の連載を手掛けた阿倍野ちゃこ先生にインタビューを敢行。制作時のエピソードなどを3回に渡って掲載していく。第1回の内容は5月3日の記事を参照してほしい。
――「sola」の魅力のひとつに、個性的なキャラクターの存在があると思いますが、キャラクターデザインで意識されたことはなんでしょうか。
阿倍野先生:最初はキャラクター原案の七尾さんを意識して、とにかく似せて描かなければと思っていたんですが、編集部の方から「無理に似せなくて大丈夫ですよ」と言っていただけたので、「よし、かわいい子を描こう」と切り替えました。描きながら「かわいい子、かわいい子」と念じて描いていましたね(笑)。
――コミック版で、動かすのに苦労したキャラクターはいますか?
阿倍野先生:“真名”ですね。最初からコミックス2巻でまとめると決まっていましたので、“真名”や“こより”ちゃんのエピソードを大幅に削らないと入らないという問題がありました。漫画だけを読んだ時に、アニメと同じくらい彼女の魅力が伝わるようになっているのかが不安でしたね。ファンの方も物足りないだろうなぁと感じていたので、描く時に「頑張って描かなきゃ」というプレッシャーがありました。
――逆に動かしやすかったキャラクターは?
阿倍野先生:1巻では“茉莉”、2巻では“蒼乃”でしょうか。“蒼乃”は“依人”たちとすれ違いがあって、感情がどんどん高まっていってついには爆発するところとか、描いていて楽しかったです。あと、“茉莉”と“蒼乃”に関しては、体形差をアニメより強調して描いていまして、“蒼乃”をより華奢に、小さくしています。七尾さんの絵のイメージを見せていただいたときに、“蒼乃”は線の細いキャラクターと付記されていましたので。
――若干、表情も柔らかくなって、少し幼い雰囲気も感じました。
阿倍野先生:そうですね。小さいお姉さんって感じですよね(笑)。
――そういえば、女の子のイラストは「下着はNG、でも水着はOK」だったと伺いましたが、本当ですか?
阿倍野先生:はい、絶対方針です(笑)。作品の性格もあって露出を控えました。でも、アニメでは「“依人”、絶対見えてるよ!」というシーンがありましたよね。
――第1話の屋上でのシーンですね。
阿倍野先生:えぇ。あの角度では、絶対(笑)。あえてスルーすべきなのかな、突っ込むべきなのかなとすごく考えました。それで、こんな感じでちょこっと描いてみたんですけど。
――とはいえ、コミック版の“茉莉”との同居シーンでは、裸にバスタオル1枚巻いているだけのイラストがありましたが……。
阿倍野先生:下着はダメですが「バスタオルは下着ではないから」と考えて描いてみたんです(笑)。チェックをお願いしたら、問題なくOKが出ちゃいました。
――そのチャレンジには、多分「ありがとう!」と感じた方が多かったと思いますよ(笑)。
阿倍野先生:あのシーンは、何か楽しいイベントを入れたいなと考えた結果なんですよ(笑)。誌面の都合で、漫画の同居編はアニメのようにしっかり描けなかったので。
担当編集:それと、実はコミックス2巻の最後の方で下着が見えるシーンも出そうだったんです。しかも久弥さんをはじめ、ネームをチェックしていただいている皆さんからはOKまでもらっていたんですけど、編集部の方で自主規制をかけました。ここまできたら最後まで見せない方がいいと思って(笑)。
阿倍野先生:「あえて描かない!」というこだわりです。
(第3回に続く)
5月30日には「sola」のドラマCDが発売される。シナリオは久弥直樹氏の完全監修。コミック版をもとに新たなエピソードが描かれているので、ファンはぜひ聞いてみてはいかがだろうか。 |
(C)sola project