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2008年5月12日(月)

【蟲の居所】馬越氏が激白!! ゲームは未プレイですが仕事はちゃんとしました!

文:電撃オンライン

 2005年10月にTVアニメが放送され、今年1月31日にDS用ソフト『蟲師 ~天降る里~』が発売された人気コミック「蟲師」。TVアニメで主人公の“ギンコ”を演じた中野裕斗氏が、「蟲師」に携わった人を訪ねたり、「蟲師」にかかわったことをしたりするコーナー「蟲の居所」の9回目をお届けする。

「蟲の居所」
題字・漆原友紀

 「蟲師」は、「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で隔月連載中のコミック。本作を題材にしたTVアニメは、幅広い層の支持を獲得して、文化庁メディア芸術祭「日本のメディア芸術100選」アニメーション部門で6位入賞を果たした。また、マーベラスエンターテイメントから発売されているDS版『蟲師 ~天降る里~』は、「蟲師」の世界が100%再現されているのに加え、ゲームオリジナルのストーリーを楽しめることでも話題となった。

 今回の「蟲の居所」は、TVアニメ「蟲師」とDS『蟲師 ~天降る里~』でキャラクターデザイン・総作画監督を担当した馬越嘉彦氏に登場してもらった。ゲームをプレイした感想や、TVアニメ製作中の感想などを語ってもらった。

中野氏:今日のゲストは、「蟲師」のキャラクターに命を吹き込んだ作画監督の馬越嘉彦氏に登場していただきます。

馬越氏:よろしくお願いします。

中野氏:ゲームはプレイされましたか。

馬越氏:すみません。まだプレイしていません。最近、忙しくて手が回らなくて……すみません。

中野氏:それではこれからプレイしてみましょう。画面をタッチすると、その場所までキャラクターが移動します。あっ! そこにあるアイテムを入手できますよ。

馬越氏:このアイテムはどうするんですか?

中野氏:シイタケなので、とりあえず食べてみたらどうですか? アイテムで選んで食べることができますよ。

馬越氏:!!!! 焚き火をするんですね(笑)。話には聞いていましたが、初めて見ました。

中野氏:本当にプレイしてなかったんですね(笑)。あっ、そこでは釣りができますよ。

馬越氏:この釣った魚も食べられるんですね。このあとは蟲を採取して、シナリオを進めていくと。なるほど。

中野氏:せっかくなんで、蟲を捕まえてみてください。

馬越氏:この飛んでいる蟲を丸で囲めばいいんですか。簡単じゃないですか……(タッチペンで円を書くも失敗してしまう)あれ? あれれ?

中野氏:これが最初は難しいんですよ(笑)。蟲の起動を先読みして、ゆっくり円を書くのがポイントですね。

馬越氏:全然できません。あっ! タイムアップしちゃいましたね。もう一度……うまくいきませんね。この動きがゆっくりになるところがキーだと思うんですが、難しいですね。中野さん、見本を見せてもらえませんか?

中野氏:全部の蟲を捕まえて、しばらくやっていないので、1回で捕まえられるかな?……おおっ、1回で成功しましたよ。

馬越氏:さすが“ギンコ”ですね。それでこの蟲のイラストを書いてチェックに出すのが、何やら厳しいとか?

中野氏:せっかくですから、そこまでプレイしてくださいよ。蟲の調書として、捕らえた場所や時間を書いた後、絵を書く必要があるんですが、これが難しいんですよ。

馬越氏:えっ? この薄い線をなぞるだけですよね? これが難しいんですか?

中野氏:難しいです! なかなかOKが出ないんで、自分の中では「馬越さんからの挑戦」と表現してました。

馬越氏:(カキカキ)この蟲の足の先がとがっていないとリテイクでしょうね。

中野氏:それは長濱監督のリテイクですか?

馬越氏:そうですね! 「ここ、もうちょっとね」って(一同笑)。

中野氏:長濱監督は厳しかったですか?

馬越氏:ワハハハハ。厳しかったですね(一同爆笑)。最初に見た時は「OK、OK」と言うんですが、後から結局直すっていう……事がありました。

中野氏:1日寝ると先輩蟲師の“ヤクノ”から返答が戻ってくるんで、寝ましょう。

馬越氏:おお、返答が返ってきてますよ。あれ? バッテンがついてる!

中野氏:リテイクですね(一同爆笑)。馬越さん、ダメ出しされていますよ!

馬越氏:これでリテイクですか……どこがいけなかったのかな。

中野氏:もうちょっと太いペンで書くといいかもしれませんね。このやり取りを何度もしていくと、「蟲師」としてのレベルが上がっていくという仕組みです。

馬越氏:なるほど。TVでコマーシャルは見たんですが、初めて遊びました。やりがいがありそうですね(笑)。

中野氏:特にこの蟲のイラストは難関かもしれませんが、慣れると簡単ですよ。

「蟲の居所」
ゲストに登場したのは、キャラクターデザインを担当した馬越氏(写真左)。ポーズを取ってもらったところ、なぜかそこにあったボクシンググローブを構えてくれた。2人の息はピッタリ?

中野氏:プレイされてどうでしたか?

馬越氏:この世界が好きな人はたまらないんじゃないですかね。世界観が表現されていますし、背景もキレイですからね。

中野氏:なるほど。ゲームのキャラクターデザインの話を受けた時はどういう印象でした?

馬越氏:TVアニメが終了して時間が経っていたので、その時の感覚を取り戻すのに、少し時間がかかりましたね。

中野氏:制作スタッフから要望はあったりしたのでしょうか?

馬越氏:多少の設定はいただいていたので、それをもとにイラストを描いて……結局、長濱監督が直すんで(笑)。女の子の主人公だけちょっと大幅に直しが入ったくらいですね。もともと、原作のマンガに忠実に行くというコンセプトがあって、普通の日本人という描き方をしているので、あまり強烈な個性を作らないようにしていました。

中野氏:このオリジナルキャラクターの“ヤクノ”は人気がありますね。

馬越氏:カッコイイ名前をいただけてよかったです(一同笑)。

中野氏:最初は「とある蟲師」という設定でしたからね。では次の質問です。ゲームに登場するキャラクターはいつ頃デザインされたんですか?

馬越氏:いつだったかな。夏……夏でしたね。ちょっと記憶が曖昧です。

中野氏:なるほど。では「蟲師」がゲームになると聞いた時、どう思いましたか?

馬越氏:戦うゲームにはならないですし、どういうゲームになるのかな?と思いました。でも考えてみたら、近くを歩いて、蟲を集めてというゲームに向いているのかな? と。“ギンコ”はたまに会うんですよね?

中野氏:そうですね。今回はそういう立ち位置でした。

馬越氏:でもその方がおもしろいかもしれませんよね。

中野氏:TVアニメの制作時の話をうかがいたいのですが、当時はどういう状況でしたか?

馬越氏:ワハハハハ……もう何年前ですかね、2年? 3年前? 本当に大変でした。ちょっと老けましたね(一同笑)。

中野氏:常に監督と一緒にいて、一番多く知ってますからね。いろいろ苦労もあったでしょう。

馬越氏:一番多く知っていても、すぐに忘れていきますからね(笑)。

中野氏:TVアニメのキャラクターでは、誰が好きですか?

馬越氏:「やまねむる」に登場したおじいさんの“ムジカ”です。あとは“ぬい”ですね。

中野氏:馬越さんは子どもの頃、どんなアニメが好きだったんですか?

馬越氏:「機動戦士ガンダム」ですね。安彦良和さんの絵が好きでした。その後専門学校に行って、東映の「北斗の拳2」のクライマックスを見て以来、ロボットから筋肉が描きたくなってしまったんです(笑)。

中野氏:長濱監督とはどこで知り合ったのですか?

馬越氏:「十兵衛ちゃん2 ~シベリア柳生の逆襲~」ですね。あの時の飲み会で、中野裕斗さんと初めて出会ったんですよ。

中野氏:そうだ。それで知り合ったんですよね。その時に監督とも会っていたんですが、覚えていませんでした(一同笑)。

馬越氏:当時は、こういう形で一緒に仕事することになるとは思っていませんでしたね。

中野氏:お互いこんなに長い仕事になるとは、想像していなかったというわけですね。先日、DVD-BOX「蟲師 二十六譚 DVD Complete BOX」が発売されたんですが、特典の手ぬぐいのイラストを描かれていますよね? なんでも「絶対にカメを書く!」と豪語し、一歩も引かなかったとか。

馬越氏:そんなことはありませんって! ただ、手ぬぐいということで“ぬい”が合うのか?って思って、あれにしました。今回のDVD-BOXは、お得な値段になっています。初見ですごさに驚く作品というよりは、何度も見てもらって味を楽しむ作品だと思うので、これまで購入する機会がなかった人は、ぜひお願いします。

中野氏:キレイなまとめ、ありがとうございました(笑)。では目の前の“ギンコ”に一言お願いします。

馬越氏:また一緒に仕事をする機会があったらよろしくお願いします。

中野氏:ちなみに、また「蟲師」の仕事の依頼があったら、受けますか?

馬越氏:……第3者として楽しみにしています。ってか、そんなことは言えませんよ。本当に企画が動くとしたらスケジュールもあるんで気軽に返事できませんし。でも監督が作る作品は素晴らしいですから、興味はあります。

中野氏:最後にファンの人へメッセージをお願いします。

馬越氏:ゲームも出て、DVDも発売されました。「蟲師」独特の世界観をタップリ楽しんでいただければ幸いです。

「蟲の居所」
笑いの絶えないトークを展開していた、馬越氏と中野氏。馬越氏がイラストを描き下ろした手ぬぐいが付属するDVD-BOXは、お求め安い値段で発売されているので、まだ見たことがないという人は入手してみては?

 そして、最後に恒例の「蟲のイラスト対決」を行った。お題の「蟲」をしばらく見た後、見ないで書いていただき、名前を付けていただいた。なおこのイラストは後日プレゼントするので、お楽しみに!

「蟲の居所」 「蟲の居所」
「蟲の居所」
・中野裕斗氏近況
「蟲の居所」
 自分がひいきにしている巨人が思うような成績を残さずヤキモキしていたところ、人から某野球のゲームをすすめられてプレイしてみたら、ハマってしまいました。

 バッティングがまだ慣れないので、ピッチャーを自分で作って、巨人に入団させて楽しんでいます。



 ゲームでは無事優勝できたので、現実のチームでも好調になってくれることを願っています。夏までAクラスをキープしていてほしいですね。

(C)漆原友紀/講談社・「蟲師」製作委員会
(C)2008 Marvelous Entertainment Inc.


データ

▼『蟲師 ~天降る里~』
■メーカー:マーベラスエンターテイメント
■対応機種:DS
■ジャンル:SLG
■発売日:発売中(2008年1月31日)
■価格:5,040円(税込)
 
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▼「蟲師 二十六譚 DVD Complete BOX」
■発売元:マーベラスエンターテイメント
■販売元:エイベックス・マーケティング
■発売日:2008年3月28日
■価格:29,400円(税込)
 
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