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2008年5月24日(土)

ドラマCD「BLOOD ALONE 3」アフレコレポ! 森川氏、中原さんらのコメント公開

文:電撃オンライン

 5月某日、都内のスタジオにおいて、ドラマCD「BLOOD ALONE 3」のアフレコが行われた。

 「BLOOD ALONE」は、月刊コミック電撃大王(アスキー・メディアワークス刊)で連載されている、高野真之先生原作のコミック。小説家兼探偵の“クロエ”と、吸血鬼の少女“ミサキ”が織りなすストレンジラブストーリーが描かれている。

 アフレコ終了後に行われたキャストへのインタビューが届いたので、以下に掲載する。

「BLOOD ALONE」

――収録を終えての感想をお願いします。

森川智之氏(“クロエ”役):久しぶりにいつものメンバーに会って、「BLOOD ALONE」の独特な雰囲気の中で演じることができて楽しかったです。2年前に“クロエ”という役を受けて原作を読ませていただいた時、静かに話が進むところや、クローズドな世界で人とのつながりを感じるところを好きになりましたが、それと同時に「果たしてこれを音にするにはどうしよう?」と考えさせられたのを覚えています。アクション1つにしても、状況の説明みたいなものを押し出さず、息だけを使って雰囲気を伝えるべき部分もたくさんありますしね。そういった独特さゆえに、この「BLOOD ALONE」という作品は、自分の中でもちょっと特別な位置にあります。最終的にどのように仕上がっているのか、とりあえず早くでき上がったCDを聞きたいなと思っています。

中原麻衣さん(“ミサキ”役):気がつけば、第2巻の収録からもう1年も経っているんですよね。時が流れるのは早いなぁと思いました。今回の収録でも、どんどん“ミサキ”と“クロエ”の距離が近くなっていくのを感じさせていただきました。

田中理恵さん(“サイノメ”役):久しぶりの収録でしたので、“サイノメ”の雰囲気を取り戻すのにすこし苦労しました(笑)。今回のCDでは、初めてプライベートで“ミサキ”と話すシーンがあったのですが、テスト中はちょっとラフになり過ぎてしまったり、声が若くなってしまったりしてしまいました……。本番までに感覚が戻すことができて、ホっとしています。

三木眞一郎氏(“スライ”役):1巻と2巻の間も、2巻と3巻の間も、1年ずつの間隔でリリースしていましたよね? 最近のドラマCDで、こんなふうに定期的に出ることなんてすくないですよ。変わらず参加できたことを本当にうれしく思っています。

小林沙苗さん(“ヒグレ”役):ドラマCDは3編のオムニバスになっていますが、その中で一番長編の第2話の、本当に重要なところやらせていただきました。吸血鬼としての、彼の怖さと実力を改めて感じさせられた収録でした。

矢島晶子さん(“モトエ”役):“クロエ”のお姉さん役として参加させていただきました。普段、アニメーションのアフレコ現場や外国映画の吹き替えの現場で森川さんとご一緒する時、だいたい私が子ども役を演じて、森川さんが年上役を演じていますので、新鮮な気持ちがしました(笑)。

沢城みゆきさん(“マリア”役):森川さんがおっしゃっていたように、本当に「独特の雰囲気がある作品だな」と感じました。それを「音にするとこうなるんだな」という呼吸を、これまで参加されてきた皆さんの演技を見てつかみ、演じさせていただきました。呼吸感は、全体的に日常に近いリアルな方向性でしたが、物語は非日常的なものなので、そのギャップの調整が難しかったです。

――演じられたキャラクターについてそれぞれご紹介をお願いします。

森川氏:“クロエ”は本当に優しくていい男です。一緒に住んでいる“ミサキ”ちゃんを大事に思っているのですが、その生活のシーンなんかを見ると、特に優しさを感じます。女性ファンの方の視点から彼の姿を見ると、もっと優しさを感じるかもしれません。また、“クロエ”には連れ去られたお姉さん(“モトエ”)を追っているという設定があるんですが、今回のドラマCDで彼女が“クロエ”にとってどういった存在だったのかが描かれます。まぁ、実は「お姉さんスキー」だったんですよね(笑)。今の“ミサキ”ちゃんには見せられないです(一同笑)。

中原さん:“ミサキ”は芯がとても強い子ですが、本当に大変な立ち位置にいるんです。大好きな“クロエ”に対して、心配で心配で不安にさせられることがたくさんありますし、ヤキモチを焼かせるような人もいますし……。ずっとヤキモキさせられてばっかりです(苦笑)。客観的に見るとそんな“ミサキ”の姿がかわいらしくていいのはわかるんですが、実際に私が“ミサキ”ならちょっとつらくなっちゃうかもしれないです。(一同笑)。心を通わせているシーンではほっとするんですけどね……。

田中さん:科学警察研究所に所属していて、特殊な力を持っている“サイノメ”ですが、今回はプライベートの彼女の一面を演じています。仕事のできる人ですが、柔らかいところもある魅力的な大人の女性で……、私よりも年上です。かけあいをする人によって印象がかなり変わる彼女の機微を演じるのは大変です(苦笑)。

三木氏:裏の情報屋としての顔があり、ポリシーというか彼自身の生き方として表に出て来るタイプではありません。わかった上であえて引いて見ているキャラクターです。そんな姿がかっこよくて素敵だなと思っています。

小林さん:何百年も生き続けてきた古い世代の吸血鬼ですが、外見は普通の10代の少年です。難しい言葉を使いますし、年齢を感じさせるような言い回しをしていますし、一番偉くて威厳を感じさせるキャラクターでもあります。抑揚や語尾に気をつけて、中身の部分を意識して演じています。

矢島さん:吸血鬼に連れ去られて現在は行方がわからない、“クロエ”の最愛のお姉さんです。収録中に「吸血鬼に見初められるにふさわしい何かを持っている人で、不思議な魅力が出てくるような人」とアドバイスをいただきまして、イメージしつつ演じています。また、とても美人な方で、弟さん(“クロエ”)の顔を間近まで引き寄せて「嘘つけないわよ」なんて言ったりすることも似合っちゃう人です。

沢城さん:“マリア”は生まれつき体が弱く、成人するまでもたないんじゃないかと宣告されながらも、吸血鬼の血を得て奴隷になり、心を失って生きながらえている女の子です。操られている中でのセリフではありますが、血を与えた吸血鬼に対して「死の淵から救ってくれた。お父さまがいなければ私はずっと前に死んでいた」と感謝するシーンがあります。体は弱くても、心は生きることを望んでいた彼女の強い生への執着を感じ、大変印象的でした。

――今回のドラマCD第3巻のシナリオについて、聴きどころや印象的だったシーンについてお願いします。

森川氏:第2話に、“ミサキ”ちゃんが自分の意思で事件の中に踏み込んでくるシーンがあります。今までは彼女の弱さが前に出ていて、“クロエ”が守ってあげることが多かったんですけど、自ら動く彼女を見て芯の強さを感じさせられました。ますます“クロエ”との距離が近くなってきた点を含め、注目していただければと思います。

中原さん:私も“ミサキ”が芯の強さを見せたシーンが印象に残りました。以前のドラマCDで“ミサキ”がすごいケガをした時に、怖くて強い別の人格が出てくるシーンがありましたよね。あの時とは違って、“ミサキ”のままでありながらしっかりとした強さを押し出しています。

田中さん:第3話として入っていた「雷」のエピソードです。原作を読んだ時から、あのお話がすごく好きだったんです。“ミサキ”って、普段は大人っぽく振舞おうとするところがありますけど、雷を怖がるような幼さを見ると、そのギャップがすごくかわいらしくていいなと思いますね。それと、そんな“ミサキ”の気持ちを分かった上で、焦らしながらかわいがっている“クロエ”も素敵だなって思いました(笑)。

三木氏:今、ほっとするエピソードについて田中君が言ってくれたんですけど、逆に硬派な方に振った、吸血鬼の「業」を感じさせるエピソードも収録されています。

硬軟織り交ぜて、各キャラクターを描いているのがこの作品の魅力であり、聞きどころじゃないかなと思っています。僕が言ったところや、田中君が言ったところ以外にも、聞いてくださる方の各々好きなキャラクターがその場に合わせて素敵に描かれているので、実際に聞いて探していただけるといいですね。

小林さん:1話で“クロエ”の過去を垣間見えたところが印象に残っています。

お姉さんとああいう経験があるからこそ、戦っていたり、人とのつながりを大切に感じているところがあるんじゃないかと思っています。私、“ミサキ”と“クロエ”の2人の関係や雰囲気が好きなんです。ほほえましいところがあっていいですよね。

矢島さん:私は、第1話の最初のシーンにあった姉弟の会話が印象に残っています。弟が「心配してくれなんて頼んでない。あんたとは関係ない」と言った時に、お姉さんが「気安く言うな、たった2人の姉弟だろ、関係ないわけがないじゃないか」って答えるんです。この「気安く言うな」という部分が、特に肉親だからこその絆というものを感じさせられましたね。絆というものをはっと感じさせるようなセリフですよね。他にも、立場が変わって苦しむ相手に対してかける言葉ですとか、はっと感じさせるセリフが、ポツリポツリとさり気なく散りばめられています。聞かれる方はぜひ、そういった引っかかりを聞き流さないでいただけるといいなと思います。

沢城さん:第3話のストーリーは、女性の視点からすると、本当に十分満足していただける内容だと私も思っています。雰囲気や空気感を音を通じて表す、ドラマCDだからこそのよさも出ているシーンですのでオススメです。

――それでは、ファンの皆さまへメッセージをお願いします。

中原さん:原作に忠実に作っているドラマCDなので、例えば、原作コミックを読みながら一緒に聴いていただけると楽しいんじゃないでしょうか? 他にも、聴かれる方にあわせていろいろな楽しみ方ができると思いますので、ぜひ手に取っていただけたらと思います。

田中さん:これからも末永く皆さんに愛していただければいいなと思っています。次の巻が出るなら、“サイノメ”がたくさん登場するお話も創っていただけるとうれしいです(笑)。

三木氏:ドラマCD第2巻の広告のアピール文に「好評を博した前作に引き続き――」って書いてありましたけど、第3巻はそこから満を持しての登場ということですので、さらにグレードが上がっているのではないかと思っています(笑)。もし仮に好きな声優がいるからということで聞いてくださった方で、ドラマCDを気に入っていただけた方がいましたら、原作のコミックも手に取っていただければと思います。よろしくお願いします。

小林さん:こうやって続けていけることは本当に幸せなことだなと私も感じています。次のドラマCDの機会がありましたら、“ヒグレ”のまた違った一面を演じてみたいと思っています。

矢島さん:私は吸血鬼もののお話にひかれるものがあるので、かかわることができてよかったです。私自身、好きなお話です。ぜひ皆さんにも楽しんでいただいて、好きなシーンを見つけていただけるとうれしいです。

沢城さん:今回は表情がないセリフがほとんどでしたので、次の機会がありましたら、表情のある、声に色のついた“マリア”が登場するといいなぁと思っています。4巻目でお会いできるのを楽しみにしています。

――最後に、森川さんから読者の方にメッセージをお願いします。

森川氏:ドラマCD「BLOOD ALONE」を応援していただいて、ありがとうございます。第3巻目を出すことができたのは、皆さまの熱いご声援のおかげです。原作ファンの方が納得して聞いていただけるのはもちろん、僕たちのこのコメントを見て初めて「BLOOD ALONE」を知ったという方にも、この独特で素敵な世界感を味わっていただけたら、きっと楽しんでいただけると思います。それと……きっと第4巻も出ると信じています、マリン・エンタテインメントさん(笑)。

データ

▼ドラマCD「BLOOD ALONE 3」
■発売元:マリン・エンタテインメント
■品番:MMCC-4153
■発売日:2008年6月25日
■価格:2,940円(税込)
■初回特典:クリアブックカバー
※マリン通販初回特典として「B2ポスター」が付属する。
 
【キャスト】(※敬称略)
 “クロエ”役:森川智之
 “ミサキ”役:中原麻衣
 “サイノメ”役:田中理恵
 “スライ”役:三木眞一郎
 “ヒグレ”役:小林沙苗
 “モトエ”役:矢島晶子
 “マリア”役:沢城みゆき
 他

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