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2008年6月12日(木)

【図書館戦争 連載インタビュー】第5回は才色兼備な“柴崎”を演じる沢城さん

文:電撃オンライン

 2008年4月より、フジテレビのノイタミナ枠他で放送スタートしたTVアニメ「図書館戦争」。その作中で“柴崎麻子”を演じる沢城みゆきさんにインタビューを行った。

 「図書館戦争」は、有川浩先生が原作、徒花スクモ先生がイラストを手掛ける同名小説シリーズのアニメ化作品。人権を侵害する表現を取り締まるという建前で「メディア良化法」が成立してから30年後の日本を舞台に、本を守るために「メディア良化委員会」と戦う「図書隊」の活躍が描かれていく。監督は「ウエルベールの物語 ~Sisters of Wellber~」の浜名孝行氏、制作は「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズのプロダクション I.Gが担当する。

 以下に、沢城さんのインタビューを掲載していく。なお、沢城さんとヒロイン“笠原 郁”を演じる井上麻里奈さんからいただいたプレゼントのお知らせもあるので、本作を見ている人はぜひチェックしていただきたい。

「図書館戦争」 「図書館戦争」
画像は、今回のインタビューに答えていただいた沢城さん(左)と、沢城さんの演じる“柴崎麻子”(右)のもの。

――沢城さんが演じている“柴崎麻子”についてお聞かせください。

沢城さん:“麻子”は、戦隊モノでいえばたぶんピンクですが、どんどん話を追うごとにシルバーみたいな役割もしていて。

――シルバーですか?(笑)

沢城さん:たまに途中から出てくる、敵か味方かわからない人がいるじゃないですか。謎の人というか……。表の顔はピンクなんですけれど、裏ではそんな働きをしているところがありますね。ちゃんと仕事もできて頭の回転も速くて。女性から見るとパーフェクトな人材なんですけれど、彼女自身は“郁”みたいにまっすぐ生きていける人にあこがれがあるみたいです。

――なるほど。ただ美人で仕事ができるだけじゃなくて、コンプレックスじゃないですけどそういった一面も持ち合わせていると。

沢城さん:本質的なところではあこがれているはずで、でも表面的には本気で「願い下げよ」って思っているんじゃないかな(笑)。そんな女性ですね。

――「図書館戦争」に出てくるキャラクターで、ご自分と似ているキャラクターっていますか?

沢城さん:ポジション的には“小牧”かなって思いますね。かといって、いつもあんなに冷静な判断ができるワケではありませんが……。中間管理職的な役割という意味で(笑)。

――好きなキャラクターを教えていただけますか?

沢城:これは悪い意味じゃないんですが、「図書館戦争」から好きなキャラクターって選べないなぁ。この作品って、お話があって、そのためにキャラクターを置いているんじゃなくて、キャラクターがいてお話が生まれてくる感じがするんですよ。だから「この人いなくてもお話進むよね」ってキャラクターがいないんですね。全員が全員、それぞれのポジションがあって存在をキッチリと主張してくるので、キャラクターとして皆愛しく、人間くさく、カッコよく感じられるんですよね。

――アフレコで苦労している点や注意している点がありましたら教えていただけますか?

沢城さん:原作3冊分のエピソードを1クール(13話)でやろうとすると、どうしても時間の関係で素敵なシーンを短く凝縮して見せなければいけないところがあります。同じシーンのように見えるんですけれど、実は、交換されている気持ちであったりシーン自体の意味あいが違っているところがあるんですね。ですから原作にある流れをそのまま持ってきてしまうと、お芝居になりませんし、もっと大事にするべきところを見逃しそうになるんですよ。ですから、いつもアフレコ前に今日やるシーンのエピソードを読んでからやろうか、アニメーションとして再構築した芝居を見せようかと悩むんですが、絶対的なものとして原作があるので、いったん目を通した後で「この行間は、もっとこの気持ちを埋めてやるといいな」と上手に差し引きして、なんとか原作の雰囲気を残しつつアニメの芝居として成立させています。ここが難しいですね。

――キャラクターの心情表現に重きを置いているワケですね。

沢城:そうですね。あと、オフ(キャラクターが背中を向けていたり、遠巻きにしゃべっていたり、画面に映っていなかったりする部分)のところでは、お芝居の流れでセリフをかぶせたり、あえて間を置いて心情を表現してみたりと工夫をしています。そこは音響監督の平光さんからも「気持ち重視でやってください」と言われることが多いので、セリフボードは盛大に無視してやらせていただいています(笑)。そうしたものを採用してくださる方なので。

――なるほど。では、アフレコで楽しいところはどんなところですか?

沢城さん:美人の人生を生きられる!(笑) 女性としてある種、あこがれる存在ですからね。彼女は彼女なりにコンプレックスがあったり大変なんでしょうが、こういう女性の人生を役を通してでも体感できることは、非常に幸せですね(笑)。

――続いては……これは“玄田隊長(鈴森勘司氏)”からの質問なんですが。

沢城さん:えっ!

――「図書館戦争」のキャラクターから「王子様」を選ぶとしたら誰になりますか? とのことです。

沢城さん:“玄田隊長”!!

――ありがとうございます(笑)。

沢城さん:相当カッコいいですよね。“折口”さんとのやり取りだとか。でも……回を追うごとに“郁”が似てきましたよね(笑)。今日収録した回でも、おんなじ顔して笑うんですよ(笑)。

――それはオンエアが楽しみですね。他の男性陣についてはどう思いますか?

沢城さん:確かに“堂上”みたいなタイプにも弱いですけどね。

――あんな男性に優しくされたら、ハッとなりますか。

沢城さん:なりますね! 前野さん(“堂上”役の前野智昭氏)のストレートなお芝居自体も一役買っていると思いますけどね。変に「カッコよくやろう」と飾っていないというか、そういうまっすぐなところが“堂上”と同じ目線に立っているようですごいステキです。あと、第3巻のDVD特典で“小牧”と“毬江”ちゃんのエピソードが入るようですが、それを見たらきっといろいろ意見が変わるかもしれませんね。

――Webラジオ「関東図書基地 広報課」では、井上さんとともに女子寮パートのパーソナリティを担当していますが、男子寮パートを聞かれたりするのでしょうか?

沢城さん:はい。向こうのパートを聞いたんですけれど、「まさに男子寮だな」って感じでした。高校生くらいの(笑)。向こうからかなり答えづらい質問が飛んでくるので、いかにうまく回避していくかを悩みつつやらせてもらっています。女子寮をお聞きになっている人は楽しんでもらえてるのかなって気にもなりますね。男子寮パートがデッドラインのない感じなので。

――井上さんは、デッドラインがないんじゃなくて、あの2人が壊しちゃったんだとおっしゃっていましたが?

沢城さん:確かにそういう側面はあると思います(笑)。ですから、「せめて私たちはしっかりやろう!」と思いながらしゃべっているんですけれどね。リスナーからのお便りも多くて、全部紹介できないのが申し訳ないくらい内容もしっかりしているし。有川先生も聞いてらっしゃるとのことなので、毎回ちょっとずつ成長しながら頑張ろうと思っています。

――番組内でやっているゲームは圧倒的に女子寮が強いですよね。

沢城さん:ハイ。それはもう、比べてもらっては困る! という感じではあります(笑)。

――確かに、第2回放送の連想ゲームはお題がなくなっちゃうくらいでしたよね。

沢城さん:でも、だんだん言葉じゃなくて芝居で伝える感じになってました。リスナーに優しくないラジオですね(笑)。

――“郁”や“柴崎”が友だちだったら、どういう付き合い方になっていたでしょうか?

沢城さん:“郁”の友だちには“郁”みたいなタイプが多いので、違和感なく付き合えそうな感じですね。“柴崎”は、高校時代とかが想像しづらいですねえ……。仲よくはなりたいんですけれど、ちょっと近づき方がわからない感じかもしれません。

――思い入れのあるセリフはありますか?

沢城さん:“柴崎”は、日常のセリフに彼女と相手の関係を表している場合が多いんですね。ただ「おやすみ」って言ったり「ただいま」って言ったり。何気ないセリフなんですが、内包されている気持ち自体はとっても豊かで、決めゼリフじゃないだけにとても気を使っていますね。思い入れのあるというと、彼女のセリフってことになるかな。

――すでにDVDなども発売が決まっていますが、これからご覧になる方にぜひ注目してほしいポイントはどこですか?

沢城さん:イラク戦争が始まった時にアメリカにいたこともあって、私の中で「戦争」というキーワードはとても重いものなんですね。あまり軽く使っていいものではないイメージなんです。でもこの作品のすごいところって、「図書館戦争」というタイトルを背負うに足るメッセージ性を持っていて、それでいながらエンターテインメント性をしっかりと持っているんですね。重たいメッセージだけでなく、私たち1人1人に身近でわかりやすい恋愛要素というものもきちんと織り込んでいる。そのバランスのよさがとってもすごいところです。

――では最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

沢城さん:ファンへのメッセージとのことですが、実は私自身もファンなので(笑)、アニメをご覧になっている皆さんと同じ気持ちなんじゃないかと。「DVD出てうれしいな」とか「アニメカッコイイよね」と思っています。演じている立場として言うと、私の主観で演じている“柴崎”なのですが、皆さんのイメージのワクの中に納まっていればうれしいですね。……井上さんも言っていたんですが、第4巻の内容を劇場版でできたりしたら、いいですよね(笑)。声を大にして「図書館戦争」を広げていただければ何よりです。

「図書館戦争」
沢城さんと井上さんのサインが入った台本と番組ポスターを、読者プレゼントとして提供していただいた(写真はサイン入り台本のもの)。6月19日更新の「ユーザープレゼント」コーナーで応募を受け付けるので、お見逃しなく!

(C)有川浩/アスキー・メディアワークス/図書館戦争製作委員会

■TVアニメ「図書館戦争」
【放送局】フジテレビ、東海テレビ、関西テレビ、テレビ西日本、新潟総合テレビ、北海道文化放送、鹿児島テレビ

【放送日】
 フジテレビ……毎週木曜 24:45~
 関西テレビ……毎週火曜 25:59~
 東海テレビ……毎週木曜 26:05~
 テレビ西日本……毎週水曜 26:10~
 新潟総合テレビ……毎週木曜 26:00~
 北海道文化放送……毎週日曜 26:00~
 鹿児島テレビ……毎週木曜 26:10~

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:有川 浩(「図書館戦争」「図書館内乱」「図書館危機」/アスキー・メディアワークス刊)
 キャラクター原案:徒花スクモ
 監督:浜名孝行
 キャラクターデザイン:中村 悟
 美術監督:池田繁美
 美術設定:荒川直樹
 色彩設計:片山由美子
 撮影監督:田中宏侍
 3D監督:遠藤 誠
 音響監督:平光琢也
 音楽:菅野祐悟
 シリーズ構成:古怒田健志
 制作:プロダクション I.G
 OPテーマ:高橋 瞳「あたしの街、明日の街」
 EDテーマ:Base Ball Bear「changes」
 他

【キャスト】(※敬称略)
 “笠原 郁”役:井上麻里奈
 “堂上 篤”役:前野智昭
 “小牧幹久”役:石田 彰
 “手塚 光”役:鈴木達央
 “柴崎麻子”役:沢城みゆき
 “玄田竜助”役:鈴森勘司
 “稲嶺和市”役:佐藤晴男
 他

データ

▼DVD「図書館戦争」第1巻
■発売日:2008年8月6日
■価格:4,935円(税込)
 
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