2008年6月20日(金)
2008年4月より、フジテレビのノイタミナ他で放送中のTVアニメ「図書館戦争」。その作中で“玄田竜助”を演じる、鈴森勘司氏にインタビューを行った。
「図書館戦争」は、有川浩先生が著作、徒花スクモ先生がイラストを手掛けるアスキー・メディアワークス刊行の同名小説シリーズをアニメ化した作品。人権を侵害する表現を取り締まるという建前で、「メディア良化法」が成立してから30年後の日本を舞台に、本を守るために「メディア良化委員会」と戦う「図書隊」の活躍が描かれている。監督は「ウエルベールの物語 ~Sisters of Wellber~」の浜名孝行氏、制作は「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズのProduction I.Gが担当する。
以下に、鈴森氏のインタビューを掲載していくので、本作を見ている人はぜひチェックしていただきたい。
画像は、今回のインタビューに答えていただいた鈴森氏(左)と、氏の演じる“玄田竜助”(右)のもの。 |
――ではまず、鈴森さんの演じている“玄田”というキャラクターの役どころなどを聞かせていただけますか?
鈴森氏:“玄田”は、“郁”や“堂上”など、“柴崎”以外の主要メンバーが所属している「図書特殊部隊(ライブラリー・タスクフォース)」の隊長です。この部隊は、関東図書基地の司令である“稲嶺”の直属部隊になります。
――そんな“玄田”の人となりについて、鈴森さんはどう思われますか?
鈴森氏:何ごとに関してもアバウト……と言ってしまうと言い過ぎかもしれませんが、ワクにとらわれないタイプなんですよ。でも、実はかなり計算をして動いていて、視野も広い。柔軟性と突破力もある。僕から見ても、とても魅力を感じているキャラクターだし、あこがれを持っているところもあります。ちょっと悪ノリするところもありますけれどね(笑)。
――確かに、作中でも“郁”や“堂上”が被害にあっているくだりがありますね。
鈴森氏:ふざけるところではしっかりとふざけてますが、そんな中でも大事な部分はしっかりと押さえている。そういうところがすごいなぁ、と感心していますね。
――“玄田”隊長を取り巻く部下たちについては、どんな印象をお持ちですか?
鈴森氏:基本的に、“玄田”のおめがねに適った人物が所属しているチームなので、それぞれに魅力的なところがありますよね。“玄田”隊長からすれば、きっと全員が使いがいのある部下なんだと思います。僕からすると……みんな個性の強くて好きなキャラクターたちなんですが、その中では“堂上”が好きですね。彼も最初は直情径行タイプだったんですが、だんだんと規則やルールがわかってきて、“玄田”と比べるとカタいですが、柔軟になってもいます。“玄田”からの信頼も厚いですね。
――どのあたりのエピソードで、2人の信頼関係の厚さが伝わってきましたか?
鈴森氏:第4話で、ある人物が拉致されてしまうエピソードがあったんですが、見つけ出すところまでは“玄田”が仕切っていたんですが、実際の救出に関しては、すべて“堂上”に一任してしまうんですね。これって、やっぱり“堂上”のことを信頼していないとできないんじゃないかと思うんです。
――なるほど。では、鈴森さんが作中で一番好きなキャラクターとなると、誰になるんでしょうか?
鈴森氏:一番ということになりますと、やはり“玄田”です。原作を読ませていただいた時から「こういうキャラクターっていいなあ」という印象を持っていて、そのキャラクターを演じる機会に恵まれて、とてもありがたいと思っています。
――鈴森さんの中で、“玄田”に似ているな、と感じる部分はありますか?
鈴森氏:“玄田”と似ているところですか……軸がぶれないところですね。細かい規則だったりルールだったりを破ってしまったとしても、守らなきゃいけないモノを大事にしているところは、僕自身の中にも似た部分があるかな、と。実際に生きていくうえでは、それを貫き通すのは難しかったりするので、完璧に近い形で実行している“玄田”がうらやましいと思う部分もありますね。
――次は、「図書隊」以外のキャラクターについて伺います。作中に登場する女性記者“折口マキ”は、“玄田”を語る上で外せないキャラクターだと思うのですが、彼女についてはどんな印象を持っていますか?
鈴森氏:原作でも、“玄田”にとっては重要なキャラクターですよね! アニメ第8話の時点では、あまり会話しているシーンがなかったりするのですが。そこはもう“郁”と“堂上”の関係が厚く描かれているので、アニメでご覧になって気になった人は、ぜひ原作でチェックしていただけるとうれしいですね。原作でもそんなに深くは描かれていないですが、もしもアニメで2人のエピソードが描かれるとしたら、ぜひ演じてみたいです。
――原作についてはどう思われますか?
鈴森氏:原作は、“郁”たちの活躍を通じて、表現の自由や障害者など、社会的な問題が描かれていて、とても興味深い作品ですね。グイグイと読み手をひきつける力もありますし。僕自身も「どんな話なんだろう?」と思って1巻を開いたんですが、先が気になって気になって、気が付いたら一気に4巻まで読んでしまいました。まだ読まれていない方がいるとしたら、ぜひ読んでもらいたいと思います。
――続きまして、本作の注目ポイントを教えていただけますか?
鈴森氏:どこだろうなぁ……。僕自身は、“堂上”の発言をいつも注目してみています。今日収録した第8話では、“堂上”の重大なポイントがついに明らかになりましたし、ヒロインである“郁”と関係している中でも、一番重要なキャラクターですからね。「今回の“堂上”はどんなセリフがあるのかな?」と、台本をもらう前はいつもワクワクしています。
――ありがとうございます。作品の話とは話題は変わりますが、アフレコ現場でのエピソードなどありましたら聞かせてください。
鈴森氏:やっぱり前野くん(“堂上 篤”役の前野智昭氏)の話になりますね(笑)。今日の収録でも、サ行に弱い部分を見せてまして。前野くんにはちょっと悪いですけれど、場が和む瞬間でもありますね(笑)。
――現場のムードメーカーというと、誰になるんでしょうか?
鈴森氏:ムードメーカーとなると、“手塚”役の達央くん(鈴木達央氏)が発言の数も多くて引っ張ってくれる感じなんですが、それでも前野くんがいろいろな意味で場を沸かせてくれますね(笑)。
――では最後に、「図書館戦争」をご覧になっている皆さんへメッセージをお願いいたします。
鈴森氏:やはり放送時間の長さの関係もあって、原作とは若干変わっている部分もありますが、原作を読んでいる方にも楽しんでいただける作品にしたいと思いながら、制作陣も頑張っております。楽しんでいただけたら何よりです。
――ありがとうございました!
(C)有川浩/アスキー・メディアワークス/図書館戦争製作委員会
■TVアニメ「図書館戦争」