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2008年7月27日(日)

限りなく製品版な『テイルズ オブ ヴェスペリア』体験版をプレイしてきた!

文:電撃オンライン

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■『テイルズ オブ ヴェスペリア』を体験してきました!

 では、ここからは語り口調で書かさせていただきます。ちなみに筆者は、この日が『TOV』初体験となります。以下の体験レポートについても、「『TOV』に興味はあるけれど……体験版をプレイできていない」という人を対象に書き進めていくので、あらかじめご了承ください。

 今回は、本作におけるより多くの要素を楽しみたかったので、パーティメンバーが7人まで揃ったセーブデータを選択してプレイしました。ちなみに7人のパーティメンバーとは、これまでの記事にもお伝えした“ユーリ”、“エステル”、“ラピード”、“カロル”、“リタ”、“レイヴン”、“ジュディス”です。大雑把に分けてしまえば“ユーリ”、“ラピード”、"カロル”、“ジュディス”が前衛向き、“エステル”、“リタ”、“レイヴン”が後衛向きとなりますが、“ラピード”はある程度補助もこなせるし、“エステル”はある程度前線で戦うこともできました。

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“ユーリ・ローウェル”“エステル”“ラピード”
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“カロル・カペル”“リタ”“レイヴン”“ジュディス”

 実際にプレイしてみて、まず最初に「これはすごい……!」と感じたのが、イベントシーンにおける表情の豊かさです。ゲーム画面については何度も掲載しているので、そのグラフィックがシリーズ最高の美しさであることは、読者の皆さんにもすでに理解いただけていると思います。あのハイクオリティなグラフィックのキャラクターたちが、声優陣の演技にあわせてめまぐるしく表情を変える様は、さながらアニメを見ているかのようでした。

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画像は序盤のイベントシーン。どのイベントシーンにおいても、キャラクターの表情はよく動きます。静止画でしかお見せできないのが残念ですが、公式サイトで配信中のPVなどを目を凝らして見れば、上に書いてあることがお分かりいただけるのではないかと。

■キャラクターをカスタマイズするのが楽しいです

 さて、上に記したイベント内容については、ネタバレになるので掲載を控えますが、モンスターの襲撃からの護衛を引き受けたので、とりあえず装備やスキルの確認をすることにしました。本作における装備やスキルの確認は、従来のRPGより殊更重要さを増します。これは、5月2日の記事にもお伝えした通り、『TOV』では、武器の持つスキルを戦闘を重ねて習得するシステムだからです。習得したスキルは、SP(スキルポイント)を割り振れば、いつでもキャラクターにセット可能ですが、武器を装備している間はそれが持つ未習得のスキルも使えるので、パーティの状態やキャラクターの個性を考えて武器を装備するのが望ましいと思われます。

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武器には0~3個のスキルが設定されています。敵と戦っていくことでLPが溜まり、ゲージが満タンになると戦闘でその知らせが表示されるので、習得後はメニュー画面で確認しましょう。

 なお本作では、移動中の時もキャラクターは武器を持っていますが、装備を変えることによってグラフィックも変化します。キャラクターの見た目を変えるアイテムである「アタッチメント」と合わせて、お気に入りのルックスを探すのも楽しみとなるのではないでしょうか。

■作業ではない、もっと戦いたくなるバトル!

 装備を整え、スキルのセットを行った後は、戦闘を体験してみようと街の外へ。街の外のフィールドからは、この世界の特徴である街を覆う結界が大きく表示されています。この結界が目立つので、見た目にはファンタジーRPGそのもののフィールドも、ちょっとした独特の雰囲気を出しているように感じました。なおフィールド上の戦闘では、基本的に敵シンボルが突然出現して、それが主人公たちを発見すれば追ってくる形です。敵に接触すれば戦闘となりますが、この時に背後から接触されたり、接触時に近くにも敵シンボルがいたりすると、不利な状態で戦闘が始まるので要注意です。

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うしろから接触されると、戦闘メンバーと控えのメンバーがごちゃまぜになる「サプライズエンカウント」、敵シンボルが周囲にいる状態で接触されると、普段より多くの敵が出現する「エンカウントリンク」となります。

 いざ戦闘が始まると、『テイルズ オブ ジ アビス』をベースにしたバトルシステムなだけに、パッと見はそれと似ていて、自由に走り回れる広さのフィールドを舞台に敵と戦います。操作も基本的には、移動しながら通常攻撃、術技、防御のボタンを使って戦っていきます。ショートカットを使用した術技の発動も従来通りなので、シリーズ作品に慣れた人であれば違和感のない作りになっていますよ。

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シリーズを経験したことがあれば、戦闘は違和感なく入り込めます。序盤のザコ敵であれば、これまで通りに戦っていても充分に勝てる敵の強さのようです。

 ただし本作では、『TOV』独自のシステムである一撃で敵を倒す攻撃「フェイタルスライク」や、強力な技を繰り出す「バーストアーツ」が存在し、キャラクターをパワーアップさせる「オーバーリミッツ」も採用されています。初期キーでは、右トリガーにフェイタルストライク、十字キーにオーバーリミッツが割り振られた配置となります。

 フェイタルストライクは、本作独自の設定「術式」の生かされたシステムです。すべての敵には、3種類の術式に対応した耐久値があり、キャラクターが術技を敵に当てていくことで、術や技に設定された術式の耐久値が減少します。この耐久値が0になると、敵に術式発生のエフェクトが表示されるので、この時にフェイタルストライクを繰り出せばザコ敵を一撃で倒すことが可能です。なお、フェイタルストライクを出さずに一定時間内にふたたび術式を発生させれば、「チェイン」となります。「チェイン」になれば、攻撃力アップやHP回復、取得経験値アップやアイテムドロップ率アップなどの効果が得られるので、強敵が相手で報酬も大きそうな時は、すぐにフェイタルストライクを出さずに待ってみるのもいいかもしれません。

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フェイタルストライクが発動すると、“ユーリ”であれば、時代劇の決闘のようなアクションシーンで敵を葬り去ります。ボスが相手であれば、一撃死の代わりに強大なダメージを与えるこの攻撃。ハマるとクセになる爽快感を覚えること請け合いですよ。

 またオーバーリミッツは、戦闘画面左のゲージがLv1以上になれば発動できます。アイテムなどで強化していくことで最大Lv4までの発動が可能となり、発動した後は一定時間、戦闘が有利になる強力な効果が付きました。さらにこの状態で特定の技を繰り出し、対応した操作を行えばバーストアーツを繰り出せます。これは、各キャラクター固有の強力な技で、敵に大ダメージを与えます。

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オーバーリミッツからのバーストアーツで敵に大ダメージを与えられます! ボスや強力な敵が相手の時には、有効な攻撃となるはずです。

■難しい? でも自分に合わせた難易度で戦えます

 以上を組み合わせれば、『TOV』のバトルでは、対戦格闘ゲームとまではいかなくとも、それに近いアクションがプレイヤーの操作で行えます。体験会中に上映されたスーパープレイ映像では、スキルなどで強化された“ジュディス”が、ジャンプしては真下の敵に技を繰り出し、またジャンプしては……と、地に足を着かずモンスターを攻撃し続けるといったアクションも見られたので、テクニックを極めれば普通のRPGではちょっとお目にかかれない戦闘を体験できそうです。

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この日『TOV』初体験の筆者には、スーパープレイ映像のような腕はさすがになく……。術技を駆使して敵を短時間で倒したり、フェイタルストライクでカッコイイ“ユーリ”を見て気持ちよくなったり、という程度でした。

 ただし、これだけのバトル要素が搭載され、RPGでありながら対戦格闘ゲームに近いアクションができるとなると、シリーズ未体験、もしくはプレイ経験の少ない方は、「ちょっと戦闘が難しいのでは……?」と思うかもしれません。

 事実、会場に訪れたユーザーからは「難しい」との声もあがり、郷田氏と樋口氏も「Xbox 360向けに難しくしてあります」と答えていました。ですが樋口氏が、「シリーズの戦闘はどれもちょっと難易度が高めだと思うので、『TOV』も序盤慣れるまで難しく感じるでしょうが、徐々に慣れていくと思います」と言っていたように、人を魅せるほどのスーパープレイは無理にしても、ゲームをクリアするくらいの腕前には、最終的に自然となってしまうはずです。また、プレイ中にコンフィグからいつでも難易度をEASY、NORMAL、HARDの3つから選択できるので、ボス敵だけEASYにするなどの方法で、攻略をスムーズにすることもできます。なお上級者向けのHARDでは、敵のパラメータが単純に上がるのではなく、思考ルーチンも変わることにより、敵の動きも変化するそうです。

 ここまで長々と戦闘について書きましたが、郷田氏と樋口氏によれば、『TOV』の戦闘はとてもこだわっているようです。通常のRPGでは作業になりがちな戦闘に、奥深さと爽快感を盛り込もうと開発されたそうで、樋口氏からは「戦闘するのが楽しい、自ら敵シンボルに当たっていきたくなるような戦闘を目指しました」という言葉も伺いました。実際にプレイした筆者にとっても、戦闘が作業ではなく「積極的に楽しめる遊び」でした。

■やり込み要素は夜も眠れない予感です

 さて。実はまだフィールドに出てしたことといえば、「移動して戦闘を繰り返しただけ」だったりします。ですがこの間に、ゲーム画面は薄暗くなって夜になりました。今までお伝えしてませんでしたが、本作には昼夜の概念が導入されています。もともとは、高速の乗り物に乗った時に、昼夜が巡ることでその速さを演出し、見た目にも飽きないようしたかったそうです。ただその結果、昼と夜では街のNPCの配置が代わりますし、そのために一部キャラクターのセリフが変わったりします。時間だけでなく天気も変わるため、雨の日しか出現しないモンスターもいるのだとか。

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 それからフィールド上には、ところどころに切り株があります。これは、採取(調べると同じ)することで合成素材を入手できる「探索ポイント」といって、戦闘以外に合成素材を入手する手段となります。戦闘をこなして、「探索ポイント」からも採取を行ったので、そろそろ街に戻って合成をすることにしました。

 合成は、キャラクター強化に繋がる本作の重要ポイントです。合成では消費アイテムから装備品、特殊な効果を持つキーアイテムや、アタッチメントなどを作成できます。合成は店で行うことができ、合成可能なアイテムが一覧で表示されます。この時、素材が揃っているものについてはアイテム名が光り、それ以外のものは暗いままなので、合成したいアイテムをすぐ合成できるシステムになっています。もちろん、現在所有する必要素材の数も同じ画面に表示されます。ちなみにこの時は、今後の戦闘に備えてレモングミと+1の上位武器を作りました。

 なお合成では、消費アイテムであれば必要素材の種類が1通りでないものがありますし、武器であれば+1などの上位武器が作れます。キーアイテムには、オーバーリミッツ(OVL)をパワーアップさせるものや、移動速度がアップするものなどがあって、冒険が便利になるものばかりでしたが、必要な素材もレアものばかり……。アタッチメントも然りでしたが、樋口氏によれば「そういったものがセットになったダウンロードコンテンツが配信されるかもしれません」とのこと。ただし、OVLを強化するような攻略に必須のアイテムは、ゲームを進めていれば自然と素材が揃うそうです。

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店で売っているアイテムも合成できますが、店では入手できないアイテムもかなり多いです。合成で作った武器などが持つスキルを習得するか否かで、けっこう戦闘の難易度が変わるらしいので、ぜひ素材を集めましょう。モノによっては、見た目も新鮮になりますし。

■以上。この日の体験終了です

 最後に、スキットについて少々触れておきます。冒険の合間の息抜き的なショートエピソードが描かれることについては、本作でも同様です。ただし、今までのシリーズと比べてスキットが頻繁に見られます。本作のアフレコは別録りではなく、アニメのようにキャストが集まって行ったらしいので、会話も生き生きとしていました。微妙な女心を描いたもの、繊細なおっさん心を描いたもの、いろいろあったので、かなり楽しめるポイントになるでしょう。

 というわけで、この日は戦闘や合成など、本作の中で特に力の入ったシステムを中心に堪能してきました。正直、今回プレイした範囲では『TOV』のデキに期待以上のおもしろさを感じました。「初心者には、慣れるまで戦闘の難易度が高い」、「スキットに表示されるキャラクター画像の解像度が低い」など、解決できたり、できなかったりな難点もありますが、そういったものに目をつむれるくらいの魅力を感じましたよ。ちなみに後日、「今週の1本」にプレイレポートが掲載されるので、そちらもご覧いただければ幸いです。

 と締めたいところですが、「おいおい、これで終わるのか!」と思った方は記憶力がいいです。いろいろとシステムを紹介する前にイベントを見て、それを放置したことを最初の方に書きましたから。とはいえ、この先はネタバレ以外に書くことがないので、せめて画面写真で勘弁してくださいませ。

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今回体験した範囲は、ストーリーの展開が早かったです。ただし、街中のサブイベントなどの寄り道が多く体験できたので、隅々まで遊ぶと気がついたら朝になっているかもしれません。

(C)藤島康介 (C)2008 NBGI

データ

▼『テイルズ オブ ヴェスペリア』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:RPG
■発売日:2008年8月7日
■価格:7,800円(税込)
 
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▼「Xbox 360 テイルズ オブ ヴェスペリア プレミアムパック」
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:RPG
■発売日:2008年8月7日
■価格:37,800円(税込)
※同梱物は『テイルズ オブ ヴェスペリア』ゲームソフト、『テイルズ オブ ヴェスペリア』オリジナルフェイスプレート、『テイルズ オブ ヴェスペリア』収録台本レプリカ、Xbox 360本体、Xbox 360 ハードディスク(20GB)、Xbox 360 ワイヤレスコントローラー、Xbox 360 メディアリモコン、Xbox 360 D端子 HD AVケーブル、LANケーブル、ACアダプター、取扱説明書、単三乾電池(4本)。

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