2008年7月28日(月)
全国のDVD取り扱い店で、8月8日に発売されるOVA「デトロイト・メタル・シティ(以下、DMC)」。その出演スタッフにインタビューを行った。
「DMC」は、2005年より「ヤングアニマル」(白泉社刊)で連載されている同名人気コミックのアニメ化作品。オシャレなポップ音楽が好きな青年“根岸崇一”が、悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のカリスマギターボーカル“ヨハネ・クラウザーII世”として活躍(?)する、デスメタルギャグ漫画だ。アニメ化に加えて実写映画が今年8月23日より公開され、DS用ソフトの発売も決定している。
今回、アニメで主人公“根岸崇一”を演じた岸尾だいすけ氏に、役を演じた感想やレコーディング時のエピソードなどについてお聞きした。
――まずは、“根岸”を演じることになった経緯を教えてもらえますか?
岸尾氏:サンプルボイスや他の作品を見ていただき、声をかけていただいたとお聞きしています。オーディションがあったというわけではありません。僕自身は、お話をいただく前に本屋でコミックを目にして、気にはなっていました。なので、どんなアニメになるのかドキドキしましたね。
――原作は読んでいたのですか?
岸尾氏:単行本の1巻が発売されていたのを店頭で見て、「デトロイト「ロック」シティじゃなくて、「メタル」なんだ」と思いましたね(笑)連載も何度かは読んだことありました。お話をいただいた時に、原作をちゃんと読んだんですが……いえ、最初から自分は「“根岸”」だと感じていました(笑)。
――収録では、1人ずつ録られたということですが、何か苦労した点や普段と違う点はありましたか?
岸尾氏:1番苦労したのは、「とにかくセリフを巻いてくれ」という指示ですね。1話10分程度という尺の中で“根岸”くんが大半をしゃべってるんです。“根岸”くんの間尺を詰めて速度を速めることで、今回のようなキャラクターになりました。でも逆にそれで、更にキャラに色がついたと思います。あとは、とにかくツボに入る作品なので、セリフを読む時に笑わないようにするのが大変でした(笑)。役自体は楽しくやれたので、よかったです。
――“根岸”が“クラウザー”に変わっていくところの演技はどうでしたか?
岸尾氏:原作にあるシーンなので、スルっと演じられました。個人的にはハジけるのも好きなので、楽しめました。
――普段の岸尾さんは、“根岸”タイプと“クラウザー”タイプ、どちらに近いと思われますか?
岸尾氏:両極端すぎて、どちらにも分けられませんね(一同笑)。ただ、“根岸”くんにはシンパシーを感じますね。自分がやりたい音楽ができないもどかしさというのには、かなり共感します。僕もやりたい仕事や芝居が出来ない事が多々あるので……この「DMC」は大好きですよ。出演できて楽しかったし、うれしかったです。
――長濱監督と一緒に仕事してみて、どうでしたか?
岸尾氏:すごく素敵な人柄の方で、やりやすい現場を作っていただいたと思います。長濱監督の作り上げたいことが分かりやすく提示されていたので、それに向かってスタッフが一丸となって頑張りました。普段、声優は音響監督の方とコミュニケーションをとることは多いんですが、監督との接点は少ないんです。でも、今回は監督ともよくお話ができ、楽しく仕事できましたね。
――作中で歌を歌われていますが、収録はスムーズにいきましたか?
岸尾氏:僕は歌は苦手なんですが、劇中歌ということで着地点もしっかりしていたので、普通のレコーディングよりもやりやすかったです。曲数はあったんですが、フレーズも短かったので、いつもこうだったらいいなと思いますね(笑)。「甘い恋人」は、“根岸”くんが本当にやりたい曲ではあるんですが、彼はそちらではイマイチという感じですから、音楽の才能がない僕とリンクして、いい感じになったのではないでしょうか。
――収録されたエピソードで、好きなエピソードを教えてもらえますか?
岸尾氏:原作もそうですが、どれも起承転結がしっかりしていておもしろいので、どのエピソードもいいですね。……何か1つを挙げるのは難しいです。全部読んでください、全部見てください!
――普段の岸尾さんはどういった音楽が好きなのでしょうか?
岸尾氏:最近はあまり音楽を聞かなくなってしまったんですが、昔はデスメタルまではいかないまでも、ヘビーメタルやハードロックが好きでした。デスボイスにふれたのは初めてだったんですが、ちょっとやってみたいと思いました。スウェーディッシュポップも初めての体験だったのですが、それはそれで心地いいですし、音楽には無限の可能性があると感じましたね。
――できあがった作品は、もうご覧になりましたか?
岸尾氏:先日ネットで配信されていたのを、観ました。やっぱりおもしろかったです。音声だけでもおもしろかったのに、絵もついて、自分が想像していた以上のものになっていました。あとよく尺が入ったなと感じましたね。テンポ感を出してくると思っていたのですが、あんなすごいテンポだと思わなかったのでビックリしました。テンポよく見れて、ドンドン進行していくので、全話観るのが楽しみです。
――では最後に、作品を楽しみにしている人へメッセージをお願いします。
岸尾氏:僕も一生懸命に演じましたし、スタッフも一丸となって作りました。BOXの方もスキがない仕様で、手に取って驚いたので、そこも皆さんに驚いていただければと思います。気合が入りすぎているくらいに入っている作品なので、「DMC」を楽しんでいただければと思います。期待は裏切りませんし、予想以上のものになっています! ぜひこの夏は「Go To DMC」で、よろしくお願いします!!
「仕事がやりやすい現場で、“根岸”くんを楽しく演じられた」と語っていた岸尾氏。アニメ版「DMC」は、8月8日に全国のショップで発売される。 |
(C)2008 アニメ「デトロイト・メタル・シティ」製作委員会
■OVA「デトロイト・メタル・シティ」