2008年8月2日(土)
本日8月2日より全国ロードーショーの始まった映画、「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」の初日舞台挨拶が新宿ミラノ1にて行われた。
映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」は、森 博嗣氏の著作「スカイ・クロラ」(中央公論新社刊)を原作とした劇場用アニメーション。大人にならずにずっと思春期のまま生きる「永遠の子供たち《キルドレ》」が、戦闘機に乗って「ショーとしての戦争」を戦い、日々を生きる姿を描いた作品だ。
本作の監督を務めるのは、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などの作品を手掛けた押井守氏。脚本には、「世界の中心で、愛をさけぶ 」の伊藤ちひろさん、キャラクターデザイン・作画監督には「イノセンス」の西尾鉄也氏といったスタッフらが名を連ねている。なお、昨日の記事では、押井監督と西尾氏の口から語られた作品にまつわる裏話も掲載中なので、興味のある人はチェックしておいてほしい。
「本作についての感想は?」という質問に対し、本日駆けつけた加瀬亮氏は「言葉にならない気持ちを表現したすごい作品だと思います」、菊地凛子さんは「渋いラブストーリーだと思います。感情に訴えかけてくる作品で、虚構のことを描いているのに、現実世界を描いているような、考えさせられる作品でした」と、それぞれにコメントしていた。 |
本日の舞台挨拶では、押井監督と西尾氏、女司令官“草薙水素”とエースパイロット“函南優一”の声を演じた菊地凛子さんと加瀬亮さんの4人が駆けつけた。それぞれが挨拶を述べた後に、本作が「第65回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門」に正式出品されたことが話題に。
北京オリンピック開催日の8月8日には誕生日を迎える押井監督に、「ヴェネチア国際映画祭でも金(金獅子賞のこと)を狙ってください」との声が司会からかけられると、「覚悟していくしかない、それだけですね。選ぶのは向こうの方たちですし」と冷静な返答が。特に気負ってる様子はない押井監督だが、「スタッフや出演者、大きなキャンペーンとあって、これだけの条件が揃って当たらなかったら監督続けられないよね。僕に監督を続けてほしい方は、この作品を応援してください(笑)」と、冗談とも本気ともつかぬ弱気を見せて、会場のファンを笑わせる場面も見られた。
また、以前に同映画祭にて作品を持ってレッドカーペットを歩いたものの、「その時はコテンパンにされた」という加瀬氏は、この作品でリベンジを果たしたいと意気込みを語っていた。一方の菊地さんは、「私は旅行気分だったんですけど、話を聞いてると甘くないような気がしてきました」とのことで、会場からはまたも笑いが。
その後も、「ここ数日、押井さんのすごいTV出演を毎日家で見ながらニヤニヤしていたんですが、今日公開初日ということは、そういうニヤニヤすることもなくなって少し寂しいです(笑)」と話す西尾氏に対して、押井監督が「TVは、もう出ないから(笑)」と返す掛け合いにファンは爆笑。終始笑いに包まれた舞台挨拶は、最後に登壇者の挨拶をもって幕を閉じた。
映画に関しては、「2年間かけた多くのスタッフの汗と涙の結晶を、おもしろかった人は2度3度見ていただいて、つまらなかった人はおもしろくなるまで見てください(西尾氏)」、「今回は制作もキャンペーンも力いっぱいやらせていただきました。この映画を見て誰と何を語るか、それによってこの作品の真価が問われると、今回は特に強く感じています(押井氏)」とそれぞれ話していた。 |
「「スカイ・クロラ」が全国で公開されて、1人でも多くの人に見てもらえる作品になるようお願いします」と話す菊地さん。加瀬氏は、さきほどの押井監督の発言を受けて、「押井監督をやめさせないでほしいな、と心から願ってます」とコメントしていた。 |
最後には大ヒットを祈願して、満席のファンを背に写真撮影。司会の掛け声にのせて、皆で「大ヒット!」と思いを轟かせた。 |