2008年8月9日(土)
10月16日に、シリーズ最新作が発売される『カルドセプト』。シリーズ誕生10周年を記念した展示会が、本日8月9日~10日に、都内の秋葉原UDXギャラリーで開催されている。
『カルドセプト』は、1997年にセガサターン用ソフトとしてシリーズ1作目が発売され、その後もプレイステーションやドリームキャストなどさまざまなハードで展開している人気シリーズ。トレーディングカードゲームの要素とボードゲームの要素をあわせ持ったシステムが特徴の対戦型ゲームで、ダイスを振ってマップを回り、ライバルよりも早く目標魔力を貯めるのが目的だ。
10月16日には、最新作となるDS用ソフト『カルドセプトDS』も発売される。展示会では体験版をプレイできたので、その内容も含め以下で会場の模様を紹介する。
会場に入ると、『カルドセプトDS』のジャケットに使用されているイラストの、巨大なタペストリーが目に入った。会場手前ではカードやイラストの展示が、奥では最新作の体験会が行われている。展示物は自由に回覧できるが、体験会は完全入れ替え制になっており、入場には事前に配布される整理券が必要となるので注意しよう。 |
シリーズに登場するカード全1,254点がずらり展示されていた。ゲーム中でお世話になったカードたちのイラストが、間近でじっくり見られる。 |
ソフトのパッケージイラストなども展示されていた。かねこしんや氏が手掛けるコミックのページも出展。 |
奥にはお待ちかね、『カルドセプトDS』の試遊台がズラリ。4隅に設置された試遊台では、それぞれ4人の異なるCPUを相手に、1ゲーム20ラウンドをじっくり楽しむことができた。1プレイ10~15分程度だったが、100人単位の入れ替え制を取っているため、特に時間を気にせず楽しめそうだ。 |
実際にプレイしてみたが、開幕直後にモンスターを2匹倒され、ボコボコにされてしまった。対戦相手は写真左下の“コーテツ”。「バカそうだし勝てるだろう」と高をくくっていたのがアダになった。新カードの追加だけでなく、従来のカードの能力も大きく修正されているので、まずはじっくりカードの能力を確認しよう。 |
また、本作の開発を手掛けた大宮ソフトの取締役社長・鈴木英夫氏にインタビューを行った。
――シリーズ10周年を記念した展示会ですが、ご覧になっていかがでしたか?
鈴木氏:こうしてカードやイラストが並んでいるのを見ると、10年経ったことをしみじみ感じますね。
――カードもすごい数ですよね。
鈴木氏:血と汗と涙が詰まっていますね。1枚1枚作ったことを考えると泣いちゃうみたいな。
――思い入れのあるカードはありますか?
鈴木氏:そうですね……。少し湿っぽい話になってしまうんですが、イラストレーターの1人が他界してしまいまして。でもこうしてカードが残っているということを考えると、10年という年月を改めて感じます。本当にたくさんのイラストレーターさんに参加していただいて、面倒な注文を受けていただいて。重みがありますね。「これだけたくさんのイラストが見られて、ゲームも遊べるお得なソフトです」ってよく冗談で言うんですよ。カードを見ると、イラスト描いてもらっていた当時のことを思い出しますね。
――先ほど『カルドセプトDS』の体験版を触らせていただいたんですが、まるまる1ゲーム遊べて驚きました。
鈴木氏:中途半端なことをしてもユーザーさんは納得してくれませんので(笑)。
――ズバリ、本作の魅力は。
鈴木氏:やはり携帯ゲーム機ということで、いつでもどこでも空いた時間にプレイできるということですね。あと、やはり本作は対戦が楽しいので、Wi-Fiを使った通信対戦も魅力です。近くに『カルドセプト』を遊んでいる人がいなくても、相手を見つけて対戦ができますから。
――新しいカードも追加されているようですが。
鈴木氏:そうですね。あと従来のカードも調整を加えてあります。ただ中には、ピーキーな能力だけれども、あまり変更していないものもあるんです。普通こういうカードはできるだけ丸く調整すると思うんですが、あえて残しているんですよ。「これこのままなの!?」と思われるカードもあるんじゃないかなと(笑)。本作は最初の『カルドセプト』がベースになっているんですが、そのままの記憶でプレイすると大変なことになるかもしれませんよ(笑)。
――それは楽しみですね(笑)。本作を制作するにあたって、意識された点はありますか?
鈴木氏:テンポ感ですね。プレイヤーは、ゲーム中作戦を考えることに集中していると思うので、それを妨げないようにプレイのしやすさを意識しています。そういう意味では、今回は2画面になってより見やすくなったかなと思いますね。
――上で盤面を、下でカードの情報などが確認するといった具合ですね。
鈴木氏:今までは相手の手番中、特に操作ができなかったんですが、今回は下の画面で情報が見られるようになりました。「DSだから」と意識したことはないんですが、DSという入れ物に、本作がすんなり入っていった感じがしますね。
――読み込み時間もほとんどなくて快適でした。
鈴木氏:シリーズ初のROMになります。今までは光学ディスクだったので、読み込み時間にはとても気を使っていたんですよ。
――最後に、ファンへのメッセージをいただけますか?
鈴木氏:10年間ご声援をいただいて、ここまでこれて、これだけのイラストを残すことができて、幸せなタイトルだなと思います。ぜひDSで新しい『カルドセプト』を見ていただけたらうれしいです。
インタビューに答えていただいた鈴木氏。映っている絵は、シリーズ第1作のメインビジュアルだ。イラストを手掛けた加藤直之氏の自宅に保管されていたらしい。 |
この他、会場では開発者によるトークショーなども実施されている。展示会は明日まで行われているので、興味のある人は会場に足を運んでみてはいかがだろうか。体験会の入れ替え時間など、詳細は『カルドセプト』シリーズ公式サイトを参照してほしい。
(C)1997-2008 Omiya Soft
■カルドセプト10周年記念「カルドセプト カードアート展」