News

2008年8月20日(水)

アニメ「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」 千影役の花輪氏にインタビュー!

文:電撃オンライン

 現在フジテレビのノイタミナ枠他で放送中のTVアニメ「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」。その中で、“小早川千影”役を演じる声優の花輪英司氏にインタビューを行った。

 「西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~」は、よしながふみ原作のコミック「西洋骨董洋菓子店」(新書館刊)のアニメ化作品。オーナーの“橘圭一郎”をはじめ、美形パティシエの“小野裕介”、元ボクサーの見習いパティシエ“神田エイジ”、“圭一郎”の幼なじみで側近の“小早川千影”たちの日々が描かれる。

 以下に、“千影”を演じる花輪英司氏のインタビューを掲載する。

「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」 「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」
「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」 「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」

――まず最初に、“千影”の魅力を教えてください。

花輪氏:俗っぽくないというか。子どもみたいというか。メンバーの中では一番年上なんですけどね。あまり利己的でないんです。自分の利益をあまり考えないキャラクターですね。なので、もうその存在自体が魅力じゃないでしょうか。いるだけで癒されるような。

――“千影”を演じる上で意識されていることはありますか?

花輪氏:外面の部分と内面の部分があるんですが、外面では普段使わないような低音でしゃべっているので、仕事の後は消耗が激しいですね(笑)。内面で言うと――ぼんやりしたキャラクターなので、茶目っ気があるシーンに乗っかりすぎてしまうと、まったく別のキャラクターになってしまうんですよ。“千影”は、絵と演じる側が協力しないと作り上げられないキャラクターなんですね。僕が今まで演じたキャラクターは、割と地で演じたり、絵にあわせたりするものが多かったんですが、このキャラクターに関しては絵との共同作業な部分を感じます。僕がやりすぎるとキャラクターの動きが生きてこないし、僕が弱すぎても動きばかりが先行してしまう。そのあたりのさじ加減を気をつけています。

――実際に動いている絵を見ないと難しいということですか?

花輪氏:そうですね。絵を見て、「ここは絵に任せよう」としないと。かえって“千影”の我が強くなっちゃうんですよ。“千影”をよりいい人に見せるためにも、お互いが主張しすぎないように。それが意識している点ですね。

――収録は何話から参加されていたんですか?

花輪氏:実は1話から参加してるんですよ(笑)。

――そうなんですか!? “千影”は3話あたりから登場していたと思うんですが。

花輪氏:えぇ。“千影”は3話から加わるんですが、1話はオープニングのアバンタイトルに一瞬だけ現れてます。2話目は“千影”じゃないです(笑)。僕は出演してるんですけどね。

――ちなみに2話はどんなキャラクターをされていたんですか?

花輪氏:小杉十郎太さんが“サンダー杉山”というボクサー役で登場された時に、その対戦相手を演じていました。あと、レフェリーもやってました(笑)。

――1人2役じゃないですか(笑)。

花輪氏:殴り倒された後に、自分で「ワーン! ツー!」って言ってました(笑) そんな感じで、ちょくちょく出てきます。

――ちなみに、他にはどんな役をされてるんですか?

花輪氏:不良少年の1人とか、飲み屋のおっちゃんとかですね。そこには“千影”も出てるんですけど。僕は結構そういうの好きなんですよ。

――他の方はそういった兼役をされてるんですか?

花輪氏:ないです(笑)。たぶん僕が一番作ってやってるキャラなので、他のキャラに回しやすいんですよね。いろんなところに、こっそり、たまに大胆に出ています(笑)。飲み屋の親父をやった時に、隣で藤原(藤原啓治)さんが驚いてましたね。「え、やるの!?」って(笑)。

――現場の雰囲気はどんな感じですか? この間イベントで少しお話しされてましたが……。

花輪氏:えぇ、あんな感じですね(笑)。僕はどの現場でもそうなんですけど、特に無口なんですよ。今回は、極力しゃべらないようにしてますね。地でしゃべってしまうと、現場で近付けている“千影”像が離れてしまうんです。大層な言い方をすると、役作りになるんですが。このキャラクターに関しては、あまり地声でしゃべってしまうと僕が本番で困ることになってしまうかなと思うんです。現場は、おのおの好きなことをやってるんじゃないですかね。宮野くんはテストが終わると、気になったセリフをずっとしゃべってますし、藤原さんはタバコ吸ってますし。三木さんも宮野くんと話をしたり、外に出て行ったりとか。「アンティーク」のような感じですね。お互い干渉しあわないじゃないですか。皆まで言うな、みたいな。

――収録中のおもしろかったエピソードなどはありますか?

花輪氏:おもしろいとは少し違うんですが、原作を読んで僕が持っているイメージと、現場で感じるイメージとの一致と食い違いを確認するのが楽しいですね。他の役者さんの演技を見て、「そうか、そうきたかー」といった感じで。最初に楽しかったのは、“橘”がお母さんに電話しているシーンが楽しかったですね。僕の想像もしていないところから藤原さんがきたので(笑)。やはり、他の皆さんの仕事を見るのは楽しいですね。

――原作を読んだ感想を聞かせてください。

花輪氏:仕事の一環と思って(コミックスを)開いたんですが、全然一環にならなくて。おもしろかったので、お風呂場に持って行ったりしながらガーッと一気に読んでしまったんです。その後しばらく置いて読み直すと、前のセリフが後でどう生きてくるのか考えたり、セリフの印象が変わったりしました。ラストシーンも、1回目はよくわからなかったんですけど、後で読んでみると大人な感じの終わり方というか、引きずってきたものを背負いなおしているような、そういうことが見えてきて、感動しましたね。

――“千影”の最初の印象と、その後実際に演じてみたイメージとで、違っていた部分はありますか?

花輪氏:アニメとマンガの違いかもしれないんですが。ギャグ顔ってありますよね。あれどうしても崩したくなるんですよ。でも崩すと、キャラがズレちゃうんです。そういうところがマンガの方に寄り過ぎなのかなーとか考えたりしましたね。「アンティーク」のキャラクターは、比較的見た目の通りなので最初の印象とぶれはないです。ただ演技ということで言うと、僕が今まで演じたことがないキャラクターなので……引き出しがないんですよね。新しいものを作らなきゃいけなかったんです。今もまだ作ってる最中なんですけど。常に生んでいる苦しみはありますね。

――“千影”の娘“楓子”役の河西さんに、父親役として、声優の先輩として何かアドバイスをしたりなどはしましたか?

花輪氏:いや、ぜんぜんアドバイスは必要なかったみたいですね。最初テストの時に、声がちっちゃいかなーと思ったんですけど、監督さんに「もうちょっと声出していいよ」って言われたらガラッと変わって。置いてかれちゃうな、って危機感を感じましたね(笑)。初心者とか関係なく、“でこちゃん”だったと思いますよ。

――お菓子の話になるんですが、花輪さんは甘いものは好きですか?

花輪氏:大好きです。

――劇中に登場したお菓子だと、どんなものが好みでしょう?

花輪氏:全部好きですね(笑)。実は先週、鎧塚さんの東京ミッドタウンのお店の方に行ってきまして。「アンティーク」が1個だけ残ってて!

――おぉ~!

花輪氏:前にいた女の子たちが店員さんとだべってて、買うか買わないかはっきりしてくれーって思いました(笑)。そしたら、お店の奥から別の店員さんがきて。まず「アンティーク」を注文しました。「アンティーク」も入れて、4つ買ってきました。どれもおいしかったです。

――「アンティーク」はどうでした?

花輪氏:ホントおいしいんですよ。土台の部分と、表面のふわふわな感じがすごくいいですね。このケーキは、フォークを使って食べるよりも、手で持ってガッっていった方がいいんじゃないかなと思いました。っていうか、どのケーキもそうやって食べる方がおいしいんじゃないの? と考えてしまい。その後のケーキも全部手で持って食べました(笑)。

――他に何かお好きなお菓子ってありますか?

花輪氏:プリンとかゼリーとか、ぷるぷるしたものが好きですね。中でも、毒々しい色のものとか好きなんですよ。子どもが好きそうな、青い色をしたような。「ないだろ」っていう色のゼリーとかが好きで。「ゼリーの素」とかあるじゃないですか。あぁいうのを買ってきて、ボールに入れて、サイダーでフルーツポンチみたいにしたりとかして食べます。

――ご自身でお菓子を作ったりとかは?

花輪氏:ケーキは無理ですけど、朝ごはんにホットケーキとか、おやつにゼリーとか作りますね。

――“千影”と似ている部分、似ていない部分はありますか?

花輪氏:人見知りなところとか、変に大雑把な部分とか。彼ってしっかりしてそうですけどダメじゃないですか。そういうところが似てるんですよね(笑)。似てないところは……身長が真逆なんですよね。(“千影”は)180センチぐらいですよね。確か。キャラ表もらった時に、一番大きいのかーって。僕メンバーの中では一番小さいですから。

――今日は10話の収録だったそうですが、今までで印象に残っているシーンなどはありますか?

花輪氏:やっぱり、“千影”が登場した回は思い入れがありますね。くるくる回っているシーンとか(笑)。僕は全然しゃべってないんですけど。見る側としては楽しいかなと思います。他にもいっぱいあるんですよね。自分がメインのシーンだと、デパートとか“でこちゃん”とか。他にも、“エイジ”と“小野”のシーンや、フランス語の先生が出てくるシーンも好きですし。フランス語の先生は別撮りだったので、あぁ(収録を)見たい~と思いました。あと、サンタクロースの格好をした“若”が家々を周る話とか。くるくるパーマの人の旦那さんも好きです。挙げていったら全部言ってしまいますね(笑)。

――最後に、最終回への意気込みも含め、読者へのメッセージをお願いします。

花輪氏:前半は店の中で結束が固まって人間関係が作られてくる話なんですが、後半に入ると突然シリアスなシーンも多くなり、どんどん引きこまれていくと思います。でも、シリアスなシーンが多いからとはいえ、決して重い雰囲気にはなっていないんです。ストーリーに引っ張られていくような話になっていますので、皆さん最終話まで、見返せるように録画もしながら、見ていただけたらと思います。

「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」

 またTVアニメのDVDが、11月26日よりリリースされる。各巻3話ずつ収録され、全4巻構成。価格は、各巻5,985円(税込)となっている。発 売日から期間限定で出荷される初回限定生産版には、封入特典なども用意されるそうなので、ファンはぜひチェックしておこう。

(C)よしながふみ・新書館/西洋骨董洋菓子店製作委員会

■TVアニメ「西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~」
【放送局】フジテレビ他
【放送日】毎週木曜24:45~
【スタッフ】(※敬称略)
 原作:よしながふみ「西洋骨董洋菓子店」(新書館刊)
 監督:奥村よしあき
 脚本:高橋ナツコ
 キャラクターデザイン:内野明雄
 美術監督:島村達雄(白組)
 音響監督:早瀬博雪
 アニメーション制作:日本アニメーション+白組
 制作協力:シナジーSP
 スイーツプロデュース:鎧塚俊彦(「Toshi Yoroizuka」オーナーシェフ)
 OP&EDテーマ:ケミストリー「Life goes on」(デフスターレコーズ)
 他

【キャスト】(※敬称略)
 “橘圭一郎”役:藤原啓治
 “小野裕介”役:三木眞一郎
 “神田エイジ”役:宮野真守
 “小早川千影”役:花輪英司
 他

データ

▼DVD「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」初回限定生産版 第1巻
■発売元:アスミック/フジテレビ
■販売元:角川エンタテインメント
■品番:ACBA-10597
■発売日:2008年11月26日
■価格:5,985(税込)
 
■DVD「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」初回限定生産版 第1巻の予約・購入はこちら
Amazon

関連サイト