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2008年8月22日(金)

【今週の1本】『月姫』のキャラも参戦! 虎聖杯を巡るかわいいバトル再び!?

文:電撃オンライン

 ある日突然、村田(仮)に「『Fate/stay night』知ってますよね? 『フェイト/タイガーころしあむ』の続編が出るので、プレイレポートをやってください」と、この業界にいたら、さも知ってて当然のように言われ、「知らない」と素直に言えなかった怒左右衛門です。一応、『Fate/stay night』がビジュアルノベルであるという知識くらいはあったのですが、今回渡された8月28日発売のPSP用ソフト『フェイト/タイガーころしあむ アッパー(以下、アッパー)』はアクションゲーム。あれ? メーカーはカプコン。あれ? あれ?

 後で分かったことですが、本作は『Fate/stay night』スピンオフ2作目なんですね。すげーや! 超人気TVドラマみたいだ!!

■“フェイト”さんは登場しません

 さて、俺の想像する『Fate』は、“フェイト”さんという、ちょっとツンデレな女の子が、世界の存亡をかけた事件を解決する愛と冒険の物語でしたが、調べたところ“フェイト”さんという登場人物は出てこないようです。危ない危ない。

 本作『アッパー』は、前作『フェイト/タイガーころしあむ』のすぐ後が舞台だそうで、主人公(?)“藤村大河”の家に謎の物体が落ちてくるところが物語の導入。その物体内から出てきた謎のネコガタ生物。どう見ても“ネコアルク”なそれのシルエットを眺めつつ、ゲームが始まります。“猫アルク”がラスボスなんですか? てか、“ネコアルク”って『月姫』のキャラクターじゃん。

 コミカルノベルアクションというだけあって、キャラクターごとに原作の奈須きのこ氏監修のストーリーが用意されてます。こいつは豪華だ。

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コミカルなキャラらしく、ストーリーもコミカル。“セイバーライオン”と“バーサーカー”の会話は既に日本語コミュニケーションですらない……。

■さすが、カプコン

 アクションパートは、デフォルメキャラクターによる3Dバトルですが、さすがアクションゲームの雄、カプコン。一筋縄ではいきません。モード選択は、ノーマルとハードの2種。イージーの設定がない。なんてガチ。アクションがあんまり得意でないので、ノーマルでスタート。操作はまあ基本前作と同じようなので割愛します。なんだかんだで、HOMEとスタート以外はほとんど使います。そんな状態なので、久しぶりにアクションをプレイする身としては、親指の付け根がつりました。なまってていけません。

 また、説明書を見ると、今作では、接近戦での「ツバぜりあい」と「虎令呪」の発動が追加されました。「虎令呪」は、1バトルに3回だけですが一定時間キャラクターを強化できます。多段ヒットや、空中ダッシュなど、それぞれのキャラクターごとに異なる能力が付加されるものです。 最初“セイバーライオン”でプレイしたのですが、キャラクターの強さのバラメーターとなる「虎力」が高いせいか、やたらに1対2のバトルが多くて袋叩きにあうことしきり。初心者にはオススメできません。その次は“切嗣”を使ったのですが、今度は武器が銃なので接近戦に向かない。どのキャラクターにも一長一短がありますが、初心者は「虎力」が低いキャラクターを選んだほうが無難なのかもしれません。

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特殊技はMPを消費しますが、攻撃途中に相手の攻撃を受けてもキャンセルされない「スーパーアーマー」状態になります。「虎令呪」は一時的に能力をブーストしますが、一定時間が経つか、倒されると解除されます。

■バトルのルールは4種類

 ストーリーに応じて臨むバトル。それぞれにクリア条件が異なります。相手を倒すことで獲得できる「タイガーポイント」を競う「タイムバトル」。持っていると必殺技が使用可能になる「タイガーボール」の所持時間を競う「タイガーボール争奪戦」。最後に生き残った者が勝つ「バトルロイヤル」、より長くバトルロイヤルが楽しめる「バトルロイヤル2」などがあります。これに、最大2on2になるチームバトルが加わります。各キャラクターごとに「虎力」というポイントが設定されており、基本的にはこれが高いほうが強いことになります。しかし、倒されてしまうとこの「虎力」と同じ数値が「タイガーポイント」として相手のスコアになってしまうのです。「タイムバトル」時には自分が倒されると相手に多くのポイントが入ってしまうので、無条件でよいとはいえません。いわゆる「コスト」ですね。

 チームバトルは、最大で2対2ですが、自分の虎力が高いと1対2なんていうハンデ戦もあったりします。また、今作からの追加要素として、連携を強化できる「共闘」が加わりました。これは、バトル中に条件をクリアすると発動できるようになるもので、防御力が下がる代わりに攻撃力が上がります。2対1の時なんかには積極的に使って行きたいシステムです。

■買い物もできます

 戦いに勝つと「tm」と呼ばれるゲーム内通貨がもらえます。「エクストラモード」では、これを使って買い物をすることができます。買えるものは、各キャラクターの表情が見られる「フェイスビューアー」、イベントの背景などが見られる「イベントビューアー」、キャラクターのイラストが見られる「キャラクタービューアー」の3種です。クリアしたのに買わないといけない、微妙に世知辛いです。

 この他、ゲーム内BGMやボイスが聞ける「サウンドプレイヤー」や、クリアしているとバトルなしでシナリオが見られる「シナリオプレイヤー」、ムービーが見られる「ムービープレイヤー」があります。また、前作『タイガーころしあむ』ディスクをもっていれば、「タイころシナリオ」も選択できるようにもなります。

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買わなきゃ見られないなら、買えるようにがんばるのが人の常。逆に言うなら、これもゲームを進める目的になります。

■キャラクターも増えてるよ

 当たり前ですが、前作よりもキャラが増えてます(伝聞)。『月姫』シリーズから“ファンタズムーン”、“猫アルク”、『Fate/hollow ataraxia』から“カレイドルビー”、“アヴェンジャー”、「Fate/Zero」から“アイリスフィール・フォン・アインツベルン”、“衛宮切嗣”の6人が参戦。ちなみにキャラクターのコスチュームも増えてます。なにが増えたかは自分で確認! そういえばTYPE-MOONで、クロスワールドものって初めてじゃない?

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「Fate Zero」は、昨年末に完結しましたから妥当ですね。『アッパー』の続編があったとしたら、劇場版にもなった小説「空の境界」のキャラクターも登場するんでしょうか?

■豪華特典満載の限定版

 ソフトの発売に合わせて豪華特典満載の限定版も発売されます。その名も「MEGAMORI BOX」。23名の豪華イラストレーターによる描き下ろしのタロットカード「タイガーカードウルトラ」は、『Fate』の原画家・武内崇氏はもちろん、カプコンでおなじみ『ストリートファイター』シリーズの西村キヌさん、『逆転裁判』シリーズのスエカネクミコさんも描いてます。ほか、タロットバインダー、ドラマCD「猫の手も借るケモノたち」、『タイガーころしあむ』関連の映像を収めた「極上スペシャルDVD」、A4サイズ72ページの設定資料集とメガ盛りの名にふさわしいMEGAな内容。世のMEGAブームもここまで来た! でもお値段は9,800円(税込)とちょい盛り。これはお得!! さあ、買った!!!

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オープニング、プロモーションムービーはTVアニメ「灼眼のシャナII」、「とらドラ」、「とある魔術の禁書目録」を手がける、実力派スタジオJ.C.STAFFが担当。このDVDだけで5,000円くらい払ってもいいです。

■幸せなマリアージュだよね

 ゲームファンお墨付きのTYPE-MOONのシナリオに、言わずと知れた世界に冠たるゲームメーカーの老舗カプコンとWii用サバイバルガンシューティング『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』、アミューズメント施設向け対戦格闘『Fate/unlimited codes』などを手がけるキャビアが開発と豪華スタッフが集結した本作。おのおののよいところを集めたまさにいいとこ取りな作品なのです。カプコンのゲームらしく難易度はちょっと高めですが、大丈夫、愛があればクリアできるレベルです。参加メーカーのいずれかのファンであれば、買って損はない1本ですよ。(弩左右衛門)

(C)TYPE-MOON 2004-2008 (C)CAVIA 2008 (C)CAPCOM CO.,LTD. 2008 ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2008年8月28日
■価格:通常版5,240円(税込)/「MEGAMORI BOX」9,800円(税込)
 
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