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2008年9月4日(木)

「Gamefest Japan 2008」開幕! さらに広がるMSのプラットフォーム戦略

文:電撃オンライン

 マイクロソフトは9月4日~5日にかけて、ゲーム開発に関する技術カンファレンス「Gamefest Japan 2008」を東京都内で開催している。本日9月4日、同社のホーム&エンターテイメント事業本部長・田代昭博氏が基調講演を行った。

 「Non Stop Gaming-イノベーションは止まらない」と銘打たれたこの講演では、同社のゲームプラットフォーム群に関する説明や、革新を目指すうえでの今後の方向性が語られた。

「Gamefest Japan 2008」

 まず田代氏は、同社が幅広いプラットフォーム群を持っていることを挙げ、それらにより「新しい技術が生まれ、新しい体験ができる」ことを説明。同社ではXbox 360の他に、Windows PC、Windows Mobile、そしてMSNメッセンジャーがゲームプラットフォームとして機能しているという。この他、海外だけで発売されている携帯型プレイヤー「zune」もまた、ゲームコンソールの1つといえる。

 Xbox 360については、アタッチレート(本体1台に対するソフトの販売本数)が7.7と、業界一であることをアピール。現在もユーザー数は世界中で増え続けている。日本国内でも9月11日に本体が値下げされるため、本体、ソフトとも普及が加速しそうだ。

 また、MSNメッセンジャーでは毎月3,000万人がMSN経由でゲームを遊んでいるそう。田代氏によれば「最近はライトユーザーに向けた1つのプラットフォームとなっている」とのことで、カジュアルなゲームが多く遊ばれていることを示唆していた。

 こうしたゲームコンソールをつなぐオンラインサービス「Xbox LIVE」は現在、メンバー1,200万人を数え、コンテンツのダウンロード数は何と5億5,000万にのぼるという。

 マイクロソフトでは、こうしたプラットフォームに向けて9年間、コンテンツ開発キットを提供し続けている。現在提供しているのは「Xbox Development Kit」、「DirectX SDK」、「XNA Game Studio」の3つだ。特に、年末に正式版がリリースされる予定の「XNA Game Studio 3.0」では、Visual Studio 2008への対応、Xbox LIVEに関する機能の新対応、zuneへの対応が図られるという。今後は、同社のあらゆるプラットフォームに対応できるようアップデートするとのことだ。

「Gamefest Japan 2008」

 ここから話は今後の展開に移る。PCやケータイなどに向けて、今年の秋に「Windows Marketplace」でコンテンツを配布・販売できるようにするという。これはXbox 360の新インターフェース「New Xbox Experience」にも密接にかかわるものになりそうだ。

 そして、一般ユーザーが作成したゲームをXbox LIVE経由で販売できる「Xbox LIVE コミュニティーゲーム」を今冬に展開する。海外6カ国では年末にスタートすると明らかになっていたが、今回日本でも2009年前半にサービスインすることが発表された。配信価格は200、400、800マイクロソフトポイントのいずれかで、このうち70%をクリエイターに支払うという。

 もともと同社は、新規クリエイターの開拓に積極的で、開発環境「XNA Game Studio」を専門学校などに提供するなどの施策を進めてきた。田代氏は「一般クリエイターを巻き込んだ新しいビジネスチャンスがあるのではないか」との考えから、一般の人が参入しやすい仕組みを作ると述べていた。

 最後に、エンターブレインがリリースしているゲーム開発ツール『ツクール』シリーズの最新作『アクションゲームツクール』がPC用として12月12日に発売されることが発表された。このソフトでは「XNA Game Studio」のプロジェクトテンプレートを出力する機能がある他、複数言語に対応したゲームも一括で作れるという。

 講演の最後に、「ストップさせずに進化を続けていく」と力強く語った田代氏。Xbox LIVEを中心としたプラットフォーム戦略を、今後も推し進めていこうとする姿勢が伺えた。

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