2008年9月10日(水)
現在開催中の「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008(以下、CEDEC 2008)」において、プロデュースセッション「今必要とされるゲームプロデュース」の講演が行われた。
本セッションは、ゲームリパブリック代表取締役社長の岡本吉起氏が、自身の経験からゲームプロデュースについてを語ったもの。岡本氏は、『ストリートファイターII』シリーズに代表される数々ヒット作を手掛けてきたプロデューサーで、セッション会場には多くの聴講者が詰めかけた。
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| 「プロデューサーとは何か」という命題に対し、まずはウィキペディアで調べてきたという岡本氏。会場からは爆笑が起こり、聞く人を引き寄せる氏ならではのユーモア満載のトークが、開始直後から炸裂していた。 | ||
資金を出す会社と、実際のゲーム制作現場の指揮をとるディレクターとの間に入るプロデューサーという仕事。氏によれば、プロデューサーは「1.人材確保」、「2.資金管理(=スケジュール管理)」、「3.クオリティコントロール」、「4.人材育成」、「5.チームのガス抜き」、「6.プロモーション」の6つの業務をこなさねばらならないという。
「人の痛みがわかっていてはプロデューサーはできない」と語る岡本氏。数字に基づいた判断を下さねばならないのがプロデューサーであると話す。例えば人材の投入は、1人の人間が1カ月働くことを1とした人月計算で考えねばならないし、クオリティコントロールのためには「経費節約のためステージを1つ削る」といった判断もせねばならいそうだ。
また、チームの中にたまった不満を外に逃すのもプロデューサーの務めであるという一方で、その不満の原因はディレクターがプロデューサーの要求を果たそうとしたから――つまりはプロデューサーが不満の原因なのだと語っている。そういった板挟みや矛盾に、10円玉ハゲができるほどストレスを抱えるプロデューサーも少なくないそうだが、岡本氏自身は「僕はハゲたことないですけどね!」と明るく笑っていた。
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| カプコンでは1996年にプロデューサー制度が導入され、ゲームとセットで作品を作ったプロデューサーもプロデュースする仕事を負っていたという岡本氏。プロデューサーをユーザーにわかりやすく受け入れてもらうため、いろいろとプロデューサーのキャラクター付けを行っていたそうだ。もちろん自身も例外ではない。 | ||
さらに岡本氏は、長い経験の中から「欠品気味の法則」というものに気づいたと話した。人が持っていないもの、店に売っていないものは欲しくなる、という人の心理を突いたこの法則。『モンスターハンターポータブル』シリーズを例に挙げた岡本氏は、おもしろいゲームが店に売っていないと――ましてやゲームソフトは高価なものなので――余計に買いたい気持ちが増すのだと説明する。そして手に入ると「やった買えた!」という喜びが生まれ、それが周囲の人にも欲しくさせるという。
ただしこれは、本当に欠品させてしまったら元も子もなく、法則が当てはまるのも「みんながおもしろいと思うゲーム」であることが大前提であると話す。もしそういったゲームを売る場合は、小売店に求められた数の7割くらいで出荷するのがいいのではないかと述べていた。
2003年、新ハード登場の動きがあり、「ハードーメーカーは、時間のかかる大作ではないゲームを作ってくれる、傭兵のような戦力を外に求めるに違いない」という計算から、岡本氏は現在の会社ゲームリパブリックを設立する。この時の思いを、「今しかないと思ったし、他に会社を立ち上げた人たちも皆同じように考えていたと思う」と、岡本氏は語っている。
ゲームリバブリックでは、PS3『GENJI -神威奏乱-』、Xbox 360『エブリパーティ』とロンチタイトルを発売。この時には、スケジュール絶対厳守のためクオリティを極端に下げねばならなかったり、なかなか開発環境が整わなかったりと、語りきれない苦労があったそうだ。
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そして現在は、バンダイナムコゲームス発売の『ドラゴンボールDS』を制作。「作った理由は、好きだから!」と語る岡本氏は、「ドラゴンボールZ」よりも「ドラゴンボール」が好きなのだという。ゲームの出来に関しては、「なかなかいいもの作ったと思う」と自信を覗かせていた。数々の変遷を経た岡本氏の最新作、気になる人はこちらの記事を参考にして購入を考えてみては?
■「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008」概要[集計期間2012年 02月07日~02月13日]
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