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2008年10月30日(木)

舞台は日本国! 「ツバサ」新アニメ企画に向け監督&キャスト陣にインタビュー

文:電撃オンライン

 講談社は、OAD(オリジナル・アニメーション・DVD)「ツバサ 春雷記」(前編)を、コミックス26巻とセットの初回限定版として2009年3月17日に発売する。価格は3,700円(税込)で、予約締め切りは、2009年1月19日。

「ツバサ 春雷記」

 本作は、週刊少年マガジン(講談社刊)で連載されているCLAMP原作のコミック「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」を映像化した作品。TVシリーズ、劇場版、OAD「ツバサ TOKYO REVELATIONS」に続く4度目のアニメ化となり、日本国を舞台にした物語が展開する。

 そんな本作の監督を務める多田俊介氏と、収録を控えたキャスト陣にインタビューを行ったので、以下に掲載する。

――まず多田監督に質問です。「TOKYO REVELATIONS」以来、約1年ぶりの「ツバサ」になりますが、今の気持ちを聞かせてください。

多田監督:人気作品なので、お話を受けるたびに非常に緊張して仕事にのぞんでいます。やっている間は忙しくて忙殺されている感じなんですけど、終わるとうれしい反面ホっとするというか。大変なんですが、待っている人たちの期待を裏切らないように毎回頑張っております。

――続いて、キャストの皆さんにお聞きします。TVシリーズを含め、足掛け約4年この作品にかかわっているわけですが、作品や役に対する思い入れなどありましたら教えてください。

入野自由氏(“小狼”役):初めて「ツバサ」に出会ったのは高校生の時でした。今はもう大学生になったんですが、これだけ長い間同じ役をやっていられることはあまりないので、とても思い入れが強いです。物語がどんどんシリアスになっていくので、毎年「ツバサ」をやるにあたって“小狼”をどう演じようか、マンガを読み返しながら考えています。

牧野由依さん(“サクラ”役):私もこの作品のオーディションを受けたのが18歳の時でした。アフレコが始まったのが19歳の時で、今22歳なんですけど、大学生活のほとんどが「ツバサ」だったなという感じです。私も“サクラ”ちゃんと一緒に成長しているなと思っています。日本国編は切ないことになっているので、どうやってお芝居をしていこうかといろいろ考えています。

浪川大輔氏(“ファイ”役):僕が初めて“ファイ”に出会ったのは、27歳の時でした。“ファイ”という役は生みの苦しみがあったキャラクターだったので、4年間かけてやっと馴染んできてくれたかなと思います。個性のとらえかたが難しいキャラクターだったんですが、長い間演じられるのは非常に幸せなことだと思っています。またこういうメンツで集まることができて、楽しみな気持ちでいっぱいです。

菊地美香さん(“モコナ”役):私が“モコナ”に出会ったのは21歳の時で、年末の寒い中夜の10時ごろからオーディションを受けにいったのを覚えています。早いもので今年で25歳になります。声の仕事に関してはデビュー作だったので、稲田さんや浪川さんに、マイク前に立つ位置からすべて教えてもらいました。“モコナ”は唯一感情を自由に表現できるキャラクターなので、みんな自分のエピソードでいろんな苦労をしている中、自分は“モコナ”で申し訳ないなと思っていました。いつまでも素直に演じていきたいなと思っています。

――こうして集まるのは1年ぶりになるのでしょうか?

牧野さん:みんなで集まるのはほぼ1年ぶりですね。以前、CLAMP先生のスタジオに、お邪魔したりはあったのですが……。

――監督に質問です。本作は、原作に付属する形で販売されるといった、普通の作品とは異なる形式を取っています。このあたりについてはどのように考えていますか?

多田監督:目的が明確ですよね。つまり、単行本を買っている人たちが、その延長線上で映像化された「ツバサ」を楽しむという。そこはやっぱり外せない部分です。

――CLAMP先生との打ち合わせはどんな感じですか?

多田監督:毎回緊張しています。いつまで経っても緊張から解放されないので、なんとかそれを飛び越えたいなと思います(笑)。

――大川七瀬先生の台本を読んで、いかがでしたか?

多田監督:今回の日本国編は、お話が分岐点をむかえて、収束に向かうターニングポイントになっていると思います。なので、表現しなければいけないことがたくさんあります。それをフィルムにきれいにまとめていくのが僕の仕事かなと思います。

――大川先生とは実際にどのような打ち合わせをされましたか?

多田監督:シナリオは先生ご自身が書かれていますので、私の方は先生のシナリオを大事にしていくといった形で作っています。ただ、丸々そのまま映像化すればいいというわけではないので、その部分をフォローアップするような打ち合わせをしています。

――前回と比較して、異なる部分などはありますか?

多田監督:「TOKYO REVELATIONS」は舞台が東京なので、ファンタジーの世界の中にリアルを持ち込もうといったコンセプトで作った作品でしたが、今作では、絵をきれいに見せる方法を追求していこうと考えています。舞台が変わることで、コンセプトも少し変わってきますね。

――キャストの皆さんにお聞きします。原作を読んでの感想などを教えてください。

入野氏:物語が複雑になってきていて、最初読んだ時はどの“小狼”が本物なのか、僕自身わかんなくなっちゃって、どうしようって思いました(笑)。今は頭の中で整理しながら読んでいます。「TOKYO REVELATIONS」の時もそうだったんですが、“小狼”と写身(うつしみ)の“小狼”の戦いが再び描かれるので、大切に演じていきたいなと思っています。

牧野さん:「TOKYO REVELATIONS」の時には、“小狼”が、写身と本物がいるということで、「ああ、入野くん大変だな」と他人事のように思っていたんですが、まさかそれが自分の身にも降り掛かるとは考えてもいなかったです。正直こんがらがってはいるんですけど、収録までには整理して、お芝居ができるよう頑張りたいなと思います。

浪川氏:次のOADが発売されると聞いた時に「セレス国」かと思ったんです。少年の“ファイ”が出てくるので、これどうやってやろうかと考えていたんですが、日本国だということを最近知りまして……。OADは原作に付くものなので、昔からの原作ファンを大切にしつつ、自分の思っていることを表現できればと思っています。正直、プレッシャーが大きいですね。

菊地さん:日本国編では、“黒モコナ”が“侑子”と話をしているシーンが出てくるので、写身ではないですが2人の“モコナ”をみんなの前で演じるのは少し恥ずかしいなと原作を読んで思っていました。先ほども言ったんですが、なかなか涙を見せない仲間たちを前に、“モコナ”は1人泣いたり笑ったりできるキャラクターなので、大切なところを担わせてもらっているなと感じています。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

菊地さん:またみんなでアフレコがやれるというだけでうれしいですし、それが「ツバサ」であることは本当によろこばしいです。今回は、音響監督さんにうるさいと怒られないように、大人になった私たちで望みたいと思います。

浪川氏:長年やってきて、みんな自分のキャラクターを本当に大事にしています。前回評判がよかったと聞いていますので、今回もご期待にそえるようにしたいですね。そしてどんな形でも、また次も演じられるようにみんなで頑張っていきたいです。応援よろしくお願いします。

牧野さん:日本国編の“サクラ”の切ないシーンを、いつか演じる日がくるんじゃないかと思いながら原作を読んでいました。私なりにイメージしているところはあるんですが、原作を読んでいる方には読んでいる方のイメージがあると思うので、そのあたりをうまくあわせながら演じていければと考えています。

入野氏:スタッフの皆さんが、素晴らしい映像と音楽を作ってくださるとのことなので、それに負けないように頑張っていきたいと思います。

多田監督:ご期待にそえるように作る。それはもちろんなんですが、純粋に映像作品として見て、原作を知らない人が目にしても楽しめるような作品にしようと考えています。これは前作もそうだったんですが、今作でも達成したいですね。アニメを見て、原作を読んでくれる人がいてくれたらうれしいです。

「ツバサ 春雷記」
▲写真左から、菊地さん、入野氏、多田監督、牧野さん、浪川氏。

(C)CLAMP/講談社

データ

▼「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」26巻 DVD付初回限定版
■発売元:講談社
■発売日:2009年3月17日
■予約締切日:2009年1月19日
■価格:3,700円(税込)

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