2008年12月27日(土)
取材中に出会ったソフトに興味を持つ、ゲーム媒体で仕事をしているとわりとあることです。kbjが『流星のロックマン3』に出会ったのは、8月24日に開催されたファン感謝イベント「ロックマン サマーフェスティバル2008」でした。前作『流星のロックマン2』を使った大会「ウェーブマスターズ」での壮絶な試合に、「こんなすごいバトルを自分もやってみたい!」と感動したのがキッカケです。
しかし、本作のゲーム情報を見たり聞いたりするたびに、「あんなスピード感のあるバトルは、操作が複雑なのでは?」とか「これまでのシリーズをプレイしていない自分は、世界観を知らないから楽しめないのでは?」と思っていました。ですがっ!! それらは勝手に思い込んでいただけで、プレイしてみるとまったくの誤解でした。先に書いてしまいます。シリーズをプレイしていない自分でも楽しめ、感動できました! そんな『流星のロックマン3』プレイレポート、まだプレイしていない人にぜひ読んでもらいたいです。
これまであまたの『ロックマン』シリーズ作品をプレイしてきたkbjですが、『流星のロックマン』シリーズや『ロックマン エグゼ』シリーズには、手が伸びませんでした。それは、これまでの横スクロールアクションから、戦闘時のみ特定の範囲内で戦うというシステムに変更されたことに違和感を感じたためです。見た目で食わず嫌いをするというつまらない理由でプレイしてこなかったのですが、やってみるとおもしろかったです。勘違いしていてごめんなさい。
登場する敵(ウィルスやウィザード)は、左右前後に動きながら攻撃をしかけてきます。プレイヤーは、その動きを読んで敵の攻撃を避け、こちらの攻撃を当てるのですが……あれ? この工程って、横スクロールアクションゲームでやっていることとそんなに差がないのでは? そう感じてからは、戦闘が楽しくなってしまいました。
バトル時には下画面に「バトルカード」が表示されます。移動中や戦闘時に、入手したカードを自分のデッキを組み入れると、戦闘中に選択できるようになるのですが、これはスペシャル攻撃のような感じです。普段はBボタンを押すと発射されるロックバスターで攻撃していくのですが、Aボタンを押すことで下画面で選択したバトルカードを選択できます。カードにはさまざまな効果があって、うまく順番を考慮することで「動きを止める→そこに攻撃→さらに追撃」など、一気に大ダメージを与えられます。これが爽快で気持ちいい! うまく決まれば、バトル開始1秒で3体の敵を撃破なども可能ですよ。
バトルで重要になるのは、連射とチャージショットを使いわけられるロックバスターと「バトルカード」、それにだいたいの攻撃を防げる「Yボタン」でのガード。ちなみにkbjは、クリアしてこの原稿を書く直前までガードを使っていませんでしたが、クリアはできました。……しかし、使った方が圧倒的にラクなので使った方がいいです。 |
敵を全滅させるとゼニーやバトルカードがもらえるのですが、デリートタイムに応じて金額が変化したり、レアなバトルカードをもらえます。早く倒すことにメリットがある上に爽快感も増すなら、狙わない手はないです。 |
「ノイズチェンジ」や「マージアウト」、「ファイナライズ」など、ノイズ変身することで、“ロックマン”は強力な力を手に入れます。しかし、これに関してはプレイヤーの方でもう少し自由に選択できると、なおよかったと思います。 |
シリーズタイトルとなると、これまでの作品をやっていない人はどうしても二の足を踏んでしまうもの。その気持ちはわかります、自分もそう思っていたので。もちろん、『流星のロックマン3』でも、これまでのシリーズに登場した専門用語が序盤からドシドシ出てきます。し・か・し! ワードやキャラクターが出てくると同時に、それらの説明文も出てくるので、問題ありません。
下画面に、ポップアップされたワードをクリックすると、説明文を見ることができます。これまでのシリーズを遊んでいなかった自分は大変助かりました。 |
ストーリーにふれてしまうとどうしてもネタバレになってしまうので、kbjが感じたことを軽く記載しておきます。今回の『流星のロックマン3』を通して感じたのは、「成長」でした。主人公“スバル”の前にはさまざまな困難が立ちふさがります。そのたびに彼を支えてくれたのは、サテラポリスのエース“暁”や、友だちである“ミソラ”たち、そして相棒である“ウォーロック”です。彼らの力を借りて、“スバル”が少しずつ大きくなっていく様子は、まさに王道ストーリーで、とても心地よく感じました。本作のターゲットは男子だと思うのですが、大人がプレイしてもしっかり楽しめる内容になっているのは、さすがカプコンだと思いましたね。ちなみにkbjは、エンディングで2度泣きました。これ以上は詳しく書きませんが、非常によく作り込まれたストーリーだったと思います。また、シリーズを通してプレイしている知り合いのライターは、「これまでの伏線がドンドン回収されていくのもよかったです」と語っていました。
さまざまなキャラクターが登場する本作。バトルには大きく絡んでこないものの、委員長こと“ルナ”や、友人“ゴン太”、“キザマロ”との小学生らしいコミカルなやり取りには、思わず笑みがこぼれてしまいました。kbjの好きなシーンは、修学旅行先での「シーサーアイランド」でのパンツやぶり(!?)のやり取りです。 |
仲間とのやり取りを通じて明るくなってきたという“スバル”。今作では“ミソラ”や“ルナ”とちょっといい展開も? |
また、キャラクターたちは共通の目標「レゾン」を設定し、それを達成するために尽力していくのですが、この要素もわかりやすくてよかったです。レゾンには、「委員長を生徒会長にする」や「“ミソラ”のライブを成功させる!」など、さまざまなものが用意されています。目標を設定することで、ブラザーを結んだメンバーはその目標に向かって行動を起こします。この「目標を置く」という行為は、とても大切だと思うのです。達成するためにはどうしたらいいかという課程を考えたり、達成できなかった時にどうすればいいのかを相談することが、主人公の成長につながっていくのです。
私事で恐縮ですが、kbjは以前フットサルをしていまして。試合の前にチームの目標を設定していた時期は、チームがガンガン強くなっていきました。試合中にも声を掛け合い、試合後にもあーだこーだと議論を交わしたのはいい思い出です。そんな自分の経験はさておき、ブラザーが一丸となって、何かに向かっていく。そんな描写が散りばめられたストーリーに好感を覚えました。
レゾンを達成するたびに、ブラザーとの絆が深まり「キズナリョク」がアップします。このキズナリョクがアップすることで、アビリティを多数付けられるようになるので、ゲーム中のキャラや現実の友だちとブラザー登録するのは大切ですよ。 |
クリアまでの時間は約20時間でしたが、やりこもうとすれば50時間近く遊べるという本作。2009年1月18日から大阪、東京、名古屋、福岡で開催される「次世代ワールドホビーフェア’09Winter」のカプコンブースでは、通信対戦を利用した公式大会「ウェーブマスターズ2009」が開催されるので、大会出場という目標に向かってプレイしてみるのもいいと思います。Wi-Fiを使った通信対戦にも対応しているのでDSで対戦ゲームを探している人や、お子さんとゲームしたいというお父さんにもオススメできる『流星のロックマン3』。この冬から初めてみてはどうですか?(“ルナ”好きなkbj)。
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