2009年2月12日(木)
カプコンから2月12日に発売されるPS3/Xbox 360用FTG『ストリートファイターIV(以下、ストIV)』。このソフトを手掛けた小野義徳プロデューサーにインタビューを行った。
『ストIV』は、日本のみならず世界中で対戦格闘ゲームのブームを起こしたFTG『ストリートファイター』シリーズの最新作。アミューズメント施設で2008年7月からアーケード版が稼働中だ。移植となるPS3版とXbox 360版には新キャラクターが追加される。
連続企画の最終回となる今回は(1回目と2回目の記事はこちら)、今後の展望やコラボレーションについて、お聞きした(※インタビュー中は敬称略)。
『ストリートファイターZERO』シリーズ→『ストZERO』シリーズ |
――『ストIV』の全国大会が行われましたがどうでしたか?
小野:まず予選であれだけの店舗が参加してくれたことに驚きました。そこに、プレイしている人たちがドンドン参加してくれて、ホントにありがたいなと思いましたね。そして最後に気になっていたのが、決勝大会の出席率だったんですよ。どれだけの人が決勝大会に来てくれるのか、ドキドキしつつ楽しみにしていたら、2人しか欠席しなかったんですよ。欠席しなかった理由には、クラブセガさんがやってくれた前夜祭イベント(ストバト5)の存在もあると思います。そして、決勝大会のギャラリーの方々もすごかったですね。128名が出るイベントに、入れなくて遠くから立ち見になってしまうくらいの人が来てくれた。1,000人以上でしたっけ? その様子を見た時に、会社の中で闘ってきてなんとか稼働までこぎつけた作品でしたが、やってきて本当によかったと思いました。
――大会は今後も開催されるのですか?
小野:大会というのは、ユーザーに火をつけるきっかけになると思うんですよ。僕が行けた地方予選は、東京と名古屋と大阪の少ない店舗なんですが、行った先で「この店で独自の『ストIV』の大会をやろうぜ」という声が上がっていたり、全国大会の後に「飲みに行こう!」というコミュニティができていたんですね。メーカーが動くことでそういった活動が行われるなら、チャンスを見つけてやりたいと思っています。カプコン自身を動かして、大会だけとは言わず、何か大きなことをやれたらいいですよね。
――ユーザーとメーカーを巻き込んで、という形ですね。
小野:そうですね。イベントをやり続けることって、もちろん大変なんですが、それ以上に大切なことでもあるんですよ。先ほど「原点回帰でやれなかったことは?」という質問に対して、「ステージがそろわなかったこと」と答えたじゃないですか。それってやり続けなかったことによって起きた弊害だと思うんですね。細くてもいいから続けていれば、状況は変わっていたかもしれない。そんな中で僕が、尊敬・感謝しているのは『鉄拳』シリーズですね。大変なことも多々あると思うんですが、アップデートをしつつバージョンアップもして、火を絶やさないようにしている。「他の格闘ゲームもやってるじゃん!」と言われるかもしれないんですが、『鉄拳』シリーズに関しては他とはちょっと違うと思っています。ライバルメーカーながら「今までつなぎとめていてくれて、ありがとう!」と、心からお礼を言いたいです。
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――AC版が稼働し、家庭用が発売されました。今後の展望について教えてください。
小野:まずは家庭用でタイトルアップデートをやろうと思っています。これはチューニングではなく、オンラインでの遊び方をもう少し増やすという形になります。デジタルだからこそできる、オンラインだからこそできる遊び方を配信させてもらい、戦わせるコミュニティ、ステージを提供しようと現在開発チームが作っています。“アーケード待ち受け”でやったことは、「サルのようにやり続ける」をモチーフにしたかったんですね。でも、次は待たずに、トーナメント感やチャンピオン感を出せるように、いろいろと模索中です。なので、全部プレイし終わってマスターしたといっても、ソフトは手放さないでくださいね!
――(笑)。アーケード版については、どうなんでしょうか?
小野:願望として、バージョンアップを「やりたい」と思っています。今のアーケード市場は決して大きくはないのが事実。でも、ツールである以上はコミュニティとしては残しておくことが大事だと思うんですよ。業績や利益ではなく、使命としてやらなければならない。それに付随して、家庭用やコラボレーションなどで、応援してもらえるような環境を作っていくこと。それが我々に与えられた課題だと思いますね。そうすることで、ツールを長く愛してもらえる。アーケード版の展開に関しては声が大事だと思います。『ストIV』を作るのも、ユーザーの声だったんですが、それを継続していくために、皆さんの力を貸していただければ幸いです。全国大会の最後でも話をしたんですがユーザーの声が欲しいです。ニーズがあることが上にも届けば、動く可能性があるので。
――決勝大会に集ってくれたユーザー。あれも1つの声の形ですよね。
小野:そうですね。アナログの大会であれだけの人が来てくれて、予選大会から数えるとホントに多くの方が参加してくれた。だからああいう場所をまた提供したいと思っています。あの日、敗れて3位になってしまった金デヴ選手のコメントが「悔しい!」じゃなくて「楽しかったです」だったんです。あれは、ツールの提供者からすると最高にありがたい言葉でしたね。今後は、あの「楽しかったです」をいろいろな人に出してもらって、さらに輪を広げられないかなとたくらんでいます。
――さまざまなコラボレーションも行われ、いろいろなところで反響があがりそうですが、それも仕掛けの1つですか?
小野:映画と“最強のコラボめし”ですね。ソフトが発売されて約2週間後に映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』が公開されます。素直な気持ちで見てもらえれば、楽しんでもらえると思います。クリスティン・クルックさんがホントにかわいいので、それ目当てで見てもらっても楽しめますよ。あとは、同窓会の1つとしてやらせてもらったのが、際コーポレーションとのコラボレーション企画ですね。同窓会が行われていることを知らない人に向けて、全国の“中國家常菜 紅虎餃子房”と“中国面飯店 万豚記”で実施されます。テーブルで御飯を食べながら「このカードのキャラクター知っているぜ」という流れになったら、ぜひゲームをプレイしてもらいたいです。ヨガファイヤーが出るかもしれないメニューも用意されていますので(笑)。
――あれはホントにからかったですよ。
小野:ワハハハハ。あれを全部一気に食べたら、ヨガファイヤーも出せるし、体も伸びる……かもしれません。試作品は何度か食べていたんですが、完成品を食べるのはあの試食会が初めてだったんですよ。でも「ここまでからかったかな?」って僕も思いました(笑)。からいメニューだけじゃなく、お子さんでも食べられるおいしいメニューも用意していますし、コラボメニュー以外にもたくさんのメニューがあるので、ワイワイ楽しんでもらえれば幸いです。3月からは第2弾もやるので、そちらもチェックしてください。
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|---|---|---|
| ▲マーラータンタンメン | ▲鶏肉とイモの甘辛あんかけ御飯 |
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|---|---|---|
| ▲三種の肉の激辛煮込み | ▲鶏肉のあまから唐辛子炒め |
――話は変わるんですが、小野さん自身の展望というか、やってみたいことはありますか?
小野:僕のやってみたいことですか? 『ストリートファイター』を復活させるという夢がかなったので、個人的に好きだった『MARVEL VS. CAPCOM』の新作を遊んでみたいですね。でも、作るのは他の人にやってもらって、遊ぶ側で(笑)。……機会をもらえるならば『ヴァンパイア』シリーズを復活させたいと思っています。まだ使っていないダークサイドのキャラクターのおとぎ話とかいっぱいあって、それを出していけばもっとおもしろい展開ができると思っているので。でも、それを実現させるためには、また上層部を説得をする必要があるんですが(苦笑)。
――『ヴァンパイア』は待っている人が多いタイトルだと思いますね。
小野:個人的もキャラや世界観が好きなんですが、まずは金字塔である『ストII』の復活が先だと思っていました。それ以前に『ヴァンパイア』の企画書を作って“原点回帰”とか書いていても、「もっと先に回帰するタイトルがあるだろ!」って一蹴されてしまうので(笑)。
――では最後に、『ストIV』家庭用の発売を待ち望んでいた人へメッセージをお願いします。
小野:何かしら『ストII』にふれたことのある人は、お待たせしました。ついに家庭用の『ストIV』が発売されます。残念ながら『ストリートファイター』をまったく知らないという人には、あまりアピールしていません! そもそもこの記事を見ていないでしょう(笑)。そういう人には、ワンクッション置いて届けたいと思っているんですね。『ストリートファイター』は、おかげさまで20周年を迎えました。10歳でやっていた人は30歳、20歳でやっていた人は40歳になっています。成長して、環境などは変わっているかもしれませんが、『ストII』そのまんまの感覚でプレイできるので、ぜひプレイしてください。いろいろな世代が楽しめるような同窓会を開けるソフトができたと思っています。案内状をお送りするので、ぜひ“参加”の項目に丸をして、思う存分に盛り上がってください!
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| 「いろいろな世代の人にプレイしてもらいたい」と語っていた小野プロデューサー。同氏が手がけた『ストIV』の家庭用が、本日いよいよ発売! |
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