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【春の日本一祭り】CGが500枚を超えたいきさつとは? スタッフコメント集第2弾

2009年3月15日(日)

 日本一ソフトウェアより3月19日に発売されるPSP用AVG『夢想灯籠(むそうとうろう)』。特集ページ内で毎日掲載されている本作開発スタッフのコメントを、まとめてお届けする。

 “輪廻転生”をテーマとした和風伝奇系AVG『夢想灯籠』。現在、電撃オンライン『春の日本一祭り』では、本作の開発スタッフによるコメントを日替わりで掲載している。

 今回は、3月9日~13日に掲載されたコメントをまとめたので、見逃した人はぜひチェックしておこう!

「注目してもらいたい演出およびシステム設計と開発秘話」
メインプログラム 黒岡聡亭

 プログラマーの黒岡です。今回の『夢想灯籠』では、カット同士をエフェクトでつなぐことをメインの演出とするのではなく、「なるべく画面を動かしたり、テンポよく絵を交換するなどの手法を使ってゲームを作りたい」という要望が、デザイナーとディレクターからありました。そして、それを実現するために、もっとも重要だったのがデータ読み込み速度の問題でした。サウンドや他のデータも同時に読み込んでいる関係上、上で言ったような動きを実現するため、画像を読み込むタイミングの調整は最後の最後まで悩みながら行いました。

 演出に関しては、序章の剣戟シーンや平安シーンの一部を僕が担当していますので、別な意味で、個人的に見てほしいなーと思います。というか、そういうシステムを作らせておいて、なかなか演出を付けてもらえなかったので、自分でやったというのがありますが……(ごめん! 余裕なかったんじゃ! byディレクター)。なので、演出を付けながら、足りない演出用プログラムを書き、アニメーションを組んだりとかしていました。自給自足システムのようです。あ、でも最後はちゃんとスクリプトチームとディレクターの方で演出をみっちり付けてもらいましたよ(遅くなってごめんなさい…… byディレクター)。本当に最後の最後までねばっていましたので、楽しんでもらえるといいなと思います。

「CG制作の苦労話と開発秘話」
グラフィックディレクター 神林中

 どうも、『夢想灯籠』グラフィックディレクターの神林です。ディレクターとは付くものの、実際はグラフィック関係の便利屋です。演出からドット打ちまで、必要な作業は何でもやる、そんな仕事です。

 スペースをいただいたので何か書きたいのですが、まあせっかくですから開発時のいろんなことを、波風立たない程度に書こうかと思います。キャラクターに関する部分は飯沼くんが書きたいでしょうから、僕は主にそれ以外の、設計であるとか、方針であるとかの根っこの部分を書きます。少々専門的な用語が多くなりますが、ご勘弁ください。

 こういう場だと大体何が大変だったかって話題になると思うんですが、僕の仕事の範囲内で話をするならば、一にも二にも「CGの枚数がハンパじゃなかった」というのが“大変ポイント”の筆頭なんじゃないかと。セールスポイントとして「500枚以上の」と言っていますが、実際に搭載されている枚数はそれ以上で、コンテの段階ではもっと多かったのです。いわゆるAVGの枚数としては“非常識”だと言ってもいいかも知れません。

 仮に500枚としたって、単純に作業量として多すぎるし、素材管理の点でもバカになりません。そういう数です。本来、素材の点数はまず常識的範囲内に収めるべきであり、その中でできる演出を模索するのが“正しい大人”のあり方です。その意味においていえば、今回のプロジェクトは、というか正確には僕が正しい大人じゃなくて、普通はあんまり降りてきちゃいけない“やっちまえの神様”が常時降臨しているような有様でした。なので、まったくの自業自得、というか飯沼くんゴメンというか。

 「2D主体のAVGでオーソドックスなんだけど、ちょっと目先は変えてみたいんだ」と言われて、まず提唱したのが従来あるような“立ち絵のキャラクター+背景システム”は今回やめよう、ということでした。すごく個人的な事情なんですけど、もう機械的に「よく見る仕組み」で作るのが嫌だったんです。さんざんそういうのに手を染めてきたので。“立ち絵のキャラクター+背景システム”はフォーマットも確立されてるし、一見楽そうに見えるけれど、なんだかんだバリエーションは作らないといけないし、これをやることによってそこにカメラ(=視点)が存在しない「とりあえず今いる場所はここ」的な記号の世界に入ってしまうのがイヤで、それを何がなんでも回避するのが、今回の演出のもっとも基本的な姿勢でした。

 まあそうすると使い回せない、1回こっきりの絵が凄まじい勢いで発生しますよね。必然です。この必然のしわ寄せはどこに行くかというと、もちろん原画の飯沼くんで、作業工数を考えると、さすがにこれはっていう量になったんです。当然ですね。できる限り軽減しようとはしましたが、でも、CGの量が一定以上あることでのみ可能になる効果――“量の迫力”が今回は必要だという意識があったんで、涙を飲んで、心を鬼にして頑張ってもらうことにしました。もちろん彼だって納得付くであったはずです。たぶん。きっと。

 “絵物語”として成立させたいという思いがありました。ノベルであり、ゲームであるけれどいつも通りの、通り一遍のゲームの絵にしたくはないと。文章で表現できることと、絵で表現できることとは別だし、文章に書いてないことも絵の中にはなんとなく描かれていて、想像の余地があるようににしようとか。だから、普通のゲームでは面倒くさがって避けて通るレイアウトとかがいっぱい含まれていて、それなりに目新しい部分もあるんじゃないかと思ってます。

 こんな感じですかね。話始めはいつも苦労します。では。

「パッケージに秘められたメッセージとゲーム中のこだわりポイント」
開発チーム 地引志郎

 ディレクターの地引です。皆様、いかがお過ごしでしょうか? 僕は、『夢想灯籠』の発売日が来週に迫り、ドキドキが止まりません。

 さて、そんな私の思いは別として、前回の続きからコメントを……と思ったのですが、今回は“ゲーム中のこだわりポイント”について、私の熱い想いを皆さんにお伝えしましょう。“こだわり”。そう! これです、これ。この“こだわり”なくして、『夢想灯籠』は完成しませんでした。しかし、この“こだわり”ゆえに、制作期間中はとても大変なことになってしまったのです。

 実は私、開発が始まる前からAVGにおけるバストアップキャラクターの表現方法に、ずっと不満、というか物足りなさを感じていました。グラフィックディレクターの神林も書いていることですが、とてもキレイな背景に、とてもステキなキャラクターが描かれているにもかかわらず、それらが一体化していないのです。なんといいますか、もったいないなぁ~と思っていたわけですよ。

 もっとも、バストアップキャラクターを使わない表現方法がイバラの道であることは、重々承知ではありました。ありましたが、その道を選びたいという欲求を抑えることができず、まずはデザイナーチームに修羅の道に入ってもらうことになりました。このこだわりがCG枚数500枚の発端となったのです。そして、これが“通常のエフェクトをメインとした静的な演出方法ではもったいない”という判断へとつながり、イベントCGそのものを動かしたり、素早く切り替えるなどの動的な演出方法に切り替えたために、プログラマーとスクリプトチームも修羅の道に叩き落すことになったのです。まさか、こんなことになるとは……タイムマシンがあれば、過去の自分を殴りつけてやるところでしたね。しかし、無事完成した『夢想灯籠』は、皆さんの財布の紐をゆるめて購入してもらうに足る、すばらしいモノになったと、胸を張ってお伝えできます。

 話は変わりますが、みなさん通常版のパッケージはいかがでしょうか。何か意味深なデザインのような気がしませんか? ……そうなんです。実は、この通常版のパッケージデザインには,、『夢想灯籠』の世界観が隠されているのです。実際、この通常版のパッケージに隠されているメッセージをすべて説明すると、30%くらいがネタバレになってしまいます。大げさだなと思われるかもしれませんが、事実です。このパッケージのありとあらゆるところには、『夢想灯籠』の世界観が描かれています。目に付いてわかりやすいところをいうと、各務が手に持っている光の玉、各務の足につながっている鎖、流れる灯籠などなど。発売までもう少しですが、このパッケージからいろいろなことを読み取っていただいて、アレコレ想像してみるのもおもしろいかもしれませんよ。

 では、1人でも多くの方にプレイしていただけることを祈っております。

 ……おっと、忘れておりました。他の“ゲーム中のこだわりポイント”として、現代編と平安編では文字フォントやグラフィックの表現の仕方などを変えてありますので、そういうところも見てみてください。おもしろいですよ。では、次は発売後にお会いしましょう。

 後半では、『夢想灯籠』関連グッズの話などを掲載! さらに、OPテーマ『剣の舞』のジャケットで使用されている灯篭に関するこぼれ話も!!

 →実は“あの灯籠”は、手作りだった!

(C)2009 FOG/NIPPON ICHI SOFTWARE INC./BROCCOLI

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