2009年3月18日(水)
本日3月18日~21日に開催されている“東京国際アニメフェア2009”。本日18日に、2009年夏に公開されるアニメ映画『サマーウォーズ』の関係者向け製作発表会が行われた。
『サマーウォーズ』は、ある地方の大家族が世界中で突然沸き起こった危機に対して戦いを挑む物語。世界をつなぐ仮想都市OZ(オズ)に出現した謎のアバターが巻き起こす事件に、大家族が挑むアクション映画になっている。監督は、2006年夏に公開されたアニメ映画『時をかける少女』の監督・細田守さん。脚本は奥寺佐渡子さん、キャラクターデザインは貞本義行さんと、『時をかける少女』のスタッフが再結集している。
制作発表会には、細田さんをはじめ、主人公・小磯健二役の神木隆之介さん、ヒロイン・篠原夏希役の桜庭ななみさん、池沢佳主馬(かずま)役の谷村美月さん、そして『時をかける少女』で主人公・紺野真琴を演じた仲里依紗さんが出演。仲さんは、『サマーウォーズ』でも38歳の女性・陣内由美を演じている。製作発表会では、本作の予告編の上映後、出演者らがMCによる進行のもと、本作の魅力やアフレコの感想などを語ってくれた。以下にその模様をお伝えする。
▲写真左から、細田監督、桜庭さん、神木さん、谷村さん、仲さん。夏を先取りした浴衣姿で登壇していた。 |
――本作の概要について教えていただけますか?
細田さん:この作品は、一言で言いますと“日本の田舎の家族がインターネット上の世界的な敵と戦って、勝つ”というお話です。アクションエンターテイメントのような感じで考えています。前作『時をかける少女』は、今の日本の女の子のバイタリティを表現したいなと思って作り上げたのに対し、今回の『サマーウォーズ』は、日本の女の子だけでなく、家族たちの持っているバイタリティを楽しく力強く描きたいと思い、今作っているところです。家族みんなで映画館で見てもらえるような楽しい映画にしようと思っています。よろしくお願いします。
――神木さんから、ご自身の演じる役柄などについて教えていただけますか?
神木さん:健二は、大人しくてちょっと内気で、照れ屋でおっちょこちょいなごくごく普通の少年なんですけど、そういうごくごく普通の健二君を表現できるように頑張ります。
――神木さんは『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』などで声優もたくさん体験されていると思いますが、今作で何作目になるんでしょうか?
神木さん:9作品目でしょうか。
――もうベテランですね。
神木さん:そんなことないですよ(笑)。さっき流れた予告編を収録する時も緊張しました。
――この春から神木さんも高校生になるということですが、同じ年代の少年を演じるということについてはいかがですか?
神木さん:同世代の雰囲気というか、空気感を出せればいいと思います。あと健二君は数学がよくできる子なんですよ。なので、ピンチの時にはすごく冷静に判断できたり、物事を冷静に見ることができたりするんです。そういうピンチの時の健二君と、普段のちょっとおっちょこちょいな健二君というギャップをうまく出せればいいなと思っています。あと、僕自身数学がちょっとニガテなので、健二に近付けるように数学を勉強しようと思います。
――ありがとうございます。続いて桜庭さん、お願いします。
桜庭さん:天才数学少年と一緒に世界の危機に立ち向かう、1つ年上の、先輩の役なんですけど、1回目のアフレコでは神木君に助けてもらいました。次回からは、役柄と同じように、先輩に近づける様に頑張りたいと思います。
――桜庭さんは現在ソフトバンクのCMなどに出演されていますが、声優は初挑戦なんですか?
桜庭さん:はい、初めてです。さっき見ていただいた予告編が初めてでした。(収録の時に)外に聞こえているとは思わずブースの中で独り言を呟いていて、ブースを出てからスタッフの皆さんに指摘を受けたのがとても恥ずかしかったです。
――大変だとは思いますが、これからも頑張ってください。続きまして、谷口さん、お願いします。
谷村さん:池沢佳主馬は、名前の通り男の子の役柄です。今まで私自身が扮するお芝居として男の子を演じたことはあったんですが、声で演じるのは初挑戦なので、なるべく声を低めに。あとは久しぶりに細田監督と一緒にお仕事させてもらうので、私自身、いいスパイスになればと思っています。
――最初に男の子役と聞いた時はいかがでした?
谷村さん:チャレンジと言いますか、自分自身との戦いでもあるんですけど、ななみちゃんと神木君と一緒に収録する日もあると思うので、お互いにいい刺激をいただきながら、いい作品を作れたらいいなと思っています。
――ありがとうございます。続いて、仲さんお願いします。
仲さん:今回細田さんとご一緒できて、とてもうれしいです。すぎおくほめたたえてくださるので、大好きな監督なんです。私、ほめて伸びるタイプなので、『時をかける少女』はとてもいい思い出になっています。
――監督は優しかったですか?
仲さん:ものすごく優しいです。ほめすぎて、逆にお世辞を言われてるのかな……? と思ってしまうぐらいですね。最近はあまりほめてもらえていないので、細田監督のところにほめてもらいに行こうかなと思っています。
――と、言われていますが、監督。
細田さん:今回も方針は変えずほめて行こうと思います(笑)。
――今回仲さんに出演依頼をした経緯などを教えてもらえますか?
細田さん:ほとんどオーディションで選ばせていただいたんですが、1人どうしても決まらない役があったんです。キャストを探している間に仲さんの声が頭にあったこともあり、今回お願いすることにしました。
――仲さんはどういう役柄なんですか?
仲さん:38歳の太っているおばさんの役です。最初おばさんの役と聞いていたので、台本を読んでまぁいけるだろと思っていたんですが、今日写真を見て驚きました。めちゃくちゃ太っていて、メタボリックな感じでどうしようと思いました。太っている感じの声を研究しないといけないと焦って工夫をしているところです。年が倍なので、38歳のころを想像しつつ……あまり想像したくないですけど(笑)。
――仲さんから、桜庭さんにアドバイスなどはありますか?
仲さん:声優初挑戦で、監督が細田さんというのは、本当に素晴らしいことで、幸運の持ち主だと思います。本当に細田さんはほめてくれます。構えないでリラックスして行った方がいいと思いますよ。
桜庭さん:この間収録させていただいた時に、監督も周りの皆さんも「大丈夫大丈夫」とおっしゃってくれていたんですけど、顔が青いんですよ……。
細田さん:あの時は、おばあちゃん(陣内栄)役の富司純子さんがいらっしゃっていたので、僕もすごく緊張しました。桜庭さんも大変緊張したと思いますよ。
桜庭さん:緊張しました。
この後、集まった報道陣から出演者に向けての質疑応答が行われた後、細田監督が本作についての意気込みを語り、製作発表会は終了となった。細田監督からのコメントは次の通り。
細田さん:『時をかける少女』が終わってからずっと準備をしてきました。スタッフ一丸となり、精魂込めて大事に作品を作っています。いい時間のかけ方をして作品が少しずつ完成に向かっているので、品質的には自信を持ってお見せできるものになると思います。
続いて、本作の場面写真を掲載する。夏の公開に向けて現在鋭意製作中とのことなので、楽しみに待っていよう!
▲90歳になるおばあちゃんを筆頭に、医者や漁師、消防士、水道局員、電気店経営、警官、自衛隊の将校、小学生、赤ん坊などさまざまな人物が集う陣内家。この家族たちが世界の危機に立ち向かう。 |
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■東京国際アニメフェア2009