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2009年3月19日(木)

それは優しくて、とても甘い――PSP『とらドラP!』プレイレポート前編だ!

文:ごえモン

 どうも、電撃オンラインの自称『とらドラ!』番長・ごえモンです。現在、電撃オンラインでは『週刊とらP!』なる“週1更新で、PSP『とらドラ・ポータブル!』を特集しよう!”という企画が掲載中です。その特集企画の一環として、皆さんより一足早く、本作のプレイレポートを前後編で掲載していきますよ、リーリーリー! ……それでは早速、プレイレポート前編をお届けしようと思うのですが、そもそも『とらドラ!』ってなんなのさ? という方は、先日掲載した『とらドラ!』の基本的な情報をまとめたニュースを読んでおくといいでやんすでガンスよ。あっ! 制作陣のインタビューなどもあるので、そちらもヨロシクです。


■冒頭から超弩級! 恋ヶ窪ゆり(30)の赤い糸が……

 ゲームを開始すると、原作7巻・クリスマスイブの“あの日”の場面が描かれます。雪が降る中、主人公の想い人・櫛枝実乃梨になにかを告げられたところで画面が暗転。シリアスなシーンとは打って変わって、突如、大きなみのりんが現れ、RPGの戦闘シーンのような展開に突入しました、ってなんじゃコリャ(笑)。

 大きなみのりんに立ち向かうのは、主人公・高須竜児とヒロイン・逢坂大河、そして竜児たちの担任・恋ヶ窪ゆり(30)の3人。びびびびびび……っと殺人ビームを発し攻撃する竜児&大河や、大きなみのりんの攻撃で赤い糸を切られてしまう恋ヶ窪ゆり(独身)。怒ったゆり(独身)がマンションを買って攻撃……などなど、『とらドラ!』ファンなら思わずニヤリとしてしまう内容が冒頭から満載です。バンナムさん! あなた『とらドラ!』を読み込んでいるな!!

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▲“おおきな みのりん が あらわれた!!”ってなんでこんなことに!?▲あわれ、独身(30)。こんなゆりちゃん先生を幸せにしたいそこのアナタ! このゲームを絶対プレイするべきですよ!!

 この大きなみのりんとのバトルは、実は竜児の見ていた夢でした。夢から目が覚めると、そこは病院の一室。なんとなしに病室にある鏡を覗いてみると、危険な切れ味な三白眼で睨む男の姿が……まあ竜児なんですけどね。それを見た竜児は「うわぁっ! 殺される!」と、原作小説に登場する数多のキャラクターのようにビビってしまう始末。インフルエンザで3日間寝込んだからなのか、自分の顔や、今が一体いつなのか、そして大河の名前さえ忘れてしまったようです。そんな竜児が、記憶を回復させながらさまざまなキャラクターと新たな関係を構築していく、というのが本作の大まかな流れになっているんですよ。

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▲自分の顔にビビる竜児。あんた、いつもやられていることを自分でやってるぜ?▲大河のことも覚えていないため、メッセージウィンドウの名前部分が???で表示されています。

■MOTTAINAI! “高須棒”を駆使して記憶の手がかりを探し出そう!!

 病院から母・高須泰子と、竜ちゃんとやっちゃんの愛の巣(自宅)へと1週間ぶりに帰ってきた竜児。部屋に入ってみると、なんだか体の奥底から湧き上がるような、どうにも落ち着かない気分になってしまいます。それもそのはず、高須家の家事の要である竜児が、1週間近くも家を空けていたのです。モチロン、その間はやっちゃんが1人で暮らしていたわけで……この意味、わかりますよね? そんなわけで、チョ~一流の主夫であり、好きな女の子と遊ぶよりも掃除を優先してしまう、そんな掃除大好き人間である竜児が、たとえ記憶を失っていたとしてもこの惨状を見逃せるワケがないのです。

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▲家に入ったとたん、なんだか落ち着かなくなる竜児。きっと、いつも以上に両目をギラギラと輝かせているのでしょうね。見えないけど。▲宇宙一カワイイ33歳、それが高須泰子! 記憶を失った竜児が“やっちゃん”と呼んでしまったらこの反応ですよ……やっちゃんはオレの母!!▲さらに「泰子はオレのなんなんだ?」という質問にはこの回答! 余すことのない愛情になんだかジーンとしてしまいましたよ。さすが永遠の23歳。さすがYASUCO……いやいやYASUKO!

 そんなとき、部屋にストックしてあった、鉛筆にガーゼを巻きつけ輪ゴムでとめた通称・高須棒という掃除グッズを発見しました。これを見た竜児は、“MOTTAINAI”という言葉とともに、燃えるような使命感を思い出し、本作の重要なシステム“掃除パート”(勝手に命名)が始まるのです。

 掃除パートが始まると、画面上になんだか鉛筆で塗りつぶしたような黒い部分が数カ所表示。さらに、画面の左下には高須棒の残り使用回数が表示されます。この黒い部分を選択し、高須棒で掃除することによって、竜児の記憶に関するアイテムを入手する場合があります。このアイテムなんですが、竜児の“記憶の象徴”であり、どれも原作に出てきたものばかり。プレイヤーにとってもそれは同じで「そういえばこんなのあったなぁー」と原作を懐かしむことができるのが素晴らしい! なんだか、また1巻から読み返したくなってきましたヨ!! よっしゃぁ! プレイレポートを中断して読んでやるぞ~!

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▲高須棒の発見をきっかけに、忘れていた気持ちを思い出します。たとえ記憶を失っても、体が覚えているとは、さすが一流主夫。
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▲上の画面では、高須棒の数と掃除できるカ所の数が一致していますが、今後は高須棒1、掃除カ所3、なんていう状況が頻発するので、クイックセーブ&ロードの使用が必須になってきますね。▲テレビを掃除すると“ふえふえワカメたん”なるアイテムを発見! ま・さ・か……ばかちー1号か!? はたまた北村の幽霊?

 5巻まで読んだところでプレイレポ再開なんじゃー! ……掃除パートで入手したアイテムは、各キャラクターとの会話時に選べる選択肢が増える(アイテムがないと、選択肢が???で表示され選択できない)、という、非常に重要な役割を持っているんです。この選択肢はルートの分岐に関わってくるので、アイテムを持っていないと同じルートやエンディングばかり見るハメに……。なので、アイテムが見つからなかった場合はクイックロードを使用することが、お目当てのルートに入る近道なんですよ。

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▲このように、アイテムを持っていないとロクに選択肢を選ぶことができません。▲しか~し! アイテムを入手すれば、新たな選択肢が登場!! これで今までとは違うルートに入ることができます。

■進化したモーションポートレートを見よ!

 冒頭10分くらいのシーンをながながと引っ張ってきましたが、ここからは皆さんお待ちかねの“モーションポートレート”について書いていきましょう。念のために説明しておきますと、モーションポートレートとは、2Dの一枚絵をまるで生きているかのように、滑らかに動かす表現方法です。

 それでは、ヒロインの1人である実乃梨とのモーションポートレートを体験してみましょうか。モーションポートレートが始まると、画面左に会話のテーマが表示されます。テーマを選んだら、さらに3つの話題が表示されます。今回は、竜児らしく“見つめる”というテーマを選んで、“熱く見つめる”“クールに見つめる”“普通に見つめる”の3つを選んだときの反応を見てみます。

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▲これがモーションポートレートの画面。見つめる、というのはレギュラーの会話テーマで、それ以外は各キャラクターで違ったり、ストーリーの進み具合で変化します。

<熱く見つめる>

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▲熱く見つめるを選択すると、見つめるとは程遠い殺気のこもった目つきをしたカットインが挿入(笑)。しかし、そんな目つきはものともせず、なんだか好印象を持ったらしい……さすがみのりんだ。

<クールに見つめる>

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▲COOL!! ってどうかんがえてもにらんでますよね(汗)。しかもまたもや好印象……みのりん、恐ろしい子!

<普通に見つめる>

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▲……もうなにも言うまいよ。そしてコレも好印象です。

 みのりんの場合だと、すべて好印象でしたが、他のキャラクターだとそうはいきません。なので、相手によって、興味のあるテーマ・話題をしっかり考えて振っていきましょう。うまく会話を盛り上げないと、すぐに会話が終わってしまいますのでご注意を。(インコちゃんに鶏肉の話は禁物ですよ!)

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▲竜児の癒し的存在、インコちゃんのモーションポートレートもしっかり用意されています! ブサイクな顔してるだろ? インコなんだぜ? それ……。

 で、気になるローディングの長さはというと……モーションポートレートに入る前に、2秒ほどのロード時間が入りました。しかし、いったん読み込んでしまえば、会話部分はほとんどロードがないレベル。さらに、一部データをインストールしてのプレイでは、開始前のロード時間も改善され、会話部分は爆早! ぜんっぜん、気になりませんでした。

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▲こちらはデータのインストール画面です。本作をプレイする際には、その前にデータをインストールをすることをオススメします。

■バックログはしっかり搭載されています。さらには……

 それでは、ここらでシステムの話でも。なんかいつも言っているような気がしますが、本作のユーザビリティは非常に高いです。メッセージスキップや、メッセージスピードの調節など、AVGに必要なシステムは一通り揃っていますし、もちろん、バックログ機能も当然搭載されております。

 そんな中で、AVGマニアの僕でもあまりお目にかかったことがないのが、“バックジャンプ”という機能。これは、バックログで表示されたテキストになら、いつでも一瞬で戻ることができるという機能です。AVGをプレイしていると、たまーに「間違えて強制スキップしちゃった!」とか「まだ読んでないのにメッセージを送っちゃったよ……」なんてことがあります(僕だけですか?)。バックログで読み返したり、セリフを再生することは可能なのですが、“キャラクターの立ち絵演出やイベントCGを含めて読みたい”とか“飛ばしてしまったシーン直前のセーブデータがない”なんて時に、かなり重宝します。

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▲オプション画面はこんな感じ。AVGに必要な項目はあらかた搭載されている、といえますね。▲バックログ表示時に、戻りたいテキストにカーソルを合わせて四角ボタンを押せばバックジャンプ可能です。データをインストールをしておけば、一瞬でジャンプできます。

 また、上の方で“クイックロードが重要”なんていってましたが、「いちいちクイックセーブするのは面倒」なんて思っている方もいるのでは? しかし、本作では“自動クイックセーブ機能”があるので問題なし。しかも、クイックセーブスロットは30カ所用意されているので、普通にプレイしていれば戻れなくなる、なんてこともありません。いつでも、掃除パート直前や、選択肢前、モーションポートレート前に戻れます。

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▲こちらがクイックロード画面。どんなシーンだったか、というのも見出しでわかるため非常にわかりやすいです。

 ちなみに、各エンディング後には、ゆりちゃん先生が今回のプレイの採点をしてくれます。その独特のセンスでつけられる点数と、コメントは必見モノです。加えて採点だけでなく、プレイについてのヒントをくれることもあるので、読み飛ばしちゃわないよう注意しておきましょう。

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▲珍しく(?)先生らしさを感じさせてくれる独身(30)。見事、彼女に100点をもらえるようにがんばりましょう!

■『とらドラ!』ファンなら絶対やるべきなんだぜ!

 プレイしての感想ですが、やっぱりデータのインストール(※必要な容量は400MBくらい)は済ませておいた方がベターです。速度が速くなることもあるのですが、それによって、このテのゲームには欠かせない没入感がいっそう増すのではないかと。また、上で触れたもの以外にも、既読メッセージやすでに選んだ選択肢が一目でわかる機能など、周回プレイをするうえでのストレスを軽減する細かなシステムもうれしいポイント。決して目新しいモノとは言えませんが、イブシ銀のいい仕事をしているな~と思わせてくれました。

 他にも、ファンならニヤリとする要素が満載だったり、ほとんど違和感のないテキスト内容、グラフィックもかなりキレイでAVGとしても良質な仕上がり、ボリュームも十分、主人公・竜児もフルボイスでしゃべってくれる……などなど、自信を持って『とらドラ!』ファンにオススメできる1本となっています。

 そんなワケで、これを読んでいてまだ本作を予約していない方は、今すぐ予約しに行きましょう(笑)。その際には、超弩級プレミアムBOXを予約するとなおヨシですよ! ちなみに、プレイレポート後編ではミニゲームなどのおまけ要素を紹介しようと思っていますので、そちらも注目してみてくださいね! ではでは~。(ごえモン)

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▲“スドバ”が登場したり、“スナック毘沙門天国”の中に入れるなど、うれしい要素が盛りだくさんです。


 次回の更新(3月26日予定)では、ついに『とらドラ!』の原作者である竹宮ゆゆこ先生のインタビューを掲載ッ! 来週まで震えて待っててね!!




(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会
(C)2009 NBGI
※画像は開発中のものです。

データ

▼『とらドラ・ポータブル!』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:2009年4月30日
■価格:通常版 5,229円(税込)/超弩級プレミアムBOX 9,800円(税込)
 
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