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2009年3月20日(金)

フロム・ソフトウェアの竹内プロデューサーが『オレイケ』制作秘話を語る!

文:電撃オンライン

 フロム・ソフトウェアは、総合学園ヒューマンアカデミー ゲームカレッジ東京校との連動企画となるイベントを、本日3月20日に同本社で開催した。

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▲フロム・ソフトウェアは、人気メカACT『アーマード・コア フォーアンサー』や最近話題の『Demon’s Souls(デモンズソウル)』を手掛けた会社。カプコンやスクウェア・エニックスといった会社と同じように、ゲームの発売と開発の双方(あるいは、どちらか一方)を行っている。

 このイベントは、フロム・ソフトウェアがゲーム業界における人材育成の一環としてゲーム専門学校とコラボレーションした業界啓蒙(けいもう)企画“己の道を突き進め!大支援キャンペーン”の第1弾。イベントでは、一般的なゲーム開発の概要紹介や、6月11日に発売予定のPSP用PZG『己の信ずる道を征け(おのれのしんずるみちをゆけ/以下、オレイケ)』のゲーム体験会、『オレイケ』プロデューサー・竹内将典さんと参加者のQ&Aセッションなどが行われた。

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▲『オレイケ』色に染まった会場でイベントは行われた。Q&Aセッションでは、「なぜキャラクターデザインにokamaさんを起用したのか?」といった質問も。

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▲ちなみに、ゲーム制作の期間を12分割して考えると、上記左の写真のような制作進行になる。▲『オレイケ』の開発状況は、現在デバッグ期間にあるとのこと。バグを取り除き、ハードメーカー(PSPなのでSCE)のチェックを通過すれば、いよいよゲーム発売だ。

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▲デバッグ期間中である『オレイケ』の体験会も行われた。トライアンドエラーでステージクリアを目指すやり込み度の高いゲーム性に、早くもハマってしまった人もいるようだった。

 イベント後半には、『オレイケ』やXbox 360『ニンジャブレイド』など、数々の忍者ゲームを手掛ける竹内プロデューサーが登場。参加者とのQ&Aが行われたので、最後にその模様を掲載する。

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――プロデューサーの仕事とは、どのようなことをするのでしょうか?

 PS3やXbox 360のゲームを作る以前は、ゲーム制作を統括する仕事であることが多かったです。しかし、最近のゲーム制作はだんだんと複雑化してきているので、そういった仕事はディレクターに権限が譲渡され、今のプロデューサーはスケジュール進行やマーケティングとのやり取りが多いですね。開発と他の部署の橋渡しや、予算やスケジュールを管理する人とのやりとりなど、仲介を行うのが主な仕事になっています。

――なぜ、『己の信ずる道を征け』というタイトルにしたのですか?

 このゲームは1年前くらいから開発が始まっていて、その当時の仮タイトルは『忍者パズル』だったんですね(笑)。当然、「タイトルはちゃんとつけないといけないよね」という話をするのですけれども、その中で開発者自身も、「どういうゲームにすべきか」というのを、きちんと焦点を定めないといけません。この焦点を定める際、「ゲームをどういった内容にするか」というのはすべてタイトルに込めるべきだと思っています。なので、皆さんにゲーム内容がうまく伝わり、かつ覚えてもらいやすい、もしくは覚えるに値するタイトルになるようにと考えました。

 今回は、ゲームの内容の中でも特に、浮世絵風のテーマと東海道五十三次を前面に出して、『己の信ずる道を征け』というタイトルにしました。しかし、このタイトルでは長いので、去年のTGSで発表した時にも「長いので『オレイケ』と呼んでください」と略称を皆さんに提案したんですね。でも、公式サイトを訪れた人の検索キーワードなどを見ると、タイトルすべてを入れている人が多いので、「実は大丈夫なのかな」と今は思っています。

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――キャラクターデザイナーにokamaさんを起用したのはなぜですか?

 実は社内デザイナーでチャレンジした時期もあって、去年のTGSに出展したバージョンがそうでした。なので、あの時のゲーム画面だと今の主人公のデザインと違っています。ただTGSの時に、ゲームそのものはおもしろいと言っていただけたのですが、ゲーム以外のところからも興味を引きつけるには弱いと反省したんです。TGSの時から、東ハトさんの“ふわ丸”とコラボレーションすることも打ち出していたので、ふわ丸のゲームだと思っていた方も結構いました。

 それで、強力なキャラクター性が必要だと考えたんです。僕は昔から和風テイストのゲームをたくさん作っているのですが、okamaさんは和風のイラストを結構描かれていて、以前より注目していたんですね。なので、そういった経緯でokamaさんにキャラクターデザインをお願いしました。

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――ゲームのアイデアはいつ考えるのですか?

 プロデューサーは、ディレクターをサポートする形でアイデアを考えることが多いのですが、アイデアというのは、テーマが頭の中にもいくつもあって、そのテーマに沿って普段から考えています。アイデアが、何もないところから出ないこともないのですが、ものすごく少ないんですね。なので、ぼんやり考えていてもアイデアは出ない。だから、「そんなにアイデアが出るわけないだろ」というくらいたくさんのテーマを頭の中に置いて、常に複数のテーマについて考えるのがコツだと思っています。

 たぶん、人によってアイデアの出方は違うと思います。ですから、アイデアの出やすい環境を意識して、アイデアを出すためのインプットと、そのアウトプットは常に考えてないといけないと思いますね。

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――分身と協力するアイデアはどこから生まれたのですか?

 基礎となるアイデアは、独自のものがあったのですが、すでにFlashゲームで『Cursor*10(カーソル・テン)』という同じようなものがあったんです。“分身”自体のアイデアは、『デモンズソウル』のソウル体と根本的には同じですね。『Cursor*10』にゲームの方向性がインスパイアされて、今の形になりました。

 そのままではないにしろ、ゲームを参考にしたので、『Cursor*10』の作者さんとは事前にお話をしました。「そういうゲームになるのなら、もっとおもしろくなるかも」という話もしていただいて、『Cursor*10』ではできなかったことも聞いて、それも採り入れています。

――『オレイケ』に、「これだけは入れたい」と思ったことはなんですか?

 マルチプレイモードです。このゲームは、分身を使ってギミックを解いていくパズルアクションゲームですが、中には謎解きが不得意だったり、アクションが苦手だったりする人もいると思います。ちくちくゲームをやっていくだけではなく、みんなでプレイしながら「ここはどう解いたらいい?」、「ここって難しいよね」といった会話が生まれるシステムを入れたいと考えていました。

(C)2009 FromSoftware, Inc.

データ

▼『己の信ずる道を征け』
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PSP
■ジャンル:PZG
■発売日:2009年6月11日
■価格:3,990円(税込)
 
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