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2009年4月1日(水)

クロウがセトにキスをした理由は? 『フラジール』読者参加インタビュー最終回

文:電撃オンライン

『フラジール』

 読者参加型インタビュー企画“想いのなかから、うかんだ言葉”と銘打った企画で、Wii用廃墟探索RPG『FRAGILE~さよなら月の廃墟~(以下、フラジール)』に関して寄せられた数々の疑問。

 その中から選考した質問を、バンダイナムコゲームスの『フラジール』プロデューサー・川島健太郎氏にお伝えして、インタビューを2回にわたって掲載してきた。本日は最後となる第3回をお届けする。


【注意】

『フラジール』

以下の記事では、ゲームをクリアしても明かされないネタバレが掲載されています。
本作を未クリアの方は、ゲームプレイの楽しみが損なわれる危険がありますのでご注意ください。
記事をお読みになる方は、以上を踏まえた上でお進みください。


 3回目は、クロウについて寄せられた質問から、チヨについてや、ゲーム自体に対する質問などをぶつけてきたインタビュー。クロウがセトにキスをした理由についても、当然触れられている。第1回では、セトのおじいさんの謎に、第2回ではセトの謎に迫ったインタビューをお送りしているので、ぜひそちらもご覧いただきたい。

←第1回はこちら

←第2回はこちら

『フラジール』

――質問をくださった方、プレイしてくださった方にメッセージをお願いします。

 
 興味を持っていただいて、遊んでいただいて本当にありがとうございます。

 物語は、みなさんの手に渡った瞬間から、みなさんのものですので、そこで、それぞれに何かを見つけていただければ、私としてはうれしく思います。

 では、いつかまた!


■クロウのキスの理由は?

――セトとクロウのキスシーンを入れたのはなぜですか? クロウは、どこで「友だち同士はキスをする」という知識を手に入れたのですか?

 そもそも、クロウは性別がなく、勝手に“男の子”だと思っているだけというのが1つ。
 その、(人間ではないため)性別もあやふやでどこか危なっかしい感じを、端的に出すシーンとして入れました。
 キスに関する知識は、おそらく遊園地の地下に落ちていた“少年海賊の冒険”という本とか、そういうもので仕入れたのでしょう。

――クロウと“少年海賊の冒険”は、どのようなかかわりがあるのでしょうか?

 情報を得るために取り込んだものの1つなんだと思います。


■機械だけど……推し量るクロウの心

――クロウは、どうして記憶喪失になったのですか? クロウは製造されたのに、「小さいころの記憶がない」というのは、どういうことなのでしょうか?

 メモリーに障害を起こしているなど、機械的な理由です。

――クロウは、写真に一緒に写っていたおじいさんのことを、どう思っていたのでしょうか?

 わかりません。
 肉親とか、父親とかいう“概念”があったかどうかも謎です。
 ただ、我々が感じる郷愁(きょうしゅう)に近いものを感じていたと思います。
 それすら、プログラムされた“帰巣本能”なのかもしれませんが……。

――セトと別れた後、クロウは何をしていたのですか? どんな経緯であのアンドロイドたちの部屋にたどり着いたのでしょうか?

 不明です。
 うろうろしてたんじゃないかな……。

――クロウやP・Fのバッテリー切れは、なんとかならなかったのでしょうか? ダムで発電している電気や、研究所にあるバッテリーなどで……クロウが復活する日が来ないのでしょうか?

 バッテリーを交換すればという概念がセトにはないこと、おそらく経年劣化でスペアのバッテリー自体も稼動しなくなっていることなどから、なんとかならなかったと思います。
 死んだものは生き返りません。

――量産アンドロイドと地震は世界にどのように関っていたのでしょうか? グラスケイジ計画の謎を描く外伝などの予定はありますか? できればその中で、クロウの物語をより深く知りたいです。

 地震は、関東地方によく起きるんでしょうね……。
 グラスケイジ計画や、その後のセト(20代後半になっている)のお話や、クロウの……なんていうのは、大枠で設定的にお話があったりします。が、今のところ公開する予定はありません。
 どっかで出せればいいですが……。


■チヨはたくましく生きていた?

――チヨの本体はなぜ生きていたのですか? また、なぜホテルにいたのでしょうか?

 わかりません。

――チヨは研究所にどのような形で関係していたのですか? そしてあのイベントの後、チヨはホテルで結局亡くなってしまったのでしょうか?

 研究とは関係していません。
 そして、セトと別れた直後に亡くなっています。

――チヨは結局、何者だったのでしょうか?

 生き残った人類の1人です。

――チヨは身体が辛うじて生きていましたが、食べ物はどうしていたのですか?

 老いて、体が動かなくなるぎりぎりまで
 自分1人で、頑張っていたんだと思います。


■ユーザーから寄せられた不満点

――シナリオ、世界観、音楽、映像がよく、物語をとても楽しめたのですが、エリア移動のたびにザコ敵が復活する戦闘は、廃墟の探索を阻害するように感じました。なぜ戦闘を入れたのでしょうか? ザコ戦やレベル制がなくとも、節目にボス戦があるだけでもよかったのではないでしょうか?

 そうかもしれません。

――セトの記憶をたどっているとはいえ、いろいろと説明不足に感じました。どういった狙いで説明が省かれているのでしょうか?

 説明不足のところは、多々あると思いますが、そこはぜひ皆さんの想像で補っていただければと思います。
 現実は、断片的な情報でしか成り立っていないわけで、本作品では、そういう部分でのリアリティを表現したいと考えて制作しました。


■次回作を期待しています!!

――キャラやストーリーはどこから生まれてくるのですか?

 散歩中と風呂場です。月並みですいません。

――『フラジール』の開発にかかわった人たちは、何人くらい居るのでしょうか?

 開発だけだと、50人くらい?
 関係スタッフ全員だと、100人くらいでしょうか?あれ、もっとかな。
 おおざっぱですいません。
 一部はスタッフロールで確認してくださいね。

――次回作、もしくは移植版やリメイク版を出してください!

 ありがとうございます。
 なんというか、頑張ります。


(C) 2009 NBGI

データ

▼『FRAGILE~さよなら月の廃墟~』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:Wii
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年1月22日
■価格:7,140円(税込)
 
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