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2009年4月23日(木)

【今週の1本】見た目はかわいくても中身はガチ! 『ダン←ダム』プレイレポート

文:電撃オンライン

 どうも、村田(仮)です。今回レポートをお届けするのは、4月29日発売予定のDS用RPG『ダン←ダム』。本作は“モンスターから街を守る”という、わかりやすい目的のRPGなのですが、なんと攻撃手段の中にダムがあるのです。ダムってアレですか? 水とか利権とか訴訟問題とかが集まる例のアレですか? 何を言っているのかわかりませんよね? 村田(仮)もよくわかりません。そんなわけで、早速プレイしてみましたよ。

■モンスターの魔の手から街を守りきれ!

 物語は、主人公・シオンたちが住む街、巨大なダムがある“ソワサント”にモンスターが攻め込んでくるところからスタート。突然の襲撃で街が混乱する中、戦いなんてしたこともないシオンが、街にある建物の屋根の上からモンスターの動きを見て指揮をとることになります。さすが主人公! プロローグから大活躍ですよ!!

 その後、街に滞在していた冒険者たちの助けもあってどうにかモンスターは撃退できたのですが、街の施設の半分は破壊され、シオンの父親で街の顔役だったゴーチは行方不明に……。しかし、それを悲しんでばかりもいられませんよ。モンスターが再襲撃してくる可能性もあるということで、自警団を結成することになりました。

▲モンスターの襲撃によって、街は半壊。……いやいや、村田(仮)のゲームの腕前が原因じゃないですよ?

■チュートリアルだとナメていたら……

 といった感じで、いよいよ本番です。本作の目的は、ダムや酒場といった街の施設をいきなり襲撃してくるモンスターの迎撃。プレイヤーは、酒場で集めた冒険者たち(ユニット)を編成して街を防衛したり、時にモンスターの発生源となっているダンジョンに攻め込んだりすることになります。その中でも一番重要なのが、街の防衛。侵入してきたモンスターは、街の施設を次々と破壊しようとします。ゲーム開始当初は街のシンボルに当たるダムの他に、施設として冒険者を雇用できる酒場、アイテムを保管できる倉庫の3つがありますが、施設ごとに設定された“耐久値”がゼロになると破壊され、すべて破壊されると、ゲームオーバーになってしまいます。なので、施設が破壊される前に冒険者を迎撃に向かわせることが戦略として重要になるわけですね。

▲侵入したモンスターはすばやく迎撃しないと、ところかまわず施設を破壊してしまいます。ちなみに、モンスターとの戦闘中にも施設の“耐久値”は少しずつ減少。減少値は微々たるものなので、あまり気にする必要はないんですけどね。

 そんなわけで、ここからバトル関係のチュートリアルが始まります。まずは前衛2人、後衛2人の最大4人で構成されるパーティの編成から。ユニットは、前衛に配置するか後衛に配置するかで、攻撃や防御、回復といった行動の内容が変化します。なので、どこにどんな職業のユニットを配置するか、プレイヤーの戦略が問われるわけです。

 続いてモンスターとの戦闘ですが、基本的にはオートで進行します。各パーティを防衛したい施設に配置したり、負傷したパーティを一時的に下げたりと、パーティへの指示がメインになります。村田(仮)がプレイしてみた感想としては、RPGというよりもS・RPGに近い感じですね。

 さてさて、そんなこんなでチュートリアルを進めていったのですが、序盤ですから苦戦するはずないんですよ。……とか言っていたら、だんだんモンスターの攻撃が激しくなってきて、気がついたら街が壊滅寸前まで追い込まれてしまいましたよ! 一応ゲームは続けてみましたが、施設の修理が追いつかず、結局最初からやり直すことに……。

▲「チュートリアルに従っていればどうにかなるだろう」と思っていたら、いきなりゲームオーバー寸前に! 言われたことしかできないようでは、街は守れないということですかね?

■数は力だ!

 最初からやり直すこと4、5回。試行錯誤を繰り返した結果、本作ではパーティの数が多い方が有利なことが判明しました。例えば、冒険者が8人いる場合、4人のパーティを2つ作るよりも、2人のパーティを4つ作った方が戦いやすいってことです。というのも、モンスターの攻撃が激しくなってくると、すべての施設が同時に襲撃されることもあるのですよ。そんな状況でパーティの数が少ないと、手が回らなくなってしまうこともあるわけで……。ですから、操作に慣れないうちは防衛施設と同じ数だけパーティを編成するようにするといいでしょう。……というか、ゲームの序盤で何度もやり直すほど苦戦するとは思いませんでしたよ。

 そんなわけで、質より量でパーティを編成してみたら(もちろん、最低限すべてのパーティに戦闘系のユニットを配置してありますが)、今までの苦労がウソのようにサクサク進めるようになりました。やはり動かせるパーティ数が多いと、傷ついたユニットを回復させたり、戦うモンスターに合わせてパーティを選択する余裕が出てくるので、タクティカルな戦闘が楽しめるようになります。

▲ゲーム内でもっとも重要といえるパーティ編成。魔法攻撃が得意なモンスターが多く登場する時には、魔法耐性を表す“精神力”が高いユニットをそろえるなど、敵に合わせた編成も大切です。

■意外と諸刃の剣なダム攻撃

 そして、いよいよチュートリアルも終盤。ついに、モンスターと戦う上で重要な要素、ダムによる“放水”の説明です。本作では、なんと街にあるダムの水をダンジョン内に流し込むことによって、モンスターを一網打尽にできるものすごい攻撃手段があります! しかし、こんな強力な攻撃が無制限に使えるわけではありません。ダムの貯水量が少ないと、当然“放水”は使えませんのでご用心。

 それと、“放水”する際に一番気にしなくてはならないのが、ダンジョン内にモンスター掃討に送り込んだパーティの位置です。考えてみれば当たり前ですが、水流は敵味方を区別してくれません。パーティが水流の進路上にいると、一緒に巻き込まれてしまいます。さらに、放水のコマンドを選択してから、実際に水流が到着するまでには時間差があるので、各パーティの進路を考えないと大惨事につながります。他人事のように書いている村田(仮)のパーティも、しょっちゅう“放水”に巻き込まれていますよ。……“放水”はダンジョンを攻める時にも、街の防衛が苦しくなった時にも使える強力な攻撃なのですが、ゲームに慣れないうちは、ダンジョン内に味方がいる時には使わない方がいいかもしれませんね。それか大胆に使いまくるか(笑)。

▲本作最大の特徴である、最強の攻撃手段“放水”。敵をまとめて流せるのですが、うまく使わないと味方まで巻き込まれてしまいますよ。

■プレイヤー次第で難易度が変化

 さて、ちょっと個人的な視点になりますが、本作で村田(仮)的におもしろかったのが難易度の要素です。ゲームの設定として“難易度”という項目があるわけではないのですが、さまざまな要因によって難易度が変化します。中でも大きいのが、プレイスタイルと街の状況の2つです。

 まずプレイスタイル。防衛に重点を置いて、余った戦力をダンジョン探索に回すようにすれば、ゲームオーバーになるリスクがグンと下がるので、時間はかかりますが普段S・RPGをプレイしない人でもクリアできるでしょう。逆に、街の防衛は最低限に抑え、主戦力をダンジョンに回せば、モンスターの拠点を叩くことでゲームの進行は早くなりますが、いつ守りの手薄な街が壊滅させられるかわからない緊張感のあるプレイが楽しめます。もちろん、どちらか片方を選ぶ必要はなく、強いモンスターが登場するダンジョンに挑戦する時には街の防衛をメインにし、ある程度慣れてきたら徐々に戦力をダンジョンに集中させていく、というスタイルもアリですよ。というか、村田(仮)のプレイスタイルがそれなんですがね。

 ゲームの難易度を決定するもう1つの要素、それは街の状況です。本作のゲームオーバーの条件は全施設の破壊なのですが、これは逆に言えば、施設が1つでも残っている限りゲームは続けられるということです。ここで重要なのが、守るべき施設の数。施設が破壊されるほどゲームオーバーが近づいてくるわけですが、見方を変えれば守るべきターゲットが減るので、プレイヤー的に防衛しやすくなるという一面もあります。モンスターが急に強くなったとしても、戦い方次第でいくらでもしのげるという難易度設定は秀逸と言えるのではないでしょうか。……とは言っても、最初の村田(仮)のように考えなしに施設を破壊されてしまっては、ジリ貧になるだけなんですが。

▲戦力が整っていない時には、あまり利用しない施設の防衛をあえて放棄するという選択もアリ。結果的に、他の施設の防衛が楽になりますしね。

▲ゲーム中では、倒したモンスターの数や行方不明になった冒険者の人数といったプレイ中の記録が確認可能。施設が破壊された回数も記録されるので、こういった記録が気になる人は頑張ってすべての施設を守りきってください。

■S・RPGファンにはオススメですよ!

 かわいいキャラクターとは裏腹に(?)、中身は丁寧に作り込まれて、硬派で戦略的なバトルが楽しめる本作。パーティ編成の最適化や戦闘中のパーティ運用、“放水”の使い方など多彩な戦略要素がそろっているので、S・RPGが好きなユーザーにはかなりオススメです。

 とは言っても、先ほども書いた通りプレイスタイルによって難易度が変わるので、「キャラクターのイラストが気に入ったから」といった理由でプレイし始めても、十分楽しめると思います。というか、ダムで攻撃なんて普通思いつかないシステムをやってのけたアクワイアさんが大好きです。久しぶりに村田(仮)的おもしろシステムな作品がプレイできて、かなり満足でしたよ!(ヘンテコシステム大好き村田(仮))

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データ

▼『ダン←ダム』
■メーカー:アクワイア
■対応機種:DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年4月29日
■価格:5,040円(税込)
 
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