2009年5月1日(金)
5月28日に日本一ソフトウェアより発売されるDS用RPG『ウィッチテイル 見習い魔女と7人の姫(以下、ウィッチテイル)』。電撃オンラインでは、本作を開発したヒットメーカーの代表取締役でプロデューサーも務める北條元彦さんと、キャラクターデザインを担当したタニエルさんにお話を伺ってきた。
本作は、おとぎ話をモチーフにしたファンタジーRPG。かつて世界を恐怖に陥れた“古書の魔女”の封印を解いてしまった見習い魔女のリデルが、“古書の魔女”を再び封印するため、吸血鬼のルウとともに7つの国をめぐる物語だ。プレイヤーはリデルを操作し、訪問先の王国でお姫様と出会ったり敵と戦ったりしながら、冒険を進めていくことになる。
電撃オンラインでは、北條さんとタニエルさんにインタビューを敢行。注目してほしいポイントや制作時の苦労、さらにRPGファンなら聞き逃せない新情報についても伺ってきた! 本作の購入を検討している人はぜひチェックしてほしい。(インタビュー中は敬称略)
■もともとはコミックの企画だった!?
──まず、本作の制作に至った経緯を伺えますか?
北條:『ウィッチテイル』はもともと、タニエルが個人的にコミックとして用意していたものでした。その設定を見ているうちに「これ、ゲームにした方がおもしろいんじゃない?」という話になり、ゲームとして制作することになりました。
──ということは、キャラクターや世界観は、コミック用のものをそのまま使っているのですか?
タニエル:キャラクターはゲーム用にある程度増やしているのですが、リデルやルウといったメインキャラクターは最初からいました。“偉い魔法使いになりたいリデルが、魔法を探しにいく”という基本的な部分も変わっていません。ただ、コミックの段階ではリデルの目的は世界征服だったんですけどね(笑)。
──世界を救うことが目的となった今回のゲームとは真逆の目的ですね(笑)。では、世界観についてはどうだったのでしょうか?
タニエル:ハロウィンをイメージした世界観というのはコミックから変わっていませんが、“童話をモチーフにする”というのは、ゲームとしての企画が動き出してから盛り込んだ案ですね。ゲームの目的として、お姫様を助ける話にしようということになって、“童話”という要素が追加されたという感じです。
──ちなみに、もともとはコミックだったということで、今後コミック化という可能性もあるのでしょうか?
タニエル:残念ながら、今はまだ何とも。
北條:こういうノリのストーリーやキャラクターはコミックとの相性もいいと思うので、機会があればやりたいとは思っているんですけどね。ゲームの売り上げ次第でしょう(笑)。
──なるほど(笑)。ファンの皆さんの応援次第ということですね。
■操作の原点は、“おはじき”にあった!
▲戦闘中の行動は、物理攻撃や魔法を表すアイコンを選択し、敵にドラッグすることで行う。 |
──次に、ゲーム内容についてお聞きします。戦闘中のコマンドをアイコンでグラフィカルに表現した“リボルバーアイコンシステム”は、どの段階で思いついたのでしょうか?
タニエル:まず、“戦闘中のコマンドをアイコンで表示する”という画面デザインが、企画の初期段階から構想としてありました。その上で、このデザインを生かした直感的に遊べるシステムは何だろうと考えた時に、このシステムを思いつきました。
北條:操作感は、おはじきの感覚を目指したんですよ。それは、“リボルバーアイコンシステム”だけでなく、必殺技にあたる“古大魔法”での魔方陣入力も同じで、指で入力した場合の挙動やレスポンスを追求してあります。おはじきをじかに触った感覚で楽しめるようにしたかったので、かなり吟味しました。
タニエル:あと、“小学生くらいの女の子にもプレイしてもらいたい”というのもありましたね。通常の文字によるコマンド選択方式は、RPGに慣れている人にはわかりやすいと思うのですが、この手のゲームを初めてプレイする人にとっては、目で見てなんとなく操作方法がわかる“リボルバーアイコンシステム”の方が伝わりやすいんじゃないかと思います。あっ、ちなみに“小学生くらいの女の子にもプレイできるようにする”というコンセプトは当初から考えていたので、ストーリーに複雑な展開を入れないよう、ゲームのあちこちで工夫してありますよ。
──なるほど。確かに見ただけで何をしたらいいのかわかるというのは、ゲーム初心者にとって非常にありがたいですよね。さて、本作のもう1つの特徴として“トゥス・ドール”という仲間の人形があると思うのですが、あえてパーティメンバーを人形にした理由を教えてください。
タニエル:“古書の魔女”が復活してしまった原因がリデルにあるということで、彼女には自分1人の力で解決する責任があるだろうと思いました。なので、人間の仲間というのはあまり考えていませんでした。人間の仲間がいると、どうしても“みんなで力を合わせて頑張る”という印象が出てしまい、リデル個人の責任が薄れてしまうので。ですから、旅のおとものルウも戦闘には参加していません。
北條:ただ、ゲーム的に仲間がいた方がおもしろくなると思い、キャラクター性の薄い存在、リデルの魔法で動かせる仲間ということで“トゥス・ドール”を登場させました。どの人形もかわいかったりするので、これらにも注目してほしいですね。
いよいよ次のページでは、ゲームファンなら絶対に気になるやり込み要素や2周目についてのお話を掲載する。
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