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2009年6月19日(金)

ゲームランナー押野の勝手にDLCランキング! 第1位『ダイナブラザーズ2SP』

文:電撃オンライン

 年間50本以上ゲームを購入するヘビーゲーマー“オッシー押野”改め“ゲームランナー押野”が、数あるダウンロードコンテンツ(DLC)をプレイし、厳選した3タイトルをランキング形式でお届けするこのコーナー。第3位はXbox 360用ソフト『Puzzle Quest: Challenge of the Warlords』、第2位は『PixelJunk モンスターズ』でした。そして、栄えある1位は……Wii用ソフト『ダイナブラザーズ2スペシャル』! このソフトを、心を込めて語っていきます!!

『ダイナブラザーズ2スペシャル』

■かわいいのにシビアな弱肉強食シミュレーションの決定版!

 堂々の第1位は、メガドライブで1993年(スペシャルは1995年)に発売されたセガの名作リアルタイムSLG『ダイナブラザーズ2スペシャル』です。デフォルメされたかわいらしい恐竜たちを育てて、宇宙の侵略者から地球を守る、という説明だけだとハートウォーミングなゲームに思えますが、実際は弱肉強食を実感できる脅威のサバイバルシミュレーションです。

『ダイナブラザーズ2スペシャル』

■ゲームの基本は草食獣“ステゴ”! 育ててよし、食べてよし!?

 まずは、ゲームの流れを簡単に説明します。ステージが始まると、最初に草食獣を繁殖させます。雨を降らし草原を作り、それを食べさせて草食獣を育てて卵を産ませていきます。草食獣は自軍のポイント(このポイントを使って新たな恐竜の卵を生み出したり、天災を起こしたりします)を増やしてくれるので、必須要素となります。ある程度ポイントが溜まってきたら、“ティラノ”や“プテラ”などの肉食獣を生み出して、敵陣に攻め入り侵略者を全滅させれば勝利です。

 ちなみに、草食獣も肉食獣も、エサがあれば勝手に繁殖していきます。草食獣の“ステゴ”などは繁殖力が高いので、どんどん領地となる草原を広げていかないと人口(獣口?)過多で次々と餓死してしまいます。一方、肉食獣はその名の通り、他の恐竜の肉を食べて命をつなぎます。敵を倒してその屍骸(しがい)を食べるのがメインとなるのですが、敵もさるもの、当然食べられまいと反撃してきますし、そもそも敵陣まで辿り付く前にも肉食獣たちのお腹が空いてしまいます。そこで登場するのが、各地で繁殖しまくる自軍の草食獣……そう、かわいい、かわいい“ステゴ”です。肉食獣は、のんびり草をはんでいる“ステゴ”を食い散らかして腹を満たし、敵陣に乗り込んでいくのです!(“味方を食え!”という指示を出すのはプレイヤー自身ですが) ここに、勝利のためなら多少の犠牲はいとわないという冷酷な戦略性が浮かび上がってきます。プレイヤーは自軍を勝利に導くため、草食獣を補給物資として設置し、肉食獣の進路を確保していくのです。

『ダイナブラザーズ2スペシャル』 『ダイナブラザーズ2スペシャル』

■みんなの力(肉)を分けてくれ! “スーパーティラノ”で蹂躙する爽快感

 ステージが後半になってくると、草食獣は繁殖し尽くし各地で餓死した屍をさらし、自軍と敵軍の肉食獣が入り乱れる世紀末的な様相を呈してきます。敵も次々と領土を広げてきますので、こう着状態に陥ることも多々あります。そこで登場するのが“スーパー状態”になった強力な恐竜です。主に肉食獣は、自分がダメージを負わずに連続して捕食することで“スーパー状態”に移行します。体が光り輝き、強じんな体力と破滅的な攻撃力を手に入れるのです。最強の肉食獣である“ティラノ”が“スーパーティラノ”になれば、まさに敵なし! 圧倒的な力で敵軍を蹴散らしてくれます。しかし、自分がダメージを負わずにたくさんの肉を食べるのは指南の業。後半になると敵も大量の肉食獣を投入してきますので、それの対処で力を使い果たしてしまうからです。……賢い読者の皆さんはもうおわかりですね? そう、自軍のお庭にはたらふく草を食べて丸々と太った“ステゴ”がのんびりとかっ歩しているではありませんか。もう、ステージも終盤です。過剰なポイントは必要ありません。たくさん稼いでくれた草食獣ですが、最後の花道は“ティラノ”の胃袋の中です! 阿鼻叫喚の地獄絵図の後、自軍の“ステゴ”を喰らい、そして光り輝く“スーパーティラノ”の群れが敵陣を蹂躙(じゅうりん)する様を眺めるのは最高の愉悦……。その爽快感たるや、昨今のゲームにも決して引けを取るものではありません。むしろ、それ以上かも。

『ダイナブラザーズ2スペシャル』 『ダイナブラザーズ2スペシャル』

■よい子は自然の厳しさを、大人は社会の世知辛さを学べるよ!

 というように、弱肉強食な自然の厳しさをまざまざと見せ付けてくれる本作ですが、恐竜たちの動きはかわいいですし、多様な恐竜の配置や天災コマンドの使いどころなど、かなり高度な戦略性も兼ね備えていますので、率直にゲームとしてのクオリティは随一といえます。頑張れば上記のような血生臭い展開も避けられる……かもしれませんし。また別の側面として、弱肉強食の自然界の厳しさを学んだり、どんなに有用な人材でも局面が変われば使い捨てられるという社会の世知辛さを学んだりもできるゲームと捉えることも可能です(笑)。こんな名作で遊べるのも、バーチャルコンソールならではですね。ダウンロード数が増えれば、セガが『ダイナブラザーズ』の新作を考えてくれるかもしれませんので、ぜひダウンロードして、この名作を堪能してください!

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データ

▼『ダイナブラザーズ2スペシャル』
■メーカー:セガ
■対応機種:Wii(ダウンロード専用)
■ジャンル:SLG
■価格:700Wiiポイント

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