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2009年8月26日(水)

【ハンビット・コラム第2回】オンラインゲームとお金のムズカシイお話

『オンラインゲームとお金のムズカシイお話』

 お久しぶりです。縁あって前回より電撃Online Gamesでコラムを書かせていただいている、オンラインゲーム運営会社・ハンビットユビキタスエンターテインメントの“GE中尾plus”です。

 第1回の“【第1回】コンシューマーとオンライン、RPGって何が違うの?”に引き続き、2回目となる今回は“課金方法から見るオンラインゲームのビジネスモデル”について、個人的な見解をお話をします。

 現在、オンラインゲームでもっとも多い課金方法は、“基本プレイ料金無料+アイテム課金”と“定額課金”だと思います。この両方について、プロデューサーという立場から現場の観点をお伝えできればと思っております

■“基本プレイ料金無料+アイテム課金”の特徴は?

 まず、“基本プレイ料金無料+アイテム課金”について。この方法では有料アイテムを購入しない限りは無料ですので、お試し的な感覚で気軽にプレイが可能です。そのため、最初にゲームを始める際の敷居が低くなり、新規ユーザーが集まりやすいのと、一度ゲームから離れたユーザーも戻ってきやすい傾向があるのが特徴ですね。

 ビジネス的には、アイテムを含めたサービスをいかに購入していただけるかが重要になります。ですので、プレイヤーの皆様に喜ばれるサービスを真剣に考えている運営会社が多いと思います。

 また、ゲーム自体を開発している会社が海外の場合は“基本プレイ料金無料+アイテム課金”の方が露骨に結果が出るので、運営側としてはユーザーが求めているニーズ(コンテンツ)を開発会社に対して主張しやすくなるのも特徴の1つですね。やはりゲームとはいえビジネスなので、きちんとお金が絡んでいる方が、ゲーム開発会社もコンテンツを作ってくれやすいのは事実です。

 反面、ゲームでは普通は時間を消費してアイテムを手に入れるだけですが、そこに“金銭の消費でアイテムを手に入れる”という価値観が追加されるので、さまざまな観点からゲームのバランス調整が困難になるのも特徴ですね。

■じゃあ、“定額課金”はどうなの?

 次に、“定額課金”についてお話をします。基本的にプレイ料金が有料ということで、開発や運営側は安定した収支が望めるため、クオリティの高いゲームが多いと思います。

 その反面、利用規約違反者への対策が後手に回る傾向があります。理由は、“定額課金”はゲームをプレイするという行為自体に課金を求めているので、プレイ権利の剥奪というのは非常に重く、またそれによって発生するユーザー数の減少は売り上げに直結します。

 私は現在、“基本プレイ料金無料+アイテム課金”のゲームをプロデュースしています。ただ、すべてのオンラインゲームに共通しますが、“基本プレイ料金無料+アイテム課金”のビジネスモデルも、そろそろ古いサービス形態になると思っています。

 今は、これだ! と明確に考えがまとまっていないですが、“ユーザーの皆様のライフスタイルに合った新しいサービスの提供”がキーワードになるのではないでしょうか。

 それでは、また次回お会いしましょう!(GE中尾plus)

(C)株式会社 ハンビットユビキタスエンターテインメント


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