2009年9月7日(月)
9月5日、東京の赤坂ACTシアターで『宝塚歌劇 宙組公演 バウ・ロマン 逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-(以下、逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-)』のゲネプロ公演が行われた。
『逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-』は、カプコンの『逆転裁判』シリーズと宝塚歌劇 宙組がタッグを組んで送る舞台。2009年2月には『宝塚歌劇 宙組公演 バウ・ロマン『逆転裁判』-蘇る真実-』が行われ、今回はその第2弾に当たる。どちらの公演のチケットも即日完売となるほどの人気だ。
今回、ゲネプロ公演の模様を取材することができた。残念ながらチケットが手に入らなかった人や、宝塚歌劇による『逆転裁判』に興味がある人はぜひご覧いただきたい。
舞台は2部構成となっている。第1部は、恋人の無実を証明した“フェニックス・ライト(邦名、成歩堂龍一)”が、彼女の帰りを待つべく故郷・カリフォルニアに戻ってきたところからスタート。事務所に若い女性が訪ねてきて、事件の容疑をかけられた母親を弁護してほしいと依頼をしてくる。果たして、彼女の母親にかかっている容疑を晴らすことができるか? |
劇中には、『逆転裁判』シリーズに登場する人気キャラクターが数多く出演。“マイルズ・エッジワース(御剣怜侍)”以外にも、今回の舞台では“フランジスカ・ヴォン・カルマ(狩魔冥)”の姿も。「狩魔はカンペキをもってよしとする」というおなじみの名台詞を、鞭をふるいながら披露していた。 |
他にもマヤ・フェイ(綾里真宵)やディック・ガムシュー(糸鋸圭介)、ロッタ・ハート(大沢木ナツミ)といった前公演にも出演していたキャラクターたちも登場。どのキャラも、ゲームの雰囲気を生かしつつ宝塚テイストの演出が加わっており、「知っているがどこか新しい」という感覚を味わえた。 |
休憩を挟んでから、第2部がスタート。このパートでは、「第1部の真犯人の無罪を証明しろ」という依頼に、フェニックス・ライトが苦悩する様子が描かれた。はたして彼は、依頼通りに無罪を主張するのか? それとも真実を告げ、有罪を宣告されるのか? これがフェニックス・ライト、最後の裁判になる!? |
演技、演出、そしてストーリーが一体となり、すばらしい舞台が展開した『逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-』。ゲネプロということで、座席には関係者しかいなかったにもかかわらず、終了時には惜しみない拍手が送られた。 |
記者の個人的な感想になるが、「予想以上におもしろかった」というのが正直なところ。原作ソフトを知らない宝塚ファンでも楽しめるクオリティなのはもちろんのことながら、土台となるシナリオやキャラが宝塚にマッチしているのが、非常に爽快だった。また演出的にも、フェニックス・ライトの心の声が流れたり、ゲームの映像がスクリーンに映し出されたりと、普段の舞台ではあまり見られない手法の演出もすばらしかった『逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-』。公演中にもかかわらずこんなことを話すのは気が早すぎるかもしれないが、ぜひ宝塚歌劇 宙組が演じる『逆転裁判3』を見てみたい。そう心から思えるほど、すばらしい舞台だった。
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