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2009年9月16日(水)

おもしろいことも嫌なこともゲームに――名越さんがラジオで『龍が如く』を語る

文:電撃オンライン

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』

 本日9月16日、TOKYO FMのラジオ番組『WONDERFUL WORLD(ワンダフルワールド)』にセガの名越稔洋さんが出演した。電撃オンラインは、その収録が行われた渋谷スペイン坂スタジオにお邪魔した。

 最新作のPS3『龍が如く4 伝説を継ぐもの(以下、龍が如く4)』が注目を集める、人気A・AVG『龍が如く』シリーズの総合監督として、名越稔洋さんを知っている方も多いはず。番組内でも『龍が如く』1作目の開発経緯などの開発秘話から、10月に表参道のスパイラルホールで開催される“劇的3時間SHOW”の出演に関することまで、さまざまな話が飛び出した。収録後に伺った話も交えてお伝えする。

■あくまで日本人として作るゲーム『龍が如く』

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』

 名越さんが『龍が如く』の企画を立ち上げたのは5年以上前になるそう。当時業界に入って15年ほどを数えていた名越さんは、ゲームのマンネリ化を感じていたと言い、そこに本作を作るモチベーションの端があったようだ。そんな中で、名越さんが作りたいと思ったのは“日本が舞台の現代劇”。“ワールドワイドや老若男女にウケる作品”がビジネス的には求められるものの、名越さんはあえて大人の男性にターゲットを絞り、そのぶん濃い作品を作ることにしたという。その結果については、シリーズの全世界累計販売数320万本以上という数が示しているだろう。

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』
▲『龍が如く4』に話がおよぶと、名越さんは「『龍が如く』シリーズがここまで育ってきた中で、(これまで引き出し中で温めていたものを表現した)一番見せたい作品になっている」と話した。

 現代のゲーム作りにおいて、制作規模の大きなゲームは、ワールワイドの展開を避けて通れないと話す名越さん。名越さん自身も欧米人の嗜好(しこう)を考えはするものの、「日本人が外国人のようにふるまって作るのはムリだと思った」と考えを明かす。その名越さんが重視するのは「あくまで日本人としてゲームを作る」ことだという。日本の“わびさび”や、それを採り入れた作品はすでに海外に評価されているが、それ以外のダイナミックな部分でも日本のよさを出せるのではないかと話していた。

 また、“劇的3時間SHOW”の出演については、依頼を受けたことについて意外な思いはあったそうだが、やれることはすべてやりたいと出演を快諾したそう。名越さんは、エンターテイメントのビジネスの中で、ゲームの果たす役割は大きくなっているとして、いいことも、つらいこともすべてひっくるめた上で、ゲーム作りについて話をしたいと後のインタビューでも話していた。

 番組内では、ゲームが好きである時点で作る資格はあるが、すべてを投げ打ってでも作る覚悟がなければクリエイターにはなれないだろう、という考えも口にしていた。劇的3時間SHOWでも“きれいごとだけではない”トークを期待できそうだ。なお、劇的3時間SHOWの観覧は無料だが、参加するには事前の応募が必要となるので、詳しくは劇的3時間SHOW公式サイトを参照してほしい。

 最後に「自分にとってゲームとは?」という質問を受けた名越さんは「すべてですね」と短く即答。おもしろいことがあっても、嫌なことがあっても、すべて「ゲームにならないか?」と考えてしまうそうだ。

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』
▲ゲーム作りへの熱い思いを口にして、番組収録を終えた名越さん。

■TGS2009公開のトレーラーではファンの知らない真島の姿が!

 また収録後、『龍が如く4』についてさらに話を聞くことができたので、その部分についてもお伝えする。

 普段からユーザーのいろいろな声をチェックしていると語る名越さんだが、『龍が如く4』は特にリクエストを多く採り入れた作品になっているとのこと。ゲームの柱となるドラマ部分についても、これまで以上のボリュームになると話している。またドラマだけにとどまらず、シリーズを通して評判が高いサブシナリオの遊びの数についても、十分なボリュームがあるそうだ。

 またキャバクラ嬢やエピソードを公募したことについては、スケールが小さくてもリアルな話がたくさん聞けたことが非常にプラスであったと喜んでいた。これまでは架空のキャバクラ嬢であれば、制作者が人物像を一から作り上げていたが、今回はすべて現実に生きるリアルな人間がモデル。キャバクラ嬢役に合格した女性たちにインタビューを行い、その人物像からシナリオを起こしているという。おそらく『龍が如く4』では、これまで以上にキャバ嬢との会話を楽しめることだろう。

 開催を来週末に控えた東京ゲームショウ2009では、今年もシアタースペースを設置して出展するとのこと。そこで公開されるトレーラーについても、名越さんは「今も買いたくてウズウズしているファンの方を、さらにウズウズさせる内容」と話していて、真島吾朗の今まで見たことのないような面も見られるという。東京ゲームショウ2009へ足を運ぶ予定の人は『龍が如く4』に注目だ。

(C)SEGA

データ

▼『龍が如く4 伝説を継ぐもの』
■メーカー:セガ
■対応機種:PS3
■ジャンル:A・AVG
■発売日:未定
■価格:未定
 
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