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2009年9月26日(土)

Ankama、フランス生まれのカジュアルPC用MMORPG『Dofus』を展示

文:電撃オンライン

 東京ゲームショウ初出展となるAnkama Japanは、フランス産MMORPG『Dofus』を展示。“ヨーロッパNo.1オンラインゲーム”と銘打ち、試遊台もかなりの数を用意している気合いの入ったブースだった。

 フランスでは2004年にオープンベータテストを開始し、現在はドイツ、スペイン、イタリア、イギリス、ポルトガル、オランダなどでもサービスを展開している。登録会員数は約2,000万人。料金は月額課金で5ユーロ(約600~700円)と、MMORPGにしては安価なほうだ。日本法人を3月に設立したばかりで、国内でのサービス展開を狙っているという『Dofus』とはどんなゲームなのか、詳しい話を聞いてきた。

 “Dofus(ドフス)”とは卵を意味する単語で、この世界で失われた6つの竜の卵、ドフスを求めて冒険に出るという舞台設定になっている。西洋ファンタジーをベースにした独特の世界観を持っており、プレイヤーキャラクターも獣人タイプや、ヒューマンというよりは亜人種に近い外見が多いようだ。また外見は12のクラスごとに固定されており、カスタマイズできるのは肌や髪の色ぐらいだ。

『Dofus』 『Dofus』
『Dofus』 『Dofus』
▲召喚能力を持つオサモダス、戦士なのにギャンブラーのエカフリップ、貪欲なハンターのエヌトロフ、弓扱いに長けたクラなどオリジナリティが感じられるクラス。

 操作は基本的にマウスだけで行え、インタフェイスは既存のMMORPGを踏襲している。戦闘はシンボルエンカウントのターン制を採用。戦闘開始時には対象モンスターの周囲にいくつか移動可能な青いポイントが表示され、どの立ち位置から戦い始めるかを決められる。戦闘中もMP(ムーブメントポイント)を使って移動しながら攻撃し、戦いを有利に導くといった戦術センスも要求される。また、呪文(スキル)を使うためには決められたAP(アクションポイント)が必要で、APは一定時間ごとに回復。各呪文の有効範囲は緑色のマス目で表示される。キャラクターの成長はレベル制度だが、スキルは使えばつかうほど熟練度が上がるスキル制度となっている。

 その他大きな特徴として、1アカウントにつき5キャラクタースロットがあるのだが、複数のキャラクターを同時に操作できるとのこと。実際の操作画面を見ることはできなかったが、HUEが運営する『グラナド・エスパダ プラス』のMCCシステムに近いものと思われる。

『Dofus』
▲インタフェイスはちょっと独特だが、複雑ではなく直感でプレイ可能だ。歩行速度は遅いが、画面端をクリックするとすごい勢いでキャラクターが走り出して次のマップへ移動する。
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▲画面下部、真ん中にあるキャラクターの顔アイコンに戦闘スタートボタンが配置されている。青く表示されたマス目を1つ選んでスタートポジションを決定、戦闘中も随時移動しながら攻撃できる。

 現在のバージョンではスフォキア市とボンタ市という2つの街があり、プレイヤーはどちらか一方の町に所属し、勢力拡大のために戦うGvGやRvR機能も用意されている。勝利した側の市民にはスペシャルアイテムが手に入るチャンスなどもあるようだ。今後は3カ月おきのアップデート、漫画やアニメーションとのメディアメックス戦術に積極的に挑戦していきたいとのことであった。

 実際に試遊台でプレイしてみたが、すでに正式サービスが始まり安定したタイトルだけに、キャラメイキングからチュートリアルまでの自然な流れ、奥が深いが複雑すぎない戦闘システムを備えており、完成度は大変高かった。台湾/韓国産のMMORPGに比べると、グラフィックスはいわゆる日本人受けを狙ったものではないが、それなりにカワイイし、アバター要素も多少ある。コンテンツやレベリングなどのゲームバランスさえしっかりしていれば、日本市場での成功もあり得るだろう。

 現在ローカライズは90%が完了しており、日本での2010年第1四半期のベータテストを目指して、現在日本法人が直接運営を行うか、パブリッシャーと組むかを検討中とのこと。プレイ料金は月額800円前後を予定している。

『Dofus』
▲Ankama Japan国際マーケティングアシスタントのジュリアン・ビュエシュレルさん。マーケティング担当なのに、フランスにおけるオンラインゲーム市場については全く知らないという、ちょっと不思議な人でした。

 ちなみに、ヨーロッパNo.1オンラインゲームという宣伝文句について「何がNo.1」なのか国際マーケティングアシスタントのジュリアン・ビュエシュレルさんに尋ねてみたところ、全世界での登録会員数との答え。さらに『World of Warcraft(WoW)』よりも会員数が多いのか突っ込んでみると、「フランスでは『WoW』を抜いて『Dofus』が一番多い……フランス語圏では一番……」とだんだん回答が曖昧に。

 ジュリアンさんはフレンチアクセントのある日本語を流暢に話す青年なのだが、肝心の日本市場におけるマーケティングプランや、目標会員数などビジネス周りについて尋ねると「春に入社したばかりなのでわかりません。この会社に入社する前は働いていませんでした」、「獲得会員数はAs much as possible(できる限りたくさん)ネ!」と、実にフランス人らしい(?)牧歌的な答えがかえってくるばかり。順調に日本での正式サービス開始が決まれば、ジュリアンさんと再会するチャンスもたぶんあるので、その時はもう少し詳しい話を聞きだしたいものだ。

『Dofus』 『Dofus』 『Dofus』
■東京ゲームショウ2009 開催概要
【開催期間】2009年9月24日~27日(ビジネスデイ:24~25日、一般公開:26~27日)
【開催時間】各日10:00~17:00(一般公開日は開場時間が前倒しになる可能性がある)
【会場】幕張メッセ(千葉県)
【入場料】前売1,000円/当日1,200円、小学生以下は無料
【主催】社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)