2009年10月21日（水）

森ガール＆草食系男子のための癒し系ゲーム『トリネシア』

■二羽の愛の巣箱をもっとオシャレに飾りましょう


▲巣箱はどんな遠くにトリを放置してログアウトしても、必ず帰ってくるスゥイートホーム。つまんで好きなところに持ち運べます。

　さて、トリネシアを散歩していると、地面に様々なモノが落ちているのに気づくはず。ある場所にはイチゴやブルーベリー、またある場所には骨付き肉や岩が転がっており、それらを周囲のトリが巣箱まで持ち帰る姿をよく見かける。実は『TORINESIA』のもう一つの魅力が、特定の素材を一定数拾って集めることで、帽子や洋服、テーブルやパラソルなどバリエーション豊かなアイテムを作り出せる生産システムになのだ。作ったアイテムは洋服ならばトリが着用でき、家具類は巣箱周辺を飾りつけられる。アイテムの拾い方は、トリを選択した状態でアイテムにカーソルを合わせ、赤い▼が出たらそのまま押し続けるだけ。トリが飛んできて両足でわしづかみにしてくれる。

　しかしマフラーなどの小さな洋服はともかく、テーブルやたんすなど大きな家具を作るには、それなりの量の素材を集めねばならない。例えば“しましまテーブルクロス黄”の工作には、オウルベアの骨肉700g、綿花700g、蜜イチゴ600gが必要だ。『TORINESIA』では同じ素材でも大きさによって重量が違い、特に綿花などは小さなものを拾うと1個がたった1gなんてことも……。700gもトリを操作して拾わせるのは気が遠くなりそうだが、実はその必要はない。『TORINESIA』最大の特徴は、プレイヤーが直接トリを操作しなくても、さらにログアウトした状態でも、トリは巣箱を中心に落ちているアイテムを勝手に拾って巣箱に溜め込んでくれる、というシステムなのだ！

　St.Cook ParkとSand Storm Parkは落ちている素材がまったく違うので、欲しいと思う素材があるエリアを探し出し、その周辺に巣箱を移動させればよい（巣箱はアイテム同様につかんで移動できる）。会社や学校に行っている間、お風呂やご飯を食べている間にも、トリはせっせと素材を巣箱に運んでくれている働き者。他のことをしながらふっと画面に目をやると、トリがちょうど何かを運んでいる場面を見ることもある。プレイヤーは「今度はどんなオシャレをさせようかしらん♪」と、ときどきアイテムが詰まった巣箱をクリックするだけでいいのだ。ああラクチン。

　なお『TORINESIA』の公式サイトでは、マップのどこに何が落ちているといった情報は一切公開されていない。作りたい洋服、家具があるのに必要な素材の一部が見つからないと思ったら、おしゃべりしているトリに近寄って聞いてみよう。それをきっかけにトリ友達ができるかもしれない。オンラインゲームに不慣れで、知らないトリに話しかけるのは恥ずかしいという人でも大丈夫。画面右下の▲を押すと、チャットウインドウやエモーションアイコン、地図ボタンなどが表示される。エモーションはボタン一つでトリが笑う、泣く、挨拶といった仕草を見せるので、まずは挨拶エモーションでお近づきになろう。


▲どんなに大きな素材でも、ちょいとつまんで巣箱にポイ！		▲巣箱をクリックすると、今どの素材がどれだけ溜まっているか確認できる。


▲洋服は男女兼用なのでオシャレをいろいろ楽しめる。家具作りは結構大変だ。		▲家族みんなに持ってる洋服を全部着せてみた。色のセンスのひどさに我ながら涙目。

■新しい命の誕生といつかはやってくる悲しい別れのとき


▲筆者のトリにも第一子が生まれました！　ときどきふらついて地面にコケる仕草がとんでもなくキュートです。

　ゲーム開始時につがいで誕生するトリたちはいつの間にか卵を生み、次世代トリが育っていく。時間が合えば新たなトリ誕生の瞬間にも立ち会える。子トリの色や模様は、親そっくりになることもあれば、微妙に違う新しいカラーバリエーションが生まれることもあるようだ。卵が生まれるとオス／メスどちらかが大事そうに抱え込み、ときどき愛おしそうになでるモーションが。筆者の子トリ一羽目は知らない間に生まれていたのだが、現在2個目の卵を温め中。次こそは感動の子トリ誕生を目にしたい。

　現在『TORINESIA』にいる親トリはすべて第1世代のトリになるわけだが、悲しいことにこの先、年老いたトリはなんと死んでしまうのだ……。第2世代に受け継がれたトリがまた卵を生み、育て、子トリが生まれと世代交代を繰り返す頃には、『TORINESIA』もきっと大きく進化していることだろう。公式サイトには「そしてこの世界には何か大きな秘密がある様です。でもその事にトリ達が気づくのはまだもう少し先の話・・・」と書かれている。いつの日かその秘密が分かるまで、あなたのトリをそっと見守り続けてほしい。


▲トリの家系図はまだ未実装。これから自分のトリ一族がどう進化していくのか楽しみだ。

　『TORINESIA』は現在ベータ版ということで、日々新しい機能が追加されているまだまだ発展途上のブラウザゲームだ。ゲーム性よりもプレイヤー同士のコミュニケーション、自宅の周りを飾り付けるアイテム収集などの力をいれたスタイルは、ジークレストの『バルビレッジ』やソネットエンタテインメント『Livly Island』が競合タイトルになるはずだが、自分の作ったトリがやがて死に、世代交代を繰り返すというシステムはお手軽、簡単、気楽がキーワードのブラウザゲームとしては珍しい試みだ。また、プレイヤーが自ら操作しなくても自由自在に空を飛び回り、アイテムを収集しては巣箱まで戻るシステムは、ゲームに時間を割けない社会人にも遊びやすく、まさに老若男女に受け入れられそうなタイトルだ。『TORINESIA』の秘密とやらが実装されるのはかなり先のことになりそうだが、今後の機能拡張が楽しみだ。

　あ、そうだ、今夜の晩御飯はヤキトリにしよう。（麻生ちはや）

▼『TORINESIA』: ■発売元：アーティファクト; ■開発元：コールドブレス; ■対応機種：PC（対応OS：Windows2000/XP/Vista）; ■ジャンル：ETC; ■正式サービス開始日：未定; ■プレイ料金：無料（アイテム課金）