2009年10月22日(木)
本日10月22日、六本木ヒルズで開催中のイベント“東京国際映画祭”のステージイベントとして、映画『半分の月がのぼる空』のプロデューサーたちによるトークショーが開催された。
トークショーには、映画製作プロデューサーの小榑(こぐれ)洋史さん(ポニーキャニオン)、豆岡良亮さん(IMJエンタテインメント)、柴原祐一さん(ダブ)、そして伊勢志摩フィルムコミッションの花井千明さんが登壇。映画のスチール画像を交えて、映画製作時のこぼれ話や伊勢市のPRなどを行った。
▲小榑さん | ▲豆岡さん | ▲柴原さん | ▲花井さん |
▲伊勢を舞台にした本作では、平凡な高校生・裕一と心臓病を患うわがままな少女・里香の“心の動き”を軸にした物語と、病気の妻を救えなかった医者・夏目の物語の2つが一緒に語られていく。 |
映画化に際して気を付けたことについて、小榑さんは「いわゆる“難病モノ”と呼ばれる映画はたくさんありましたが、本作のよさは“失った後の悲しみ”や“そばにいる人を思い続けること”をしっかりと描いているところにあるので、その部分を大切にしています」と説明した。また豆岡さんは映画について「キャッチコピーに“ずっと”という言葉を使っています。映画は裕一と里香のラブストーリーですが、いつ終わるとも知れないという不安を抱えながらの日常が描かれています。その中で“ずっと”という言葉を意識しながらご覧いただけると感動していただけるのではないかと思います」と述べていた。
柴原さんからは伊勢をロケ地に選んだことについて説明が行われた。「原作の舞台であったことから、作品の魅力を忠実に引き出せるだろうという狙いがありました。それと、深川栄洋監督もおっしゃっていたことなのですが、病院の屋上からの風景や砲台山(虎尾山)からの風景がとにかくきれいなんですね。伊勢の魅力ある風景を切り取るというのも、作品にピッタリくると思いました」とのこと。では以下に、ロケシーンを紹介してくので、ぜひチェックしてもらいたい。なお、宇治山田高校など一部の施設は部外者の立ち入りが禁じられている。ロケ地めぐりをしようという人は、心に留めておこう。
▲こちらは病院のロケシーン。伊勢市と松阪市にある4つの病院などで撮影された。実際に生きた施設を使っての撮影だったのだが、ロケの時期はちょうど新型インフルエンザが話題になっていた時期で、病室確保のために撮影を切り上げることも視野に入れながら撮影したという。 |
▲宇治山田高校で撮影された“山上祭”のシーン。大勢のエキストラが参加したとのことで、エキストラをたばねていた花井さんは撮影の様子を振り返り「実際の文化祭のように、焼きそばやお化け屋敷の模擬店が出ていて、楽しく撮影していました」と話してくれた。 | ▲伊勢の町を裕一と里香が原付で駆け抜けていくシーン。ロケ地のしんみち商店街は、撮影にとても協力的だったそうで、深川監督も楽しく撮影に臨んだという。 |
▲古くから伊勢神宮にゆかりのある皇學館大学でもロケが行われた。画面に映っている高所作業車は、受験シーンを窓の外から撮影するために使用。また、上から雪を降らすシーンでも、高所作業車が活躍したようだ。 | ▲原作では、砲台山として登場する虎尾山。ファンからは聖地として以前から知られているこの山だが、現在は台風18号による被害のせいで立ち入ることさえ難しくなってしまったとのこと。 |
最後は4人から来場者にメッセージが贈られ、イベントは終了となった。映画『半分の月がのぼる空』は、2010年4月よりシネセゾン渋谷、池袋テアトルダイヤ他全国で公開される予定となっている。裕一と里香、そして夏目の物語がどのように語られていくのか、伊勢の魅力はどういった形で切り取られているのか、ファンは楽しみに待っていてもらいたい。
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