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2009年10月23日(金)

『ラグナロクオンライン』の未来はどっちを向いている? 運営インタビュー

文:電撃オンライン

■ようやく一歩前進できた日韓『RO』の遊び方の違い

──さきほどプレイヤーからのアンケート結果を持って、韓国の開発元までお話に行かれたとのことですが、正直なところその結果を元にした日本向けのカスタマイズは、どこまで可能なんでしょうか。

飯野現在は開発からの回答待ち状況です。エボリューションプロジェクト開始以前から、我々は事前にSakrayJを体験して、このままでは日本のプレイヤーには受け入れられないだろうと考えていましたが、そもそもこの考えをGravity社の開発陣に理解してもらうのが難しかったんです。それは『RO』というゲームをどう遊んでほしいか、という根本的な考え方が日本と韓国で違うことも影響していました。実はこの考えの違いを理解してもらうために、1年近く話し合いを続けてきました。

 今回のアンケート結果を見てもらうことで、ようやく日本のプレイヤーさんが『RO』の何を楽しいと思っているのか、どう遊んでいるのかを理解してもらえて、一歩前進できたと思います。逆に我々としても、韓国ではなぜ現在のリニューアル内容を選択したのか、という理由も理解できました。

──韓国と日本の『RO』に対する考え方の違いを、もう少し詳しく聞かせてください。

『ラグナロクオンライン』

飯野韓国では、プレイヤーさんに3次職で遊んでほしい、という思いが強いです。これは、韓国のプレイヤーさんの嗜好だけでなく、グローバルな展開を考えた上での方向性の選択になります。確かに今回のシステムリニューアルは、3次職実装後の『RO』の世界に伸びしろを作ることが目的の一つなので、Gravity社の立場は理解できます。同じグループとして、グローバルな視点はもちろん重要ですが、我々は「日本のラグナロクオンラインの運営チーム」ですので、日本のプレイヤーさんのニーズにあったものを提案していきます。我々としては、3次職まで含めたそれぞれの時期、例えば2次職は2次職、上位2次職なら上位2次職のおもしろさも体感して欲しいと思っています。

──ただ、10月中旬に韓国ではすでに3-2次職まで実装されています。ここまで韓国ではリニューアルが進行しているのに、日本バージョンに大きな修正を入れられるものでしょうか? クライアントの差分を考えても難しいと思うのですが。

飯野はい、我々もバージョン違いのクライアントを作ることを視野に入れなければならない、という意見を出しているところです。ただ、開発側のリソースの問題もありますし、日本から廣瀬が持っていった改善点の全部が全部『RO』にとってベストな選択だとも限りません。今はまだ、第1期SakrayJの結果を踏まえた、日本からのプランというボールを開発側に投げている段階です。

──先ほど『RO』の遊び方1つにしても、ようやく日本の考え方が韓国の開発に理解されはじめたとお話されましたね。確かにそれは大きな前進ではありますが、SakrayJの本サーバ実装という巨大なプロジェクトに対して、1年間かけてそれではあまりに小さな一歩に思えます。

廣瀬いえ、むしろ日本のプレイヤーが何を考えているのか、という部分を理解してもらわねば具体的なSakrayJ改修には入れません。繰り返しになりますが『RO』の遊び方、楽しみ方を韓国スタッフにわかってもらい方向性が定まったことで、ここからのプロジェクト進行は一気にスピードアップするでしょう。

 ■待望の3次職実装はいつなのか(→Page4)

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データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

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