News

2009年12月14日(月)

ガンホー『RO』のユーザー向けシンポジウム“2009WINTER”を秋葉原で開催

文:電撃オンライン

前へ 1 2

■ユーザーが今一番知りたいコトを思う存分ぶつける質疑応答タイム

 上記2つの発表後は、そのまま参加者から運営チームへの質疑応答へ突入。『RO』プレイヤー待望の3次職SakrayJとエボリューションプロジェクトについては、利用制限があるとはいえエボプロ専用SNSなどでフォローされているせいか、予想よりも質問は少なめ。むしろゲームバランス調整や、インタフェース周りなど、より普段のプレイで不便だと感じる部分についての質問が圧倒的に多かった。会場からは全28個の質問が挙がったが、ここではその中から一部を紹介していこう。

『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』 『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』

Q1:“ゼロスティール”は現状、仕様として認めるのでしょうか? 処罰の対象にならないのですか?

A1:運営チームとしても望ましいこととは思っていません。その上で、ゼロスティールへの対策を行なうかどうかはGravity社と検討中。特定のモンスターをボス属性にしてしまうなど、対策の仕方が無いわけではありません。しかしこれはバランス上無理なので、根本的なシステム見直しを検討しています。仕様変更など対策ができた時点で詳しくお伝えします。

 ただし、現状はアカウント停止などの措置はとりません。それよりも先に、まず仕様変更の実施を最優先と考えています。

Q2:異世界アッシュ・バキューム実装以後、新エリアは敵が強すぎて、見学に行くこともできません。モンスターの難易度に対して、バランス調整は検討されていますか。

A2:EP8.1以降、モンスターの攻撃が5桁を越えたりと、ひたすら敵が強くなっていることは認識しています。ただ、各クラス中にはそれでもソロ狩りが出きるキャラクターもいます。こちらとしては、新モンスター実装時にはそのモンスターに合わせ、新装備を強化しています。その他、ソロよりもMMOらしくPTで楽しんで欲しい意図もあるでしょう。異世界モンスターに限らず、モンスターのステータス調整といったアプローチも少しずつ進んでいるので、引き続き行っていきます。現状すぐに敵の弱体化、下方修正はできませんが、戦闘しやすくなるための調整は必ず行います。

Q3:以前に比べBOTはかなり減りました。しかしゲーム外に目を向けると、Google AdSenseにRMT業者のリンクが表示されていたり、ファンサイトに堂々とRMT広告が掲載されてしまったりしています。そこから初めてRMTを知り関与するプレイヤーもいるでしょう。これらの広告を意図的に表示させないことはできないのでしょうか?

A3:RMT業者への対策は、具体的な方法は申し上げられませんが、突然ゼニーの在庫がゼロになっている時には何がしかの対策打たれて、その効果が出ているタイミングだと思ってください。マーケティング部からGoogle AdSenseなどに対して抗議はしていますが、RMT自体が現在はまだ完全に違法とは言えない存在のため、例外的に外すことはできないという回答をもらっています。ゆえに法整備含めてまだまだ時間がかかるでしょう。

 さらにRMTサイト上の取引だけでなく、アカウントの転売、オークション形式のユーザー間直取引も増えており、調査が難航しやすい状況です。まずはBOTを減らしてRMTで利益が出にくくする、アカウントハックを防ぐなど、間接的な不正対策は引き続き進めていきたい。

Q4:エボリューションプロジェクトおよび、SakrayJ現在の進捗状況と具体的なスケジュールを聞かせてください。

A4:エボプロ&SNSはテストが終った後も意見を募集しており、これまでに500以上の改修要望をいただいています。この集計をふまえて、SakrayJすなわち3次職実装に絡ませず修正できる部分は、随時修正をしていくつもりです。SNSはエボプロとは別に、2010年頃にはガンホーIDでログインできるSNSにしていく構想ですので、しばらくお待ちください。

 SakrayJ、3次職を含めたリニューアルプロジェクトの実装予定ですが、現時点では来年の第1四半期を考えています。リニューアル内容については、すでに韓国で進んでいる3次職とリニューアル仕様を元に日本に実装していくわけではありません。現状日本の仕様をベースに、拡張性を持たせるべきポイントを絞って改修をかけていきたいと、Gravityには提案しています。

 具体的に開発側に出している主な提案内容は、MDEF/DEF計算式(DEF値が100になるとダメージが1になる)、SPD値の190上限について、無詠唱を達成したキャラクターがその後DEXに振る意味がなくなる点、状態異常への耐性(VIT値100でスタン無効)です。これらステータス上限突破で容易になってしまう課題を、現在の日本クライアントのバランスをベースに改修していくつもりです。

 また、装備品などの資産が無駄になるのでは? と心配なユーザーさんもいらっしゃいますが、運営チームとしては資産を保障しつつ、あくまで拡張性を持たせていきたい。

Q5:万が一3次職実装が大幅に遅れた場合、『ブラジリス』以降のアップデートは考えていますか?

A5:3次職実装が例え遅れてしまっても、既存コンテンツの改修を2010年は積極的にやっていきます。『ブラジリス』のアップデートは来年第1四半期を予定していますが、それ以外にも積み残している戦場システムのリニューアルなど、企画はしているので安心してください。

『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』 『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』

Q6:7年間続くサービスでワールドも増えましたが、攻城戦の時間はラグがひどかったり、クライアントが落ちることも多いです。サーバー、クライアントそのものの改修予定はないのでしょうか。また、Windows7への対応はどうなってるのでしょう。

A6:攻城戦、エンドレスタワーでそういった不具合があるのは聞いています。プログラムの改修はこれまでも行ってきましたが、サーバーのスペック強化を始めソフト、ハードの両面で強化を図っていきたいです。現在は攻城戦が割り当てられているサーバーで、マップの配分をかえて負荷を分散しています。今は1砦で1サーバーです。

 Windows7についてはお待たせしていて申し訳ありません。詳しい時期は言えませんが、32bit対応に関しては間もなく改修できると思います。

Q7:スクルド以外での新規プレイヤー獲得手段があるなら教えて下さい。実際スクルドでどれだけの新規プレイヤーが参入したのかも知りたいです。

A7:2010年もスクルドから既存ワールドへの新規プレイヤー誘導は実施していくつもりです。スクルド以外の新規参入は、まだ具体的なものは言えませんが進めています。スクルド実施でどれだけプレイヤーが増えたかについては、何がしかの形で来年以降に発表します。

Q8:基本プレイ無料のMMORPGが圧倒的な中、友達を誘ってもやはり月額を払ってまでプレイを続けてくれない。無料化する予定はありますか。

A8:サービスとして長く遊んでもらうことを考えた時、無料プレイのアイテム課金が必ずしも良いわけではありません。その方法で『RO』が発展するとわかればアイテム課金も検討しますが、現状は月額課金のままでいきます。

Q9:アルデバランのターボトラック、イズルードのアリーナ、崑崙の闘技場で出現モンスターやコースの変更、プレイヤー同士1on1が出きるようにしてほしい。

A9:ぜひやっていきたいです。これまではどうしても大規模アップデートの完成が優先されてましたが、痒いところに手の届くような改修を、これから積極的にやっていきたいです。具体的にいつ、とはいえませんが意欲はあります。

Q10:課金アイテムをフィールドのどこでも買えるシステムが実装されましたが、右上に出るアイコンが移動の邪魔です。一時的に見えなくしたり、ショートカットキーで呼び出せるようにして欲しい。

A10:ON/Offができるよう仕様改善をお願いしている最中です。

『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』

Q11:スキルを使うと画面上にアイコンが出るのに、課金アイテムの属性コンバータはアイコンが出ません。効果時間が短いだけに、見えるようにしてほしい。

A11:属性コンバータ以外でも、既存システムで一部の状態異常アイコンが出ないなど、統一されてない部分がまだまだあります。ただ、改修案の中ではプライオリティが高い修正ポイントではないので、修正には少々時間がかかりそうです。

Q12:コカ・コーラ社とのタイアップは、長いこと『RO』をプレイしている自分でも、新鮮で楽しかったです。他社とのコラボレーション企画をやる予定はありますか?

A12:コカ・コーラ社とのタイアップはご好評をいただきました。今も様々な企業に提案させていただいています。企画レベルでは2社ほどお話を進めていますが、まだまだ具体的なところまでは詰まっていません。

Q13:商人系キャラクターは他クラスに比べて成長が厳しく遅いです。アルケミストはホムンクルスに戦わせて座っている。ブラックスミスはエンドレスタワーでPTに入れてすらもらえない状況をどう思いますか。

A13:商人系はアルケミストならホムンクルスがいますが、自分以外の戦闘能力がないとブラックスミス/ホワイトスミスは苦労していると思います。キャラクターがそもそも戦闘寄りではない、という前提があるからです。あくまでこれは私個人(廣瀬氏)のアイディアですが、PTを組んだ際のメリットが火力だけでなく、アルケミストやブラックスミスがPTにいることによるメリットがあれば、臨時PTも組みやすくなるはずなので、そういった方向の修正も考えていきたい。

Q14:(Q13の回答を受けて)アルケミストはアシッドデモンストレーションのような攻撃スキルがあるが、ブラックスミスはオーバートラストやアドレナリンラッシュぐらいしかない。しかも効果がみじかかったりと、使い勝手の悪いスキルばかりなので改善してほしい。

A14:ブラックスミスメインでプレイしてる方は、もう少し優遇してほしいと思うのは分ります。しかしどのクラスでもプレイする楽しみがあるように、調整していきたいと思います。

Q15:アルケミストと製造系BSのジョブスキルが上がりにくいです。

A15:製造系製薬系のスキルの成功はDEX、LUKステータスが必要になります。こういったステータスでも戦闘要員になれる、というアプローチもありだとは思いますが、そもそも製造系が戦闘で活躍できるのもどうかと思います。自力で解決できる拡張を考えていきたいです。

Q16:開発はすべてGravity任せになっていて、こちらからお願いして開発してもらうという状況は今後も変わらないのでしょうか?

A16:根幹のリソースを作るのは開発会社あってこそなので、変えることは難しいです。ローカライズとカルチャライズのほか、ガンホーから企画を出して一緒に開発していこうという気持ちは、今ガンホーとGravity両方で盛り上がっています。

『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』 『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』

Q17:過去のユーザーシンポジウムに何度か参加していますが、かつて廣瀬氏がホムンクルスのAIについて改善していくと述べていました。実際には何も変わっていないし、マップに放置されているホムンクルスへのMPKが頻発している状況です。ホムを使った固定狩りはそもそも悪なのか、迷惑行為となるのか、ガンホーの認識はどうなっているのか聞かせてください。

A17:ホムンクルスを利用した放置狩り(固定狩り)が、他プレイヤーが狩りをしにくい状況になると、こちらも認識しています。しかし、固定狩りという行為そのものを取締り対象の迷惑行為としてはとらえていません。運営側としてはMob配置などによって、狩場のバランス調整をすべきだと考えています。

 戦闘に向かない職への補填として、ホムンクルスとそのAIは最初からデザインされています。固定狩りをしづらくすればいいのか、という単純な話ではありません。固定狩りのポジション争いが起きているのは良いことだとは思っていませんが、解決策は非常に難しいです。パーティプレイに適したマップ、ソロで狩れるマップなど個々の特徴のバランスを取っていきます。ユーザーで対処しきれない悪質ないやがらせに発展した場合は、対処を考えたい。

Q18:ガンホーが公式見解を出していないから、プレイヤー同士のローカルルールの押し付け合いの泥試合になっているんです。きちんと公式見解を出して欲しいです。

A18:迷惑行為へのガイドラインをより細かく出せば、プレイヤーには分りやすくなるが、同時に裏道を見つけるような行為を生み出しかねません。アップデートによってガイドラインの内容も変わってしい混乱を招きやすいです。ただ来年の第1四半期までには、ガイドラインのページのリニューアルなどで提示したいと考えています。

Q19:このアルケミストとホムンクルスに関する質問は、2年前のシンポジウムでも出ています。同じ問題が解決されていないのに、また検討しますでは何も進歩していません。新規プレイヤーが見た目の可愛さにひかれてアルケミストを選び、ホムンクルス使って、いつの間にかファンサイトに不正行為プレイヤー扱いで、キャラクター名を晒されているのが現状です。

A19:今この場で、ホムンクルスによる放置狩りは容認したくない人はどれぐらいいますか? (参加者のほとんどが挙手)2年越しというお叱りをただいま受けましたが、本当に申し訳ありません。どっちが正しいという回答はこの場では出せませんが、必ず持ち帰って検討します。

容認派:アルケミストは職業柄、戦闘ステータスやスキルに振るのが難しい。ホムンクルスあって初めて戦闘ができ、経験値が入って、やっと成長できるし製薬できるようになる。そういうプレイスタイルも楽しみ方であり、安易に否定してほしくない。ペットのように餌を与える必要があり、画面の向こうにはちゃんと人が座っていて、他の人が狩をするのと同じように『RO』をプレイしている気持ちです。ただの放置BOTとは違う。一概に固定狩りを否定してほしくない。

否定派:6時間ごとに餌をやって親密度を保ち、24時間放置してる人は現実にいる。それが原因でMPKを起こしたり、別のトラブルが起きている。)

『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』 『『RO ユーザーシンポジウム 2009WINTER』』

Q20:MVPボスモンスターについて、イフリート以降登場したMVPボスはいずれも攻撃力が高いが、クルセイダーの反射狩り(リフレクトシールド)とソウルリンカーの組み合わせで簡単に倒せてしまいます。今後実装されるMVPボスモンスターに関して、リフレクトシールドを無効化するなどの調整は入りますか?

A20:製作サイドでもそれについては確認しており、対処に向けて試作を練っているところです。反射狩りを無くすとはいえないが、より容易に狩れなくするつもりです。

Q21:最近追加される武器防具は転生向けが多いです。未転成向けのアイテムやマップを増やして欲しい。

A21:異世界アッシュ・バキュームが強すぎるという話も先ほどありましたが、確かに高レベル向けのアップデートが続いています。転生していなくても装備できる、低レベル向けの楽しみについては、ガンホー側で積極的に企画してGravityに提案したり、日本独自のゲーム内イベントを行うなどして補填していきたいです。

 ちなみに次のブラジリスアップデートは、そこまで高レベル向けではありません。クエストである程度レベル上げできるよう冒険者アカデミーが実装されましたが、逆に初期マップが過疎化し無駄な資源になっているので、これを再利用したい。

Q22:スキルごとのエフェクトOn/Offがしたい(ストームガストだけ消すとか)。

A22:検討いたします。

Q23:プロフェッサーをプレイして、相手のSPバーが表示されないのが不便です。

A23:私(廣瀬氏)もそう思います。過去に一度Gravityに話を提案したことがあるが、再度話を持っていきます。

Q24:2009年3月に倉庫ソート機能について話が出たが、どこまで開発されていますか?

A24:韓国版『RO』にはSakrayリニューアル後にソート機能実装済みです。本来は日本でもリニューアル後に実装される予定ですが、機能的にリニューアルとは切り離して実装できる可能性もあります。ソートの順番の適切さなど韓国語と日本語で多少違いもあるので検討中です。スキルタイマーについてもリニューアル前にできるかどうか検討中になります。

 以上24個の質問を掲載した。参加者からは「二言目にはGravityに提案しますという回答ですが、このカンファレンスにはGravityからの出席者がおらず、ユーザーのためのものとは到底思えない」とかなり手厳しい意見が出たり、中には『RO』への想いが熱くなりすぎて、意見提案なのか質問なのか、話しているうちに自分でも分らなくなってしまう参加者もいた。しかし、現状プレイヤーが感じている問題意識の共有という点は、今回のシンポジウムで達成できたのではないだろうか。

 過去2回のユーザーシンポジウムを振り返ってみると、期間限定の無料ワールド実施、魔王モロクアップデートのスケジュール予定、そして一部初公開を含む3次職グラフィックスと盛りだくさんの内容で、会場は大いに盛り上がったものだ。それに比べると、今回はSakrayJの本サーバ実装の時期や詳細がまったく見えていないだけに、やや落ち着いた感がある。

 他社タイトルでインタビューを行った際、韓国の開発者は「韓国人プレイヤーは不満があればすぐ口にして大変だけれど、彼らが何を欲しているのかは確実に分かる。日本のプレイヤーは、おもしろくないと思ったら何も言わずに去ってしまうから難しい」とコメントしていた。プレイヤーからの厳しい意見の中は、運営および開発者には耳の(そして胃も)痛い言葉も多いだろうが、それもこれも『RO』を愛すればこそ。プレイヤーが熱心にコメントしてくれるうちが華だ。SakrayJと3次職実装をベストな形で、いち早く日本サーバに実装するとともに、既存コンテンツのさらなるブラッシュアップに力をいれてほしい。(麻生ちはや)

 

(C)Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All Rights Reserved. (C)2009 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

関連サイト

前へ 1 2