2010年1月18日(月)
――いろいろお話を聞かせてもらいましたが、『2』ではかなり新要素が充実していますよね。実際の開発にはどのくらいかかったのでしょうか?
田中:ダウンロードコンテンツや海外版を制作していたので、発売後すぐに制作に入ったわけではありません。ただ、PSPでやろうというのは前作が終了した直後からありました。
本山:構想レベルの準備があって、忙しくなってきたのは2009年の春くらいからですね。
――開発の上での苦労などはありましたか?
田中:初めて触るハードだったので、その研究は行いましたが、思ったより手こずらなかったですね。元のゲーム性がしっかりしていたので、「ゲームをどうおもしろくしようか」と根本から考え直すこともありませんでしたから。むしろ『1』のおもしろさを、いかにPSPの機能でやるかというところで開発していました。あえて言えば、通信機能は最後のバグ取りが大変だったかなと(笑)。制作段階では、そんなに苦労していないです。
本山:プログラマーとかデザイナーとか、チームの方でも、それぞれの作業に没頭するというより、口を出すタイプの人間も結構いるので。そういった意味では、みんなでわいわい言いながら楽しんで作っていた印象ですね。
田中:通信の部分は、新しいチャレンジだったので、僕らもどんな風になるのかと半分不安なところでしたけれど、だんだんとおもしろくなってきましたね。
――残念ながら協力プレイは体験していないのですが、どういった遊びが魅力になるのでしょう?
本山:やはりPSPなので、基本的には最大4台のPSPを持ち寄って遊べることですね。『ヴァルキュリア』って、自分1人でやる時には、予想できない攻略方法ってあると思うんですよ。だから、人がやっていて「そこ、そうじゃないよ」って口を出したくなるゲームかなって思うんですよね。
それで、それをリアルタイムにやってもらえるとすごく楽しいかなと。「ここでガードして、そのスキに後ろから回り込んでよ」とか、「こっちのエリアはいいから、隣のエリアに進んでよ」といった会話をプレイしながらして、作戦を進めていくおもしろさがあると思います。
田中:あと今回、カスタマイズの自由度がすごく増えているので、自分の育てた戦車とか、自分の部隊とかを持ち寄って、自分のやり込みを見せ合う意味でも楽しめると思います。
本山:特に今作は、アバンも全部の兵種に就けますので。アバンを普通だったら偵察兵のまま進めると思うんですけど、あえて支援兵にしてみるとか。
田中:アバンを支援兵にするのは通だね~、アバンが楽器吹いたりするのか(笑)。
本山:僕もやったことはないですけど(笑)。でもそうして、いろいろな兵種に就かせると、また違ったクリアの仕方があるのではないかと思いますね。
――気が早いのですが、次回作を出すのならどのような形でのリリースを考えていますか?
田中:ハードのことはよく聞かれますが、僕らは、できれば「ハードはこれ」と決めうちはしたくない。あらゆるオプションを含めて考えたいと思っています。PS3でやりたいなって思いも当然ありますよ。でも、PSPでもやりたい。
何しろ、今はまず『2』が1月21日に出るので、これを全力でガツンと打つ。そうすれば、『2』おもしろかったとか、今度はこれで出してほしいとか、お客さんの反応も当然返ってくると思います。シリーズがこの後どう進んでいくか、お客さんがどう求めているか、というのは見ていきたいですね。
本山:やはりハードごとに、やりやすいこと、やりにくいことあると思います。だから何かのハードと決めてしまうと、“『ヴァルキュリア』の可能性”というのが、ちょっと狭まってしまう気もしています。
なので僕らとしても、ハードのことは決めつけないで考えています。新しい企画を今後やっていくのだとすれば、新しいシステムなんかもどんどん採り入れていきたいですし、皆さんのご意見も採り入れていきたいと思っています。(今後については)ユーザーの皆さんのご意見を、ぜひいただきたいですね。
――ちなみに『ヴァルキュリア』は前作がアニメ化やコミック化されていますが、今作も展開を広げていく構想はあるのでしょうか?
田中:構想というか、そういう気持ちはありますね。まだちょっと具体的に言えないこともありますが、そういったところから入った『ヴァルキュリア』ファンの方もたくさんいると思いますので。
――現在も前向きに動いているということでしょうか……?
本山:その辺はナイショです(笑)。
――では期待しています(笑)。最後に、『ヴァルキュリア』ファンと1月21日にソフトを買おうと思っている人へのメッセージをお願いします。
田中:絶対、値段分損させない、すごい遊べるソフトになっていると思うので、ぜひ買って、一緒に僕らと遊んでください。
本山:前作からパワーアップした部分というのが、本当に多いです。体験会などで触れられていない方もまだ多いので、ちょっとやきもきさせていると思いますが、絶対裏切らないものになっています。ぜひ1月21日を楽しみに待っていてください。
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