2010年1月8日(金)
2月4日にディースリー・パブリッシャーから発売されるPSP用AVG『密室のサクリファイス』。その登場キャラクターを演じる声優のゆかなさんに、インタビューを行った。
▲クロエを演じた声優のゆかなさん。 |
『密室のサクリファイス』は、ディースリー・パブリッシャーが展開するSIMPLEシリーズで人気が高い『密室からの脱出』をベースにした、新しいタイプの脱出ゲーム。地底深くに建造された巨大な生活施設・ファウンデーションを舞台に、そこに閉じ込められてしまった5人の少女たちの脱出劇を描く。これまでの密室シリーズのおもしろさを生かしつつ、極限状態で発生する出会いや友情、裏切りなど、サスペンス色をより強めた作品となっている。
ゆかなさんは、メインキャラクターのクロエを演じている。今回の記事では、演じてみた感想や苦労したところ、注目してほしいシーンなどを語ってもらった。真堂圭さん、喜多村英梨さんへのインタビューとあわせてご覧いただきたい。
――ゆかなさんが演じられたクロエについて教えてください。
クロエは知りすぎてる人です。感情面では同世代の子たちと差はないんですけれど、頭脳面で抜きん出ているんですね。人生経験は共通であっても、頭の回転が他人よりも速いので、予測して動くことや理解することが早く、少ない材料で深い理解を得られるので同世代の子たちからすると大人びて見えるかもしれません。それは頭で理解した知識的な経験が多いからであって、他人とのかかわりなど経験しないと理解できない事柄については歳相応なのではないかと思いました。ある意味いちばんもろい人ですね。
――クロエを演じられていかがでしたか?
クロエ的には「閉じ込められたな」という状況であって、不気味な恐怖ではなく「じゃあどうすればいい?」「出ればいい」という感じで演じてました。もちろん、大変な状況であることには変わりないので、そこを失わないような範囲で。
――TVアニメと違い、演じていて苦労したところは?
ゲームは1人で収録することが多いのでアニメ収録とは違います。ボタン操作で次のセンテンスに行くという前提があるのでケンカのシーンとか会話といえど、システム上、相手の語尾が終わらないうちに喋りだすことができないんです。それは、アニメ同様に全員で収録する場合も同じで、間をあけて待って、被せないようにするのはゲーム独特ですね。今回は1人での収録だったので、相手が見えないところで1人でケンカして、一緒に会話する方の声を聞いていない状況で演じる。どんな風に向かってきてくれるのか、自分の想像力の中でのことになります。お芝居という意味で根底は変わらないのですが、方法が違います。
――演じてきた中で印象に残ったシーンはどこですか?
オレンジとのシーンです。他の子が、悪気がない中で誰かを傷つけ、そんな自分にまた傷つくという経験を繰り返して人間的な経験的知識を溜めてきたとしたら、理解が早いぶんあきらめも早いのでクロエにはそれがないんです。言っても仕方がないと思ったらそこで引く。それは性格的なものではなくて、無駄だとわかっているから引く、というもの。これまでに人と衝突する場面が少なく生きてきているのではないでしょうか。そんなクロエが初めて先読みしきれなかった人物がオレンジです。自分の思い通りに行動しなかった、初めて執着した、こだわりのある相手。気付かないうちにオレンジに深入りしていく過程などはおもしろいと思います。
――ゆかなさん自身と通じる部分や共感できるところは?
今は演じた直後で、私の中のクロエ濃度が高くて、より近く感じているのだと思います。
――もし、ご自身が崩壊した都市にいたら?
どうするもこうするもないですね(笑)。出発点はクロエと一緒で、とりあえず状況を把握しますね。慌てて状況が改善するならいくらでも慌てるんですが、無駄ですよね? たった1人ならなおさら、食料や水や空気に限りがあったら無駄に消費してもいけないので、内心慌てていても、そうだと自分に暗示をかけるところからスタートすると思います。もし誰かが探しに来てくれているなら、慌ててそのへんを走り回るよりその場に居たほうがいいし、まずは状況を把握します。
――クロエが自分の側にいたら、友だちになれますか?
同士になる方が早いと思います。こんなに知識はないですけれどね(笑)。クロエが得てきていないものを得てきているであろうと思うので、個性の違うものとして共存できると思います。「だって、これあなたの方が得意でしょ? やって。」「あ、お願いしてほしいですか?」「お願いします。」って(笑)。
――他のキャラクターで仲よくなれそうな子は?
嫌いな人はいないので、誰でも仲よくなれるというか、状況把握に努めるのと一緒で今ある状況の中からどうするか、って考えると誰でも大丈夫です。
――普段からゲームで遊ばれていますか?
時間がないとなかなかできないのですが、今年は時間があったので自分が出ているゲームなどを遊びました。自分が出ている作品は、できるだけ見届けます。お休みの時にはじっくりRPGをプレイしたりもするんですが、やり始めると結構のめりこむタイプだということが自分でわかっているので、やめ時がわからないゲームを合間に始めると、先が気になって仕方が無いのでちょっと困るんです(笑)。なので『数独』のような空き時間に1問解いたらすぐに終われるような作業的にやれるものは手を出しやすいです。
――ゆかなさんご自身が個人的に頑張っていることや目標はありますか?
これが出る時には少し経ってしまっているので、今とは違いますよね、これを読んでいる方が今、こうなんだ、って思ってしまったら申し訳ないので、ないです。クロエ的な回答ですみません(笑)。長期的には私にしかできないことをしたいです。他の人がキャスティングされていたら違うクロエになっていたと思うので、ゆかながやったからクロエがこうなった、と言われるような役を作り出していきたいと思います。
――最後に、ユーザーの方々にメッセージをお願いします。
一見、カワイイキャラがたくさん出ていて、楽しい、カワイイお話なのかなと思ったら、そうでもないようです。そこがまず最初の裏切りで、たぶんずっと裏切られていくと思います。その裏切られていく様を楽しんでいただけたら幸いです。
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