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2010年2月10日(水)

【PW養成講座2】“スタック”ってナニ? 『MTG』好きなアユミちゃんが優しく解説

文:電撃オンライン

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それじゃあスタックについて説明していきます。スタックの説明に入る前に、まず知ってほしいのは、“『MTG』では能力を使ったり、呪文を唱えたりしても、それがすぐに効果を発揮するわけではない”ということなのね。
あれ? そうなの?
ええ。たとえば、私があなたの2/2クリーチャーに2点のダメージを与える《ショック》って呪文を唱えたとするじゃない。
うん。そのクリーチャーは破壊されちゃうよね。
けれど、その時あなたの手札にクリーチャーのタフネスを上げられる《巨大化》ってカードがあったら、そのカードって、まさに今が使い時だと思わない?
確かに。タフネスを上げれば《ショック》で破壊されなくなるもん。
そういう風に、呪文や能力を使われても“それが効果を発揮する前に対応して行動できる”っていうのがスタックの概念なの。今の話に出てきた《ショック》と《巨大化》を使った動画で、唱えた呪文とスタックの関係がどういうものなのか説明するわね。
動画の中でも言っているけど、最初はカードを唱えられた順番に重ねていくと解決の順番で混乱しないかも。でも、これはルールとはまったく関係がないので、慣れるまでの補助程度に考えておいてね。
プレインズウォーカー養成講座
▲スタックに関するミスは、時として遊びなれたプレイヤーでも起こりえるほどです。しっかりと覚えておきましょう。
ええっと、唱えた呪文はまずスタックに積まれて、それが解決される前に他の呪文を唱えることができる……ってことでいいの?
そう。そして、実際に解決されて、効果を発揮するのは、後で唱えられた呪文が先になるの。たとえばタクシーの後部座席に座る場合、最初に乗った人は奥に座って、最後に乗った人の方がドアに近いから、降りる時は先に降りていくじゃない、極端に言っちゃえばああいう感じかしらね。
うんうん。
それと、注意してもらいたいのはスタックに呪文や能力が積まれている時には、インスタント以外の呪文を唱えたり、土地を置いたりできないってことね。逆にいえばインスタントは、そういう状況に対応できる呪文でもあるってこと。スタックのルールは難しいと思うんだけど、大丈夫?
うん、たぶん。これでインスタントとソーサリーの違いはわかったかな。でも、この辺は一度遊んでみて確かめたほうがいいかもだけどね。
そうね、効果が強力だからってソーサリーばっかりのデッキじゃ、相手の行動に対応できないなんてこともあるわ。スタックをめぐる駆け引きは『MTG』の中でも重要な部分だから、よくわからないって人は、動画を見て復習してみてね。じゃあ、今回は最後に“優先権”について説明して、終わりたいと思います。
うええっ! まだあるの?
スタックをよりしっかり理解するためには優先権の理解も必要なのよ。だから、ちょっとガマンして。
へ~い。
ダイスケくん、あなたはこれまでの説明で「インスタントはいつでも使えて便利」って思ったでしょ?
そりゃそうだろ。相手の攻撃に対してクリーチャーをやっつけたり、逆に相手の呪文がまだスタックにあるうちに守れたりするんだから。
そうね、その通り。スタックの一番上に積まれた呪文が一番最初に解決されるものね。でも、呪文を唱える順番はどうやって決まってるのかしら?
え? それは……。先に唱えちゃった方が勝ち! みたいな……?
んなわけないっしょ! そういうことで問題が起きないように『MTG』には“優先権”というシステムが存在しているの。一言で言ってしまうと、これは“呪文を唱えたり能力を起動したりできる権利”のことね。優先権はプレイヤー間を交互に行き来するので、それで順番が決定するの。
ふ~ん、でもさぁ、その優先権で呪文を唱えられる順番が決まるのはいいとして、じゃあ今度は、その優先権を獲得する順番はどうやって決まるのさ?
そのことも含めて、動画を用意してみたわ。スタックの説明の時と同じシチュエーションだけど、優先権について細かく解説しているので、見比べてみてもいいかもね。
そっかぁ、そのターンを進めてるプレイヤーが最初に“呪文を唱える権利”、いわゆる優先権を持ってるんだね。
そうなの。まず優先権を持っているプレイヤーが、好きなだけ呪文や能力をスタックに積むことができるわ。それでもう、とりあえず唱える呪文がないと思ったら、相手に優先権をパスするのね。渡された相手はスタックに積まれた呪文を見て、自分の行動を決めていくってわけ。
でも、呪文を使われてもスタックに積まれて、それから対応できるんだから、先手はとりあえず優先権をパスして、後手の動きを見ればいいんじゃない?
動画でも説明しているけど、スタックに何も積まれていない状態で、お互いが優先権をパスしたら、次のフェイズなりステップなりに進んじゃうから、ヘタに優先権を放棄しちゃったら、場合によってはクリーチャーを出さないままターンが終わっちゃった……なんてことにもなるわ。
あ、そっか! 第2メイン・フェイズなんかだとそうなっちゃうね。ちなみに“特別な処理”ってなんなのさ?
動画の中に出てきていたわね。これはたとえば“土地からマナを出す”とか、スタックに積まれない行動のことのことを指しているの。だけど、今は気にしなくていいわ。
 『MTG』では呪文を唱えたり、能力を使うことができるのは優先権を持つプレイヤーのみです。優先権はまず、ターンを進めているプレイヤー(アクティブ・プレイヤー)に与えられます。

 優先権を持つプレイヤーは、呪文や能力を使えますが、それらはすぐには解決されず、まずスタックと呼ばれる目に見えない領域に積まれます。優先権を持つプレイヤーは、コストさえ支払えばいくらでも呪文や能力をスタックに積むことができます。その後、優先権をパスします。

 優先権を渡されたプレイヤーは、スタックの上に新たに呪文や能力を積むことができます。積み終えたら優先権をパスします。これをくり返していき、すべてのプレイヤーがスタックに何も積まずに優先権をパスした場合、スタックの一番上にある呪文や能力が解決され、効果を発揮します。スタックの一番上にある呪文や能力が解決された後、再びアクティブ・プレイヤーに優先権が与えられます。

じゃあ、今回はここまで。これでゲームの進め方についてはとりあえずおしまい。次からは、よりカード1枚1枚に注目して、クリーチャーの持つ特殊な能力などについて説明していくわ。ダイスケくん、次回はいよいよ、あなたの大好きなドラゴンや天使が登場するから、楽しみにしててね!
ホント!? うおお、キター!!
そのためには、ちゃんと今日やったことを復習しておくのよ?
はーいっ!
うん、いい返事ね! では皆さん、また次回お会いしましょう!
またねー!

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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

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