2010年2月16日(火)
小説『精恋三国志』で、第16回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞を受賞した奈々愁仁子(ななしゅう にこ)先生のインタビューをお届けしていく。
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| ▲こちらは『精恋三国志』の扉イラスト。 |
『精恋三国志』は、『三国志』に登場するキャラクター・趙雲子龍の活躍をファンタジックな切り口で描いた物語。山賊との戦いで命を落としかけた趙雲が、不思議な力を持つ少女・優音に救われたことがキッカケで、優音とともに地神・玄武の望みをかなえる旅に出て行くというもの。武の道を極めようとするマジメな趙雲と、カワイイけれど意地っ張りで素直でない優音の関係や、袁紹や公孫さん(“さん”はおうへんに賛)といった時代の英雄たちの覇権争いの中で活躍する趙雲の雄姿が見どころとなっている。なお、2月10日に発売される『電撃文庫MAGAZINE Vol.12』には、この作品の序章が収録される予定なので、インタビューを読んで興味を持った人は、ぜひチェックしてもらいたい。
――ではまず、受賞したと聞かされた時のお気持ちを教えてください。
奈々愁先生:世の中、何が起こるかわからないなと感じました。最終選考に残ったと知らされた時には、もう1本送った方はダメだったんだな、と思いましたけれど。
――もう1本、作品を送っていたんですね。
奈々愁先生:そちらは孔明と馬謖を主人公にした作品で、4次選考でダメだったんですよ。どちらの作品も思い入れがあるんですが、どちらかと言うと孔明と馬謖のほうが少しだけ思い入れが強かったので。もちろん、うれしかったんですけど、不思議な感じでした。
和田編集:基本的にどちらも秀逸な作品だったんですが、編集部での反響は『精恋三国志』のほうがよかったので、ということもあります。
――どうしてこの作品を書こうと思ったんですか?
奈々愁先生:小さいころから歴史に興味があったんです。マンガや小説で歴史モノを読んでいたっていうのもあります。元々、ゲーム制作の仕事に就きたくてシナリオらしきなものを書いていたのですが、何本か物語を書き終えた時に何だか物足りなくて、もっと長い話を書きたくなりました。それで以前から書きたかった虎と文官が出逢う唐代の物語を原稿用紙千二百枚くらいの分量で20歳ぐらいのころに書きました。その話自体はもう引っ越しの時に何処かに捨ててしまったのですが、結構印象に残っていたんです。その作品が『精恋三国志』を書き出す際のきっかけになっています。小さいころから好きだった歴史モノという要素もありますし。
――20歳のころにはもう執筆活動を始めていたんですね。
奈々愁先生:執筆自体は、小学生のころからやっていましたよ。ただ、小学生のころは三国志ではなく、もっと違ったお話でしたが……。この後で書こうかなと思っているアイデアでもあるので、どんな話なのかはナイショで(笑)。
――そうした創作のアイデアって、どういうときに考えつくものなんですか?
奈々愁先生:これは20歳くらいを過ぎたころに気付いたんですよ! 半分寝たような状態でアイデアを練るとイイんです。僕、本を読むのが結構早いのですが、寝る前にバーッと本を読むんです。読む本はなんでもいいんですが、そうして読んだ後に考えごとをしながら半分夢見心地のような状態でいると、いろんなアイデアが突然出てくるんですよ。
――夢でいいアイデアがひらめくという作家さんは確かにいますよね。それで、起きてすぐにメモを取ったりとか?
奈々愁先生:いや、寝ながら1冊……まではいきませんけど、物語の3章くらいまで頭の中で書いているんですよ。そうすると、実際に書く際にかなり早くなるんです。ただ、頭の中でそうやって書けるようになってからは、実際に文章を書くことは少なくなりました。でも、頭の中で考えたことって忘れてしまうので、部分的に抜粋してパソコンに打ち込んだりはしています。そうしたことで“思考のキッカケ”を作っておくと、そこから思い出せるので。
和田編集:こうした書き方をする作家さんって、結構珍しいですよ。
奈々愁先生:子どものころに、例えば『ドラゴンクエスト』を遊んだその夜に、ゲームの内容を夢に見た経験がある人って少なからずいるかと思うんですが、そうしたことを意図的にやっている感覚です。あんまり上手く言えないのですが……。
――その例えだと、なんとなく理解できるという人が多いかもしれませんね。続いて伺います。『三国志』をモチーフにした作品を書かれていますが、モチーフがあるがゆえに苦労することはありますか?
奈々愁先生:物語で起こる大きな出来事は、年表にあわせています。その点が苦労しているところとはいえます。ただ、年表だけ見た場合には「こんな事件がありましたよ」としか書かれていません。そこには想像を広げられる“スキ”があって、だからこそその裏で何が起きていたのかというファンタジーを書けるんです。
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