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2010年2月19日(金)

ファイブスターの新作A・RPG『クロスブレイブ』電撃先行プレイレポート

文:電撃オンライン

 ファイブスターオンライン・エンターテイメント(以下、ファイブスター)が2010年春のサービス開始を予定している、PC用オンラインA・RPG『クロスブレイブ』。2月26日より公式SNS会員限定の第1回クローズドβテストが予定されているが、一足先に体験プレイを行ってきたので、先行レポートをお届けしよう。

 なお、今回の体験プレイは開発段階であるα版クライアントを使用しているため、ところどころ日本語翻訳が未完成なほか、国内でのCβT実施時には一部の仕様が変更されている可能性があることをお伝えしておく。

■ヘビーゲーマーがターゲットの本格アクションRPG

 『クロスブレイブ』は多彩なスキルとコンボを駆使した、アクション性の高い戦闘がウリの横スクロール型3DオンラインRPGだ。ここ最近のタイトルではガマニアデジタルエンターテインメントの『アンリミテッドハーツ』、あるいはネクソンの『アラド戦記』を思い浮かべてもらえば分かりやすいだろう。ただ、両タイトルがどこか懐かしい2Dグラフィックスで描かれているのに対して、『クロスブレイブ』は中世ヨーロッパ風の幻想的な世界とキャラクターのすべてが、3Dグラフィックスで表現されている。また、アクション性についても「初心者から、上級者まで誰でも遊べる」とうたったカジュアル系タイトルとは一線を画し、コンシューマやアーケード版のアクションゲームをそれなりに遊びこんだ、コアユーザーを最初からターゲットにしているのが大きな特徴だ。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』

 最初にプレイヤーは剣闘士、武術家、魔導師の3クラスから1つを選んでキャラクターを作成。α版ではカスタマイズできるのがヘアスタイル、フェイスタイプの2種類のみで性別は職業固定となっていたが、将来的には選択可能になる予定だ。

●剣闘士

『クロスブレイブ』

 武器に剣を装備でき、ややリーチの長い攻撃が可能な中衛クラス。防御力も高く、ガチャプレイでも何とかなる初心者向け。ただし、攻撃時は剣の振りに合わせて前進する特徴があり、間合いの取り方が重要。


 

●武術家

『クロスブレイブ』

 拳と足技を使って戦う、肉体派の前衛クラス。多彩な専用スキルを習得でき、コンボを繋げるプレイヤースキルがあれば、3クラス中もっともアクション性を堪能できるクラスとなる。


 

 

●魔導師

『クロスブレイブ』

 自然界の元素パワーを取り込み、手の先から魔法を発動する遠距離攻撃が得意な後衛クラス。微妙なキー操作で魔法を飛ばす距離や角度を調整でき、慣れれば敵の接近を許さず殲滅できる。ただし防御面は紙装甲。


 

 キャラクター作成後は、お決まりの初心者向けチュートリアルが待っている。WASDキーによる移動方法、エリアマップの見方やレベルアップの仕方など一通りの基礎知識を教えてくれるが、このチュートリアルが実に分かりにくい。NPCから受けるクエスト形式で進行するものの、次に左右どちらに進めばよいのか、どのボタンを押せばクエストを完了できるのか、という単純な部分ですら迷ってしまう。

 オンラインゲームのプレイ経験があれば、ある程度の不親切さはカンに頼ってクリアできる。しかし、冒頭で述べたようにコンシューマやアーケード版のアクションゲーム好きをターゲットにするならば、もう少しチュートリアルには力を入れてほしい。

 なお、混雑が予想されるCβTに向けて1つだけ豆知識をアドバイス。他プレイヤーに埋もれてマイキャラやNPCが見えない! という時はAlt+Vキーで他キャラクターをすべて不可視にできる便利な機能がある。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲操作方法やインタフェースの学習から、ボスモンスターを倒すまでがチュートリアル部分。特に難しいことはないが、次に何をしたらよいのか直感で分かりにくい。
『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲「後衛クラスは序盤が楽」という思い込みだけで、魔導師をチョイス。べ、べつに金髪ツインテールがカワイイと思ったわけじゃないんだからね! チュートリアルのボスモンスター“ゴブリンスカウト”を無事に退治。魔導師は手の先から魔法を出すので、敵に接近しすぎると攻撃が当たらない。

■本格派アクションゲームの名に恥じない爽快感ある戦闘

 街マップ“ルース”に到着してから、いよいよ本格的な冒険がスタート。ルースと隣のヴァンクールではNPCからクエストをいくつか受けられるが、いわゆるお使い系クエストが受けきれないほどあり、順にこなすだけで経験値がもらえてレベルがみるみるアップ! というわけではない。どちらかと言えばチュートリアルだけでは説明しきれない、システム解説を兼ねた内容が多く見られ、クエストはキャラクター育成のサポート程度。メインはあくまで戦闘を通じた成長にあるようだ。

 街マップとフィールドは直接繋がっておらず、キャラクターが街中の移動ポータルに触れるとエリアマップを表示。プレイヤーは目的地を選びクリックするだけで移動できる。街が約500人が同時接続できるMMOタイプなのに対して、フィールドはMOスタイル、つまりインスタンスダンジョン扱いとなり、パーティを組んでいれば最大4人のプレイヤーで協力プレイが可能だ。なお、同じフィールドでもノーマル/ハード/クレイジー/アルティメットと4つの難易度設定が用意されており、マップ構成や出現するモンスターの種類、強さ、ドロップアイテムなどに変化があるとのこと。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲街マップはアイテム販売NPCがいたり、他プレイヤーチャットしたりと、ごく一般的なMMOと変わらない。とにかく街が広くて、クエストの受け忘れや回復アイテムの買い忘れがあると、戻るだけで結構めんどうだ。▲戦闘フィールドは、まず難易度ノーマルをクリアすると次回からハードが選べるといったように、順次アンロックされていく。ちなみにモンスターとのレベル差が開きすぎると、経験値はもらえない。

 実際の戦闘はWASDキーで縦軸と横軸をこまめに移動して敵の攻撃を避けつつ、画面上の敵を殲滅するという、横スクロール型ACTとしてはオーソドックスなシステムを採用。スキルを覚えるまでは、通常攻撃のJキー連打、あるいはKキーで敵を空中に浮かせておいてJキーでコンボを叩き込んでいく。出現するモンスターは序盤から範囲攻撃スキルを遠慮なく使う上に、熊や巨人など見るからに重量級のモンスターの場合、Kキーで宙に浮かせられない。さらにフィールドによっては頭上から丸太が落ちてきて、プレイヤーキャラクターをダウンさせるなど、プレイ中は気が抜けず緊張感ある戦闘が楽しめた。低レベルのうちはJKキー連打の“ガチャプレイ”でも倒せるが、被ダメージもそれなりに大きい。フィールド上ではHP/MPが自然回復せず、回復アイテムを消費せねばならないので、中盤以降はジャンプやバックステップを駆使した、ヒット&アウェイが必須になりそうだ。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』

 フィールド内部は細かい複数のエリアにわかれ、画面上の敵をすべて倒せば次のエリアへの移動ポータルが出現。右上に表示される緑色のミニマップで赤く囲われたエリアにボスが待ち構えており、これを倒せば街に戻れる。また、戦闘中まれに普段はフィールド上にいないモンスターが登場。これを倒すとその場に“謎の空間の入り口”が出現し、プレイヤーは任意で“古代遺跡”“いにしえの禁区”といった特殊エリアに行けるのだ。特殊エリアでは、ここでしか手に入らないドロップアイテムが得られる。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲画面左端、炎の塊のようなものが“謎の空間の入り口”。これを右クリックすると別のフィールドへ飛ばされる。出現条件となる特殊モンスターがいるかどうかは、完全ランダムの運まかせだ。

 今回はテストプレイということで、特別に高レベルかつスキル習得済みの武術家キャラも体験させてもらったのだが、接近してからの投げ技、周囲の敵を複数ダウンさせる足技、ジャンプしてからの連続蹴りなど多彩なスキルがあり、流れるようにコンボが決まった時はお世辞抜きの爽快感が味わえる。

 ただ1点残念だったのはインタフェースだ。スキルやアイテムのショートカットスロットは、1~5の数字キーとY~Pキーまでの10個用意されているのだが……移動にWASDキーを使用するため、戦闘中に左手で数字キーを頻繁に使うのは難しい。また、ショートカットはページを切り替えることで合計30個のスロットを使えるが、切り替えにはマウス操作が必要で、やはり忙しい戦闘中の使用は現実的ではない。せっかく多彩な攻撃スキルがありながら、Y~Pの5つのショートカットしか有効活用できないのではあまりに残念だ。ここはページ切り替えをキー1つで素早く行えるか、あるいは2ページ目以降のスロットは別途表示できるようにするなど、改善を強く希望したい。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』

■レベルアップから生産スキル強化まですべてをまかなう経験値システム

 キャラクターの成長はレベル制とスキルツリーの組み合わせで、クエストの遂行やモンスターの討伐で経験値を獲得しレベルアップしていく。ここまではごく一般的なMMO/MORPGでおなじみのシステムだが、『クロスブレイブ』は必要な経験値がたまっても自動ではレベルアップしない。プレイヤーが任意のタイミングで“レベルアップ”ボタンを押す、というユニークなシステムになっている。

 実は戦闘やクエストを通じて得た経験値は、キャラクターのレベルアップ、NPCから新スキルの購入、習得済みスキルの強化、生産スキルの習得時に共通して“消費”してしまうのだ。次のレベルアップにギリギリ必要な分しか経験値がないのに、うっかり生産スキルの強化で経験値を消費してしまったりしたら……不足分はまたインスタンスダンジョンにこもって、溜めなおしというわけだ。さらに少々わかりにくいのだが、レベルアップにも条件がある。例えばレベル5から6になるのに必要な経験値が溜まっていたとしても、習得済みスキルのうちどれか2つがキャラクターレベルと同じレベル5まで強化されていなければ、レベル6にはなれない。強くなればなるほど消費する経験値が増え、レベルアップかスキル強化か、何を優先させるか悩ましいシステムになっている。ただし、このシステムより理解しやすくなるように、変更を検討しているとのことだ。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲“レベルアップ”ボタンを押すまで、キャラクターレベルは上がらない。レベルアップ時はステータスボーナスが付与され、腕力、敏捷など任意のステータスに割り振れる。なお、レベル25から上位クラスへの転職が可能。各基本クラスからは3つに分岐している。▲新スキルの習得と、覚えたスキルの強化はNPCにお金と経験値を支払う。画面左側のウィンドウがNPCから現在購入可能なスキル一覧、右側がマイキャラのスキルツリーなのだが、NPC側のウィンドウから強化 or 購入したいスキルを選び左クリックと、ややわかりにくい。

 上記で軽くふれた生産スキルだが、『クロスブレイブ』ではどのクラスでも生産スキルを習得できる。また、1キャラにつき1カテゴリといった制限もないので、割り振る経験値に余裕があるならば製造、裁縫、細工、製薬、刻印などいくつでも習得可能だ。ただ、生産スキルを使うためには、1回ごとに“ワークポイント(WP)”が必要になる。アイテムのレシピごとに消費WPは異なり、こちらはログイン時間に応じて自然回復していく。要は延々とアイテムを作り続けることはできない、ある程度プレイヤーの行動に制限をかけてあるわけだ。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』
▲スキルウィンドウ下部で、バトルとワークのタブ切り替えが可能。生産スキルはワークタブに表示されている。▲アイテムの生産には素材のほかにレシピが必要だ。生産時に消費するWPはだいたい1アイテムにつき数十WP程度なので、さほどシビアではない。

■CβT版からゲームパッドに対応しコマンド入力もできる

 PCで遊ぶアクションゲームとなると、気になるのはゲームパッドへの対応だろう。『クロスブレイブ』は2月末に行われる、SNS参加者限定のCβTバージョンからゲームパッドに対応し、NPCとの会話やクエストの選択などマウスで行う操作も、アナログスティックに対応する予定だ。上記でショートカットのスロット数が少なく、せっかくの攻撃スキルが活用できないと書いたが、実はすべてのスキルには“←→+J”のようなコマンドが設定されている。暗記力とプレイヤースキルに自信があれば、格闘ゲームばりにコマンド入力だけでコンボをつなげていけるのだ。なお、先行プレイではロジクール社のゲームパッド『GPX-450』をベースにタイアップ開発されたものを使用している。

 筆者は「いかなるPCゲームも、キーボード操作がベスト!」と信じて疑わない頑固者で、体験プレイ時にゲームパッドをすすめられると渋々ながら手を伸ばしたのだが……。今回ばかりはその操作性のよさに脱帽した。まぁ、世の中の多くのゲーマーは最初からゲームパッドを選ぶと思われるので、あまりこの感想は参考にならないだろうが。

 繰り返しになるが、『クロスブレイブ』はPC用A・RPGとしては高く評価できるタイトルだ。チュートリアルの説明不足やインタフェースの使い勝手に若干の不安はあるものの、α版クライアントでも十分、手ごたえあるプレイが楽しめた。正式サービスは2010年春を予定しており、今後は一般プレイヤーも参加可能なβテストも実施される予定なので、チャンスがあればぜひ一度体験してみてほしい。

『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』 『クロスブレイブ』

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データ

▼『クロスブレイブ』
■メーカー:ファイブスターオンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows XP/Vista/7)
■ジャンル:A・RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2010年春予定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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