2010年3月9日(火)
こんにちは、ライターのトクワン和尚です。『機動戦士Zガンダム(以下、Zガンダム)』の主人公カミーユ・ビダンが、自分の名前を“女みたい”と言われるから嫌いというのは、有名なエピソードですよね? しかし、文学よりもドキュメンタリー、芸術映画よりも記録映画が好きだった小生は、カミーユと聞けば彫刻家のカミーユ・クローデル(女性)より、政治家のカミーユ・デムーラン(男性)が思い浮かぶ朴念仁でありまして、この設定がなんとなく腑に落ちなかったものでした(富野さん、ごめんなさい)。
そこであえて“日本人で言えば、静とか真弓とかいう感じなのだろうか?”と想像してみたりするわけですが、“真弓”で思い出すのはキン肉マンのお父さん……。女みたいな名前かどうかより、息子がキン肉マンだったら微妙だなあと、これまたすごい勢いで思考が脇道にそれてしまう。なんというか、自分の偏った知識をどうにかしないかぎり、アニメの巨匠がどんなに凝った設定を作ってくれてもダメだと、思い出すたび軽く絶望したものでした。
まあそんな余談はともかく、TVアニメ『機動戦士ガンダム』で描かれる“宇宙世紀”の歴史を、10週間で体験できるMMOストラテジー『ガンダムネットワークオペレーション 3(以下、GNO 3)』の正式サービスが、いよいよ3月1日から開始されました。ガンダムファンのご同輩はすでに、ザクで大暴れしたり、戦闘機トリアーエズの意外な強さに感動(?)したりしているかもしれません。今回は、正式サービス開始前に電撃オンラインのサイト上で実施したアンケートの結果をお届けします。
■一年戦争
地球連邦:36%
ジオン公国:64%
『GNO 3』ではゲーム開始時に所属陣営を選ぶわけですが、アンケートでは2:1の割合でジオンが人気でした。『ギレンの野望』シリーズ以来、モビルスーツのバラエティが愛されているようです。“IFのストーリーを楽しむには負けたジオンの方が楽しめそう”(カール600さん) という意見も、よく似た心理かもしれません。ゲーム内のチャットで「ジーク・ジオン!」と叫ぶだけで、なんとなく仲間意識が生まれるジオンの人気には、根強いものがあるようです。
“「ジーク・ジオン!」それ以外に理由が必要でしょうか?”(世羅 悠一郎さん)という回答は、まさにそんな感じです。また、あるいはアンケートに積極的に答えるノリが、ジオン愛好者の間で強いのかもしれません。一方、地球連邦の魅力としては、やはりガンダムを使えることが大きいようです。リンさんが挙げた“ボクが一番ガンダムをうまく使えるんだ”という理由は、格言アニメである『機動戦士ガンダム』を、さすがによくわかっていらっしゃる、という感じですね。
■グリプス戦役
ティターンズ:26%
エゥーゴ:36%
ジオン共和国:38%
『GNO 3』でグリプス戦役(『Zガンダム』で描かれる世界)まで時代が進むと、地球連邦プレイヤーがティターンズとエゥーゴに、ジオンプレイヤーがジオン共和国とエゥーゴに、それぞれ自分の選択で移ることになります。こちらについてはなんと、両陣営から合流できる主人公陣営のエゥーゴよりも、ジオン公国からしか行けないジオン共和国(のちのアクシズ)の方が人気という、意外な結果に。
もちろん、先ほどのアンケートでジオン公国プレイヤーが多かったわけですから、全体としてエゥーゴとジオン共和国が多くなるのは当然です。しかしこのジオン共和国人気、ザビ家の末裔・ミネバ様への忠誠心がうかがわれて、涙を誘います。うーん、大活躍したらバイオリン弾いてくれないかなあ、ミネバ様……。それはともかく『Zガンダム』では敵陣営のティターンズも、それなりの人気を保っている点が注目されます。敵役の宿命として、作中で多くのモビルスーツと個性的なパイロットたちが登場したことが、人気を下支えしているのかもしれません。“シンプルな鷲のマークがカッコイイ! 連邦なのにジオンっぽいデザインのMSが使える”という、クルト・ローゼンハイムさんの意見にも納得です。いやまあ、「バスク大佐の溶接めがねラブ!」という人も、いないとは限りませんが……。
“カラバという選択肢がないので、仕方なくエゥーゴ”というバラの騎士さんの意見は、ハヤト・コバヤシやアムロ・レイと一緒に戦いたい、ということでしょうか? ジオン共和国を選んだカルロス田中さんのコメントはひと言“幼女”。……いっそ爽やかです。
ちなみにクローズドベータテストでは、ジオン公国と地球連邦がほぼ半々の状況から、5分の3くらいの人がエゥーゴに移りました。正式サービスでどうなるか、今後の展開が楽しみですね。
1位 シャア・アズナブル
2位 アナベル・ガトー
3位 アムロ・レイ
アラカルトで回答を寄せていただいた“好きなキャラクター”で、トップはやはりシャア・アズナブル。“かっこいいから。ヘタレだから。シャアだから。”という、じーくじおんさんの意見に、万感がこもっております……。陣営選択と関係ないところでは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の2人、コウ・ウラキとアナベル・ガトーも、なかなかの人気でした。同じく『機動戦士ガンダムZZ』の主人公ジュドー・アーシタを挙げる人もいましたが、彼が作中でどのくらい活躍できるかは、ゲーム終盤に明らかになるでしょう。個性的な意見としては、ファーストガンダムのドズル・ザビを挙げたカール600さんの“あの男気は素晴らしい。最近のガンダムにもあれぐらい男が惚れるような男がほしい。”、『Zガンダム』のマウアー・ファラオを挙げたクルト・ローゼンハイムさんの“献身的でクールなべっぴんさん。ジェリドにはもったいなすぎ。”といったところが、ガンダムファンらしい脇役への目配りといえるでしょう。マウアーさん、イッちゃってる人が多い『Zガンダム』のパイロットの中では、貴重な常識人だった気がしますね、そういえば。
1位 百式
2位 νガンダム
3位 アッガイ
同じくアラカルトで“好きなモビルスーツ”。浜田ゆーきさんの“νガンダムは伊達じゃない。”ごもっともです。ガンダムシリーズはさすがにEz8からZZまで、幅広くファンがいるようです。“飛行形態も含め、直線主体のシンプルさ。青系のカラーもクールでいい。”という理由でギャプランを推すクルト・ローゼンハイムさんのような人もいれば、“クィン・マンサが一番好きだが、あれはMAなので、MSと言われればクシャトリヤ。とにかく形からなにから最高に好み。”と、三次曲線デザインを評価するダバダ@電撃さんのような意見もある。モビルスーツの好みは、実に奥が深いのです。ジオングを挙げるテッケンさんは、“偉い人にはわからないと思います”。お約束に忠実な回答、ありがとうございます。『Zガンダム』でクワトロ・バジーナ大尉が乗った百式の人気が高いのはある意味必然ですが、歩く姿に哀愁というか愛嬌のあるアッガイ、ジャブローでジムを串刺しにしたズゴック(シャア専用)など、ピンポイントで活躍した機体にもスポットが当たるため、モビルスーツへのこだわりはキャラクターへのこだわり以上に、各人各様の結果となっています。
ちなみに私ことトクワン和尚が好きなキャラクターは、ファーストガンダムならカイ・シデン、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』ならオットー・カリウスあたりです。子どものころに見たガンダムの魅力を、今大人の言葉で整理するなら、“どうにもならない現実をきちんと受け止めつつ、自分が少しでもいいと思うものにどう肩入れしていけるか?”と、ちょっぴり背伸びできたところだと思います。その意味で、子ども丸出し・直球勝負の主人公たちは、やや苦手かもしれません。モビルスーツについても、ヒーローアニメの登場メカでありながら、工業機械っぽいイメージをきちんとあわせ持った、ザクやゲルググの量産型が好きです。こうして思い返すと、偏った感性をまるで反省していないですね。まずいなあ(笑)。まあ、そんな堂々めぐりはほどほどにして、また次回お会いしましょう。(トクワン和尚)
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