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2010年3月4日(木)

表情豊かになったリヴリーを見てほしい――『リヴリーガーデン』開発インタビュー

文:ごえモン

 マーベラスエンターテイメントから1月28日に発売されたDS用ソフト『リヴリーガーデン』の開発スタッフに、インタビューを行った。

表情豊かになったリヴリーを見てほしい――『リヴリーガーデン』開発インタビュー

 『リヴリーガーデン』は、ソネットエンタテインメント(以下、ソネット)が提供する育成系コミュニケーションサイト“Livly Island(リヴリーアイランド)”のキャラクターを用いたシミュレーションゲーム。本作では、好きなリヴリーと一緒に、リヴリーの住処である“ガーデン”を自分好みに育てていくことができる。

 お話を伺ったのは、GBA『MOTHER3』などの開発を手掛けたブラウニーブラウンの代表取締役社長で、本作のディレクター・亀岡慎一さん。開発経緯やコンセプト、序盤の攻略アドバイスなど、さまざまなことを語っていただいたので、以下に掲載する。

表情豊かになったリヴリーを見てほしい――『リヴリーガーデン』開発インタビュー
▲開発を担当した、ブラウニーブラウンの亀岡慎一プロデューサー。

――まずは、本作を制作することになった経緯をお教えてください。

 マーベラスエンターテイメントさんから、ある日突然ちゃんこ鍋屋さんに呼び出しをくらいまして。忘れもしない恵比寿にある、とあるちゃんこ鍋屋さんに行ってみると、そこで原作の“リヴリーアイランド”を見せられ、「このキャラクターを使って、DSでゲーム作ってよ」と言われたのがすべての始まりでした。あの日のちゃんこ鍋の味は、今も忘れていません。

――どのようなコンセプトで本作を制作されたのですか?

 まず、DSの特徴であるタッチペンを使って、“リヴリーアイランド”では体験できなかった、実際に“リヴリー”を愛でる手触り感は必須だと。それから原作の設定資料を読み漁り、リヴリーの食べ物が虫であるところに目を付けまして、さらに原作にもたくさん登場するキレイな木々を見て「この木々を使ってビオトープ(生物の生息空間)のシステムを当てはめてみたらどうだろう?」と思い、システムをまとめてみたら、思いのほかぴったりと当てはまったんですよね。そこから、リヴリーとガーデンの両方を育てる育成ゲームで行こうと軸が決まりました。

――どういった層をターゲットに作られたのでしょうか?

 小学校高学年~高校生の女性ですね。原作の“リヴリーアイランド”をプレイしてくれている方をメインターゲットに置きました。

――プラットフォームにDSを選んだ理由は?

 “リヴリーアイランド”ユーザーの意見に、「リヴリーともっと触れ合いたい、なでてあげたい」というのが多数ありまして。それを実現することができるのは、DSというプラットフォームがもっとも適しているかなと思いました。

――DS版では、3体の新リヴリーが追加されましたが、このDS専用のリヴリーはどのようにして生まれたのですか?

 こちらから「DS専用のリヴリーを研究してもいいですか?」と、ソネットさんにお願いしました。そして、弊社のデザイナーたちでコンペをし、ツノナデシとゼブルが生まれたというわけです。2体とも、女性デザイナーの作品です。イムーバは“リヴリーアイランド”で、以前登場していたリヴリーです。

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▲ツノナデシ▲ゼブル▲イムーバ

――DS版を開発するにあたって、気をつけた点や苦労した点はありますか?

 リヴリーというキャラクターに関しては、“リヴリーアイランド”のファンの方が違和感を感じないように、ものすごく気を使いましたね。原作では見ることのできない、正面や後ろ姿が見れるので、何度も原作チームの方にチェックしていただき、本当に気を使いました。ガーデンの方はバランスですね。この手の育成ゲームは、プレイする人によってまったく進ませ方やスピードが異なるので、調整は大変でした。

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▲DS『リヴリーガーデン』では、“リヴリーアイランド”では見ることができなかった、リヴリーを正面&後ろから見た姿を見ることができる。

――原作のファンに見てほしいポイントや、原作は未プレイだけど、本作をプレイしようと思っている方に見てほしいポイントや魅力などを教えてください。

 “リヴリーアイランド”のファンの方には、原作よりもリヴリーの表情が豊かになっているので、アイランドでは見せたことのなかったリヴリーの表情を見てあげてください。原作を未プレイの方は、一見怪しいリヴリーもいますが、飼ってみると不思議と愛情がこみ上げてくるので、ぜひ一度飼ってみてください。

――では、これから本作をプレイしようと思っているユーザーに向けて、序盤の攻略法やアドバイスなどをいただけますか?

 最初からあまり多くの種を一度にまかない方がいいですね。芽の状態の時は虫が食べに来ますから。芽の状態から成長すれば、もう虫には食べられないので、徐々に新しい種をまいてください。

――通信プレイについてですが、なぜ、ニンテンドーWi-Fiコネクションではなく、ワイヤレス通信対応にされたのでしょうか?

 原作はチャットがメインのシステムなんですが、『リヴリーガーデン』の方は1人プレイで十分楽しめるシステムにしなくてはいけませんので、差別化を図る意味でも実際に人に会って通信を楽しむという方法をとりました。あと、原作は年に一度、日本中のリヴリーファンが集まる“研究発表会”という大規模なリアルイベントを開催しているので、その際にイベント会場でファンの皆さんが『リヴリーガーデン』のワイヤレス通信でコミュニケーションの輪を広げてほしいという願いも含まれてます。

――ここからはちょっぴりマニアックな話題になります(笑)。ミュラー博士が外見的にも性格的にも非常に個性的ですが、どういった経緯で生まれたキャラクターなのでしょうか? 原作と比べて、かなり個性が付いた印象なのですが、モデルなどはいらっしゃるのでしょうか?

 ミュラー博士は、元々あのようなキャラクターだったらしいのですが、原作の方ではあまりはじけるチャンスがなかったようです(ソネットさん談)。

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▲ゲーム冒頭で「私はあやしいものじゃない」と、突然窓の外に現れるミュラー博士。ちょっとはじけすぎではないでしょうか……。

――亀岡さんのお気に入りのリヴリーは、どのリヴリーですか?

 ネタツザルです。“リヴリーアイランド”の方ですごく可愛いがっていたんですが、餌をあげ忘れていて死なせてしまったので、『リヴリーガーデン』でもう一度再会するために頑張っているところです。

――では、お気に入りの地形(環境)と好きな植物は?

 畳ですね。好きな植物はススキです。かなり後半で手に入るんですが、風になびくススキは1日中見てられます。

――タネやアイテム、素材などに所持制限を設けた理由を教えてください。

 設計上の都合です(笑)。

――節分の時期には“豆”、桃の節句の時期にはひな人形がアイテムコーナーに並びましたが、他にも季節限定販売のアイテムなどは用意されているのでしょうか?

 まだまだたくさんありますよ。まずは1年間頑張ってガーデンを育ててみてください。

――スクラッチくじの攻略法はありますか?

 あるけど教えません(笑)。

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▲なかなか絵柄がそろわない“宝くじ販売所”のスクラッチくじ。“攻略法がある”というヒントは聞くことができたので、その方法は皆さんの手で見つけていただきたい。

――オリジナルのガーデンを作る際の極意をお教えください。

 ガーデンの目標は人それぞれなので、急がずあわてず、のんびりといきましょう。ただ、新しい種が手に入ったらまずはまいて、やって来た新しい虫をリヴリーに食べさせてあげてください。新しい虫を食べることによって、リヴリーは成長します。

――続編の予定はありますか?

 やる気は満々です(笑)!

――続編楽しみにしております! それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いいたします。

 インターネット上での評判を見させていただいていますが、皆さんものすごいペースでやり込んでくれてるようでうれしい限りです。作った方はもっとのんびり、ゆっくり、まったりと遊んでいただくつもりで作ったんですけどね。もっともっといろんな人にリヴリーのかわいさと、ガーデン作りの楽しさを味わってほしいので、周りの友だちに『リヴリーガーデン』の楽しさをぜひぜひ、教えてあげてください。ただ、「はまり過ぎて、他のことが手につかなくなっちゃうかもしれないよ」と、忠告は忘れずに~(笑)。

Livly Island (C)2010 So-net Entertainment Corporation.
(C)2010 So-net Entertainment Corporation / Marvelous Entertainment Inc.

データ

▼『リヴリーガーデン』
■メーカー:マーベラスエンターテイメント
■対応機種:DS
■ジャンル:SLG
■発売日:2010年1月28日
■価格:5,040円(税込)
 
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