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2010年4月16日(金)

松屋らしさと男らしさを両立! 『龍が如くオリジナルカレー』スタッフが苦労を語る

文:電撃オンライン

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』

 全国の松屋、ならびに松屋公式サイトで3月18日より販売中のレトルトカレー『松屋×龍が如くオリジナルカレー(以下、オリジナルカレー)』。この商品を開発したスタッフにインタビューを行った。

 この商品は、PS3用ソフト『龍が如く4 伝説を継ぐもの(以下、龍が如く4)』と、外食チェーン店“松屋”のコラボレーションによって生まれたレトルトカレー。松屋は、PS2『龍が如く2』、PS3『龍が如く3』のゲーム内に店舗が登場し、食事を行うことで体力を回復できた。『龍が如く4』ではゲーム中だけでなく、実際の店舗で『オリジナルカレー』を販売するコラボレーションが実施されている。

 今回お話をうかがったのは、総務人事部 広報・IRグループマネジャーの石塚貴之さん、外販部 外販グループマネジャーの大林郁生さん、営業推進企画部 営業推進・開発グループ グループマネジャーの尾崎章夫さん。開発経緯や苦労した点、制作秘話などを話していただいた。『龍が如く』ファンだけでなく、カレー好き、松屋好きの方もぜひチェックしてほしい。

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
▲左から、尾崎さん、大林さん、石塚さん。普段とは異なる仕事のため、苦労した点も多かったようだ。

――セガさんから話を持ちかけられた時、どういう印象を受けましたか?

石塚さん:これまで、ドラマのワンシーンで弊社の商品や看板が登場するようなケースはありましたが、ゲーム中に登場するということをやったことがなく、正直最初はイメージできませんでした。「どうなるのか?」と思っていましたが、セガさんからできあがってくる画像を拝見していて、すごくリアルに再現されていたので、とてもおもしろいと感じました。それから長くやっていきたいと考え、今に至ります。

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
▲今回のコラボレーションにかかわった石塚さん。

――『龍が如く2』で、街に“松屋”という看板が出てきた時のインパクトはすごかったと思います。ゲームの看板を見ると牛めしを食べたくなり、桐生一馬が食べているのを見るとさらに食べたくなりますからね。

石塚さん:そういっていただける方も多いようで、本当にありがたいです。最初はゲーム内に松屋が登場するだけでしたが、もうちょっと一緒にやっている形にしたかったので、次の『龍が如く3』では限定のコラボドンブリを作り、プレゼントキャンペーンを行いました。うちのお客様が『龍が如く』に興味を持ち、ゲームを遊ばれる方が松屋に行きたくなる、という互いに行き来できるような仕掛けですね。

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』 『松屋×龍が如くオリジナルカレー』

――キャンペーンの反響はどうでしたか?

石塚さん:新宿地区11店舗と秋葉原2店舗という、地域限定でやらせていただきました。しかし、遠方からもドンブリを目当てにお客様が来店されたという報告を受けました。また、お店とケータイサイトの両方で応募してくるコアなファンもいらっしゃいましたね。

――今回、3度コラボレーションすることになりました。オリジナルメニューの商品化について、経緯を教えてください。

石塚さん:前回の企画が終わり、「せっかくなので、口に入るものを作ったほうがいいのでは?」という声が社内でも上がり始めました。できそうなメニュー、できなさそうなメニュー、さまざまな構想があったんですが、現実的に出来そうなものがカレーでした。しかも、店内で食べるのではなく家に持ち帰り、ゲームをしながら食べられるというのがおもしろいのでは? ということでレトルトパックという形にさせていただきました。

――ちなみに、みなさんは普段ゲームをプレイしますか?

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
▲大林さんは、体験会で楽しそうに遊ぶユーザーを見て、改めて人気の高さに驚いたという。

大林さん:昔は遊んでいたんですが、最近はやっていませんね。ただ、勉強のために公式サイトを見たり、イベントに足を運ばせていただきました。体験会では、幅広い層の方がゲームを遊ばれていて、驚きましたね。そんな人気のある作品とのコラボレーションにかかわらせていただき、大変光栄だと感じました。

尾崎さん:僕は遊びます。去年は担当ではなかったんですが、『龍が如く3』でコラボドンブリを作っている時から「もし自分が担当になったら、いろいろなことをやってみたい」と思っていました。そうしたら、今回自分が担当になれたので……。

――「待ってました!」と。

尾崎さん:はい! コラボドンブリよりもっと大きなことをしたいと思い、いろいろ相談させていただきました。何ができるか、いろいろ考えたんですよ。ところが、ゲームを知らない経営陣に『龍が如く』を説明するのはなかなか難しいものがある。ありのまま言っても伝わらないので、『仁義なき戦い』を現代風にアレンジして、若者に支持されている大ヒットゲームの続編だと説明しました。そこから始まり、少しずつ説得していきました。

――最初はどんな構想があったんでしょうか?

尾崎さん:最初は、『龍が如く牛めし』とか『龍が如く定食』とか、店内で売るメニューを検討しました。食べきれないくらいの高カロリーのカレーを出す『男のカルビカレー』とか……いろいろありましたね(笑)。

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
▲「苦労も多かったですが、無事にやり終えてよかったです」と当時を振り返った尾崎さん。

――カルビは今も定食としてありますよね。

尾崎さん:新しい食材ではなく、今あるものを組み合わせるアイデアの1つですね。ただ、松屋には松屋のこだわりがあるので、店内商品として出すためにはさまざまな段階を踏む必要がある。いろいろ検討したのですが、準備期間もあって今回は断念しました。

 弊社は、冷凍用のカレーを売っていたことはあるので、それも考えたんですが、保管しやすく調理も苦にならずに、1年以上もつレトルトカレーがいいだろうと。元々ある松屋のカレーもからいんですが、それをさらにからくしてみようと考えました。11月20日の試食会までの間に試行錯誤しましたね。

――開発期間はどれくらいだったのでしょうか?

大林さん:9月上旬に話がまとまりだし、11月20日の試食会を目指していったという流れです。今振り返ると、もう少し前から取り組んでいく必要があったとも思います。

――普段のメニューは開発にどれくらいかけるんですか?

尾崎さん:ものによるんですが、最初の準備期間を入れれば半年くらいかけているのではないでしょうか?

――定食を含めて、豊富なラインナップが松屋の特徴だと思うのですが、新メニューに加える基準などはあるのでしょうか?

尾崎さん:ペースとしては月に1回くらい加えるようにしています。弊社の場合は、日常食を提供しているんですね。家族で特別な日に食べるものではないので、飽きさせないことを念頭にしたメニューにしています。低価格・スピーディなメニューから、価格が少し上がる定食まで。3食通っても飽きないラインナップになるように、心がけています。

――コラボレーションから始まるオリジナルメニューの開発を、これまでに行ったことはありましたか?

尾崎さん:ないですね。だからこそ、社内の風当たりが強かったんだと思います。ゲームとのコラボレーションというイメージがわかなかったということと、メリットが見えにくかった。松屋のカレーは、毎日多くの人に食べてもらっている。「今あるものを、店で食べてもらえばいいのでは?」という意見や「うちのカレーに手を加えて商品として出して、もし売れなかったら……」という懸念があったようです。

――カレーを選んだ理由をもう少し具体的にお願いできますか?

石塚さん:現在、月に1つくらいのペースで新商品を出しているので、そんな中で新たにゼロから商品を作るのは現実的に困難であるということ。またメニューに関してのこだわりはが当社は非常に高いため、新規商品を出すのはハードルが高かった。しかし、既存のメニューをベースにひとひねりしたアレンジメニューなら、そこまで高いハードルではない。その中で、ゲームのイメージにもある“男らしさ”を出すのにカレーというのが適しているのかなと。からいものや超激辛というアイデアも出ましたね。試作品をセガさんに召し上がってもらったところ、非常に好評だったので、これで進めていこうと。

――セガ本社で試食会が行われましたが、いくつかあった候補の中から厳選し、その中で残った2つを審査してもらったのでしょうか?

大林さん:品質面で、松屋の名前に恥じないものにした上で、2種類に絞りました。どちらも自信を持って出せるレベルだったんですが、今回は『龍が如く』開発スタッフの方々の意見を取り入れたいと考えました。その人たちに認めてもらっていないなら、発売を見送るくらいの意気込みで試食会をやらせていただきました。

――試食会には、名越監督や菊池プロデューサーをはじめ、100人以上のスタッフが参加していましたね。

尾崎さん:私も当日、その様子を見ていたのですが、皆さん真剣でとてもありがたかったですね。ピリッとするからさを出して、スタッフの人が再び食べた時に「ああ、この味だ!」と思い出してもらえるものにすることを徹底しました。結果として、松屋で売っているカレーのよさは崩さず、『龍が如く』とのコラボで生まれたパンチの効いた商品ができました。完成形は最終試食の時に「店内でも売りたい!」とトップからも言ってもらえました。

『松屋×龍が如くオリジナルカレー』 『松屋×龍が如くオリジナルカレー』 『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
▲試食会の様子。大勢のスタッフがカレーを食べ、どちらの味が好みかを選択した。

――『オリジナルカレー』で、特にこだわったのはどこでしょうか?

石塚さん:激辛というところですね。『龍が如く』のイメージを崩さす、なおかつ松屋の店舗とは一味ちがうところを出すことには重きを置きました。

尾崎さん:からさに関係するんですが、スパイシー感にはこだわりました。自分でいうのはなんですが、店頭で販売しているカレーもスパイスが効いていて、カレーショップのカレーに劣らないくらいのものになっていると思うんです。逆に子どもにはきつい一面もあるくらい、こだわりを持っている。今回の『オリジナルカレー』も、商品に対するこだわりが強すぎてしまったため、レトルトなんですがかなりおいしいものになったと思います(笑)。

次のページでさらなる秘話が!

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データ

▼『松屋×龍が如くオリジナルカレー』
■メーカー:松屋
■発売日:2010年3月18日
■価格:300円(税込)
▼『龍が如く4 伝説を継ぐもの』
■メーカー:セガ
■対応機種:PS3
■ジャンル:A・AVG
■発売日:2010年3月18日
■価格:7,980円(税込)
 
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