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2010年4月29日(木)

『MTG』の新たな一面が目覚める―――『エルドラージ覚醒』プレリイベントレポ

文:電撃オンライン

 4月23日に発売された『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』の新エキスパンション『エルドラージ覚醒』に先駆けること約一週間、発売前の『エルドラージ覚醒』で遊べるプレリリースイベントが全国で開催された。

 『エルドラージ覚醒』は、5つの色を中心とする『MTG』において、色を持たない“無色”のカードをフィーチャーした意欲的な新セット。そのプレリリースイベントに電撃オンラインのスタッフも参加してきたので、ここではそのレポートをお届けする。

『エルドラージ覚醒』 『エルドラージ覚醒』

■会場到着とデッキ構築

 イベント当日の4月17日、板橋の会場は大盛況で、午前の部だけで200人を越える参加者が集まった。プレリリースイベントで開かれる大会では“シールド戦”形式(事前にデッキを用意するのではなく、当日配られたパックから出たカードでデッキを構築して試合を行う形式)が採用されており、受付を済ませて待っているとパックが配られ、デッキ構築がスタートした。

 筆者のパックには《成長の発作》《コジレックの捕食者》《死骸孵化》といった“エルドラージ・落とし子”トークンを生み出すカードと、大型のエルドラージ・クリーチャー《コジレックの職工》が2枚あったため、トークンを利用してすばやく《コジレックの職工》につなげることを目指す緑黒のデッキを構築することに決定。最終的に《征服するマンティコア》と《エムラクールの孵化者》のために赤をタッチした3色のデッキになった。

『エルドラージ覚醒』 『エルドラージ覚醒』 『エルドラージ覚醒』
▲相手のクリーチャーを除去しながら“エルドラージ・落とし子”トークンを出せる強力なカード。コモンにも巨大なクリーチャーがいるこのセットでは、タフネスに関係なく破壊することができる呪文は特に重要だ。▲『エルドラージ覚醒』においては、“エルドラージ・落とし子”トークンによるサポートがあれば9マナは十分手が届く範囲。墓地のクリーチャーを戦場に戻す能力は、そのトークンを生み出すクリーチャーとの相性も非常に良好だ。▲3体の“エルドラージ・落とし子”トークンを出せるため、次のターンには8、9マナの呪文を唱えられる。また、一度に4体ものクリーチャーを得られるため、相手の攻撃を防ぐ時間稼ぎなどにも使える。

■いよいよトーナメント開始!

 そして、1回戦開始。対戦相手は青緑のデッキだ。1試合目はこちらがマリガンして、ゆっくりしたスタートとなったところを《コジレックの捕食者》から得たトークンで《分かち合う発見》を唱えられ、一気に手札に差がついてしまう。そして、双方のクリーチャーが相打ちになっていき、手札の差の分だけ、こちらが先に息切れを起こして敗北。2試合目は、次々と現れる相手の“エルドラージ・落とし子”トークンにブロックされて、ライフを減らせないまま、《マーフォークの空偵者》などの飛行クリーチャーにライフを削られていく展開になった。《コジレックの職工》を唱えるも打ち消されてしまい、そのまま敗北。1回戦はまったくいいところがなく、負けスタートとなってしまう。

『エルドラージ覚醒』 『エルドラージ覚醒』
▲「(往年の名カードよろしく)1マナで3枚引けるカード」として、プレリリースイベントの前からプレイヤーの間で話題となっていた《分かち合う発見》。唱えるのにクリーチャーがたくさん必要だが、クリーチャーが並びやすいシールド戦ならば比較的簡単に条件を満たすことができる。▲“エルドラージ・落とし子”トークンを出すカードや、“防衛”を持つタフネスの高いクリーチャーが多いため、“飛行”クリーチャーがいないと戦線が膠着(こうちゃく)してしまうことも多かったようだ。また、除去呪文は与えるダメージが2点のものが中心なので、タフネス3の“飛行”クリーチャーはいつも以上に頼りになる存在になりそうだ。

 続いて2試合目。対戦相手は赤緑のデッキ。マナ・コストは重いが強力なエルドラージ・クリーチャーがいる関係上、マナを伸ばす手段が豊富な緑は人気の色のようだ。1試合目は、こちらが理想的な展開を見せる。3ターン目《成長の発作》から4ターン目に《エムラクールの孵化者》。5ターン目に《コジレックの職工》が登場して、前のターンの戦闘で墓地に置かれていた《エムラクールの孵化者》が戦場に戻る。さすがに6ターン目から“滅殺”によってどんどん土地やクリーチャーが減ってしまってはどうにもならないようで、対戦相手が投了した。2試合目も、こちらは《エムラクールの孵化者》を経由して《コジレックの職工》を唱えることに成功する。相手も《ペラッカのワーム》を唱え、高パワーの殴り合いになるが《死骸孵化》を引き込んで《ペラッカのワーム》を除去し、なんとか初勝利を飾ることができた。

『エルドラージ覚醒』 『エルドラージ覚醒』
▲シールド戦では、1枚で戦場を制圧できるカードが少なく消耗戦になりがち。そのため、あえて後攻を取ることで1枚多くカードを引き、持久力をつける戦法もあったが、今回は先攻が有利な環境という感触だった。その理由は、無色のエルドラージ・クリーチャーが持つ“滅殺”だ。“滅殺”による生け贄の強制は、そのまま相手の反撃の芽をつむことにつながる。先に“滅殺”を持つクリーチャーで攻撃できる可能性を上げるため、なるべく先攻を取りたいと思った。

→前半2回戦が終了! 後半戦で勝ち越しなるか!?(2ページ目へ)

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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

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