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2010年6月3日(木)

オンラインゲーム業界で久しぶりの新パブリッシャー、Sankandoインタビュー

文:電撃オンライン

■ユーザーの声で復活間近の『M2』オープンベータテストも開始

──『M2』に関しては今どんな状況ですか?

『オンラインゲーム業界で久しぶりの新パブリッシャー、Sankandoインタビュー』

Sankando取締役副社長 長谷川友也氏(以下、長谷川氏):もともと『M2』は、2004年2月に日本でサービス開始されたタイトルで、何度かの運営移管を経て、2008年2月に国内サービスが終了しています。その後、プレイヤーの皆さんが署名を集めてくださったりして、復活を期待する声があったんです。私はもともと『M2』運営に立ち上げから関わり、当時はGMという立場でしたが、開発側と連絡をとれる環境があり、昨年、寺本と一緒に会社を作るタイミングで「『M2』をやらせてください」という話を持ちかけ、3月に契約を交わしました。

──そうでしたか、『M2』でGMをされていたんですね。

長谷川氏:GMという運営の代表としてプレイヤーと接していたこともあり、「過去の『M2』を理解しているから安心できる」という期待もいただいています。だから今は早期復活に向けて頑張っているところです。当時の問題点や不具合など細かいところもある程度は把握できているので、『M2』に関しては開発権も取得し、自社で開発できるような体制を作り、信頼できるスタッフを集めました。オンラインゲームは、運営と開発が同じ方を向こうとしてもどうしても足並みが揃わないところがあります。数多くのタイトルが、そのためにうまく行かずに終了を迎えました。Sankandoの運営は開発と目標を同じくして、毎日のように議論しながらやっています。期待に応えられる形で復活できるかなと思っています。

──いやな質問をしますが、当時の『M2』が終了してしまった最大の理由はどこにあったのでしょう?

長谷川氏:当時、開発を担当していた台湾のインターサーブ(InterServ International)はグローバル展開を行っており、『M2』は台湾や中国でもサービスされていました。しかし、日本よりも先に終了してしまったんですね。『M2』が遊べるのは日本だけという状況で、開発側は撤退気味でした。それゆえ、日本側でアップデートや不具合回収の要望を出しても対応してもらえませんでした。ある程度、クエストの追加やアイテム作成などはできましたが……。『M2』がつまらなかったり、ゲーム性に問題があってプレイヤーが離れたのではなく、アップデートが無い、バグがいつまでも修正されないといった、それ以前のレベルの話でした。

──そうだったんですね……。『M2』のスケジュールですが、ティザーサイトを展開してきてアルファテストが5月21日から始まりましたね。

長谷川氏:はい。今回はクローズドベータでなくアルファテストです。最近はクローズドベータテストと言うと、実質プロモーションのイメージが強いですが、本当にシステムの動作テスト、負荷テスト、バグチェックなどを主体にしています。6月7日にはオープンベータテストを開始予定です。

オープンベータテストの開始は6月9日に変更となりました。訂正いたします。

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▲『M2~神甲綺譚~』

──署名活動が起こるほど熱心なファンがいたとはいえ、プレイヤーはどのくらい戻ってくると予想していますか?

長谷川氏:アルファテスト募集は1日で募集枠の1000件を越えました。署名は2年で1200件だったので、そこから考えると、かなり多いと思います。ティザーサイトに応援メッセージを書き込めるようにしたんですが、その数が2400~2500くらいあり、署名を書いてくれた方以外の方にも興味を持っていただいているようです。

 新規タイトルがどんどん出てきている状況で、『M2』は古いタイトルではあるので、「それどうなの?」と疑問を持たれるかもしれませんが、応援メッセージをみると、「○○をやめて『M2』に戻る」というようなのがあったりするんです。『M2』は「オンラインゲームはこれから」という時期に出てきたゲームなので、『M2』で初めてオンラインゲームをやった方が結構いらっしゃるようで、その方たちが『M2』のサービスが終了した後に他タイトルに行って、また戻ってくる、というようなところがあるのかなと。

──やはり過去遊んでくれたプレイヤーが、メインターゲットですよね。

長谷川氏:アルファテストではやはり過去に遊んでいた方が多くいらっしゃいました。あとはその方々が連れて来てくれたお友達とか。新規ユーザー向けのポイントを一つ言うと、『M2』は古いゲームなんですけど、低スペックで動くんです。最近、ブラウザゲームやソーシャルアプリゲームが流行っていますよね。

 ネットブックが市場に出回って、「ネットブックは持っていて、遊べるゲームはブラウザゲームやソーシャルアプリゲーム」という方が多くなっています。『M2』はネットブックででも動きます。クライアント型のオンラインRPGでネットブックで動くものはあまりなくて、その中でも3Dのゲームというのは非常に少ないです。動いたとしても解像度的に問題があったりします。普通だと一番小さいウィンドウで大体800×600で出るんですが、それをネットブックでプレイすると、ウィンドウ表示だと切れてしまうし、フルスクリーン表示だと伸びてしまう。でも『M2』は1024×600を出せるようにカスタマイズしたので、ネットブックでもフルスクリーンでキレイに画面に収まって、ストレスなく遊べるんです。

 通信環境も、モバイルデータ通信などでも大丈夫です。感じとしては、最近増えつつある、安価なネットブックでPCを手にした層や、インターネットをしたくて最初にネットブックを買った層にもできるゲーム、ということになるでしょうか。

──今ネットワークゲームは、PSPやDSとどこまで競えるか、というのが重要だったりしますし、そこは大事かもしれませんね。

長谷川氏:ブラウザゲームやソーシャルアプリゲームはMMORPGに比べると短い期間で遊ぶものが多いですよね。ブラウザゲームやソーシャルアプリでは3Dで動作するMMORPGが、まだ非常に少ないという状況なので、グラフィックなどはほかのクライアント型ゲームからみれば若干見劣りするかもしれませんが、ゲーム性に関してはこれからも追加していきますし、興味を持っていただけるかなと思っています。

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