2010年6月9日(水)
戦闘について、改めてお話ししていきたいと思います。戦闘のおおまかな流れについては第1回や第2回の講座を参考にしてくださいね。 | ||
戦闘については、わからないこと……というか迷うことがあるんだよなぁ。 | ||
あら、どこかしら? | ||
うん。たとえば僕もアユミちゃんも2/2のクリーチャーを2体コントロールしてたとするじゃん。その時に、攻撃した方がいいのかしない方がいいのか、悩むんだ。 | ||
それはルールじゃなくて、戦術、プレイングといった面のお話ね。本当ならそういう話もしてあげたいんだけど、こればっかりは“状況による”としか言えないのよね~。それに、そこで迷うからこそ楽しいワケだし。お互いのライフが何点あるのか、手札は何枚か、マナをどれくらい使えるのか、そもそも自分や相手はどんなタイプのデッキなのか……というように、まとめて語るには、その場その場で異なる要素が多すぎるのよ。 | ||
なるほどなぁ。自分で考えるしかないのかぁ。 | ||
たとえ1回失敗して負けちゃっても、それを覚えておけば、次は失敗しないかもしれないわ。だから、いろいろ試してみることが大事よ。 | ||
わかったよ。それじゃあ、戦闘に関する質問はどんなのが来ているの? | ||
多かったのは「戦闘中にいつ呪文や能力が使えるのか」という質問ね。だから、今回はこのことについて話そうと思うわ。 | ||
なんとな~く戦闘中に《巨大化》とか呪文使ってるけど、いつって言われると考えてないなぁ。 | ||
ふっ、なんとなくで呪文を使っていたんじゃ、そのうち痛い目見るわよ? せっかく私に聞けるんだから、しっかりルールを把握しておいた方がいいわ。じゃあ、まず戦闘の流れを説明していくから、しっかり見てなさいっ! | ||
(こ、この感じ、なんだか久しぶり!!) |
<戦闘の流れ> 戦闘開始ステップ ↓ 攻撃クリーチャー指定ステップ ↓ ブロッククリーチャー指定ステップ ↓ 戦闘ダメージステップ ↓ 戦闘終了ステップ |
とまぁ、戦闘は5つのステップにわかれているんだけど、実は、この5つのステップすべてでインスタント呪文や、能力を使用することができるわ。 | ||
え、そうなの!? じゃあ何でもいいじゃん。 | ||
さっきも言ったけれど、考えなしに使ってちゃダメなんだってば!! 呪文によっては、使うのが遅いと意味がないものも出てくるの。そのあたりを解説していきましょう。 |
●ステップごとにすること、できること
まずは“戦闘開始ステップ”だけど、ここに特に問題ないと思うわ。唯一気をつけるのは“対象のクリーチャーをタップする”呪文や能力で、相手のクリーチャーをタップさせて、攻撃に参加させたくない場合は、このステップまでに能力を使っておく必要があるくらいね。 | ||
次の“攻撃クリーチャー指定ステップ”じゃダメなの? | ||
ええ。“攻撃クリーチャー指定ステップ”では「プレイヤーが優先権を得る前に、まず攻撃に参加するクリーチャーを決められる(強調したい)」の。優先権が与えられて呪文や能力が使えるようになるのはその後なのよ。そこからクリーチャーをタップしようと思っても、もう攻撃に参加するクリーチャーは決まっちゃってるわ。 | ||
なるほど。ドロー・ステップが始まっちゃったら“プレイヤーはカードを引けない”みたいな呪文を使っても意味ないのと同じ感じだね。 | ||
そうね。だから、逆に言えば“ブロックに参加させたくないクリーチャーをタップしたりする”タイミングは、この攻撃クリーチャー指定ステップまで、ということになるわ。 | ||
あ、そうか。“ブロッククリーチャー指定ステップ”では、まず最初にどうブロックするかが決められちゃって、それからじゃ遅いってことだね。 | ||
その通り。ブロッククリーチャーの指定が済んだらいよいよ“戦闘ダメージステップ”よ。ここでもやっぱり優先権が与えられる前に、まずダメージのやり取りを行うわ。それから呪文や能力を使えるようになるの。それが終わったら“戦闘終了ステップ”ね。 | ||
“戦闘終了ステップ”は何するの? | ||
うーん、特に何かあるわけじゃないけど、ここが戦闘フェイズの最後だから、このステップが終わったら戦闘は終わり。“攻撃クリーチャー”“ブロッククリーチャー”という指定がなくなるわ。つまり、そういったクリーチャーを対象とする呪文なんかを使えなくなるってことね。 | ||
なるほどなぁ。 | ||
まとめてみると、こんな感じね。 |
戦闘開始ステップ 1:優先権が発生 ↓ 攻撃クリーチャー指定ステップ 1:攻撃クリーチャーが指定される 2:優先権が発生 ↓ ブロッククリーチャー指定ステップ 1:ブロッククリーチャーが指定され、ブロックの割り振りが決まる 2:優先権が発生 ↓ 戦闘ダメージステップ 1:戦闘ダメージが与えられる 2:優先権が発生 ↓ 戦闘終了ステップ 1:優先権が発生 2:戦闘が終了する。“攻撃クリーチャー”“ブロッククリーチャー”といった指定がなくなる |
●実際に呪文を唱えるタイミングはどこ?
ここでクイズです。あなたは《巨大化》を持っています。お互いに2/2のクリーチャー1体で攻撃、ブロックをする場合、自分のクリーチャーを助けたい場合、いつまでに《巨大化》を唱える必要があるでしょう? | ||
と、唐突だね。えっと“戦闘ダメージステップ”に優先権が与えられる時かな? | ||
それじゃあ遅いわ。正解は“ブロッククリーチャー指定ステップ”よ。“戦闘ダメージステップ”に入ってしまったら、まずダメージが解決されて、その時点で致死ダメージを受けたクリーチャーは破壊されてしまうもの。優先権を得られるのはその後よ。 | ||
あー、そっか。じゃあ、そのひとつ前の“ブロッククリーチャー指定ステップ”かぁ。 | ||
その通りよ。“ブロッククリーチャー指定ステップ”なら、すでにブロッククリーチャーの割り振りが見えているから《巨大化》を使うべきかどうかもある程度わかるはずよ。例えば2/2で攻撃して、1/1にブロックされてるなら《巨大化》は不要よね。 | ||
でも、相手が《巨大化》を使ってきたら? | ||
そうしたら、その《巨大化》に対応してこちらも《巨大化》を唱えるなりすればいいじゃない。相手が呪文や能力を使ったら、一度優先権をパスしていても、もう一回必ずパスされてくるんだから。 | ||
ああ、そうか。そうだね。 | ||
これで、戦闘時の呪文や能力を使うタイミングはわかってもらえたかしらね。 | ||
うん、じゃさっそく実践形式で試してみない? | ||
望むところよ~!! というわけで、今回は読者の方から送られてきた質問にお答えするかたちで進めてみました。 | ||
やっぱり結構複雑だよね、このゲーム。 | ||
さっきも言ったけれど難しいのはスタックに関係する部分と、今回の戦闘よね。とは言っても、ルールはあくまでルール。それとは別に戦術、プレイングがモノを言うのよ。と、いうわけで今回はここまで。では皆さん、また次回お会いしましょう、さようなら! | ||
さようならー! |
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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]