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2010年6月16日(水)

宮本氏は「ハイラル平原を3Dで見たかった」――任天堂の開発者が語る新作秘話

文:電撃オンライン

 現地時間6月15日、任天堂は米国でラウンドテーブルを開催した。

 このラウンドテーブルは、各国メディアを招いてE3開催時期に行われるもので、任天堂の専務取締役・宮本茂氏らがE3出展作品について詳しくプレゼンする。今年は『nintendogs+cats』などの3DSタイトルや、Wiiで発売される『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』など、出展作品の新情報などが明らかになった。

ラウンドテーブル ラウンドテーブル ラウンドテーブル
▲『nintendogs+cats』▲『スティールダイバー』▲『スターフォックス64 3D』

●3DS『nintendogs+cats』
 本作のプロデューサーで、3DSの総合プロデューサーでもある紺野秀樹氏が説明。本作は3DS対応ソフトということで、「毛並みがちゃんと生えていてかわいらしい」と、犬やネコたちのかわいさがさらにかわいくなっていることを強調。さらに大きさ、足の長さなどの個体差を出すことも明らかにした。

 また犬たちとのコミュニケーションをとる際、3DSに内蔵されているインカメラがプレイヤーの顔を認識する。こちらが顔を傾げると犬も顔をかしげたり、顔を画面に近づけると向こうも近づいてきて、顔を舌でペロペロする仕草をするという。3DSで搭載される、スリープ時でも自動にデータを受信する“すれちがい通信”も本作に導入される。

●3DS『スティールダイバー』
 潜水艦の傾き、スピード、高さなどをそれぞれ操作して入り組んだ海底を進み、ゴールを目指す。「ものすごく開発が進んでいて、ほとんどできています。なぜなら6年前から作っているから」(宮本氏)と、実はDSの初めてのデモンストレーション用に制作していたそうだ。

 「ゆっくり動くものをタッチパネルで作りたかった。そのままゆっくり作っていた」と会場にいた人々の笑いを誘っていたが、「3DSを開発していて、これをDSではなく3DS(対応作品)にしたいと思った。水槽の中に潜水艦が入っているみたいになったので」と本作の魅力を語っていた。

●3DS『スターフォックス64 3D』
 「どうしても3Dで作りたかった」と宮本氏が話した本作。いつ弾が飛んでくるかわからない、ゲートをくぐるタイミングがわからないといった声に応え、3DSでそういったものを立体視で表現することで、かなり弾やゲートの距離感などがわかりやすくなっているそうだ。

●3DS『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』
 1998年に発売されたニンテンドウ64用ソフトのリメイク。3年ほど前から3DSの開発をしている間、宮本氏は「どうしてもハイラル平原を3Dで見たかった」とずっと思っていたという。走り回ればハイラルにいる感じになるだろうということと、ニンテンドウ64版のゲーム発売から12年経過していることから新しいユーザーにも楽しんでほしいと考えて、リメイクを決めたそうだ。

 ここで登壇していた本作のディレクター青沼英二氏がリベンジしたがっていると宮本氏が明かした3D版。3D版では、ニンテンドウ64版の水の神殿でヘビーブーツをはいたりぬいだりして手間がかかっていた部分を、タッチパネルで快適に付け外しができるように変えているという。

ラウンドテーブル
▲『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』

●Wii『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』
 Wiiで発売される『ゼルダ』新作は、Wiiリモコンを剣、ヌンチャクを盾に見立てて操作する。青沼氏は、Wiiリモコンに付けるWiiモーションプラス対応とすることで、剣の振り方、アイテムの選び方など、いろいろとやりたいことがやれるようになったと話した。そのため、今年いっぱいは開発に時間を注ぐそうだ。ダンジョンを少し作ったり、強いボスを作ったりといったことを、これから考案するという。

 またこの場では、おおまかなストーリーが発表された。リンクは空の上の島、スカイロフトで生まれ育った青年で、とあることから空の下にもう1つの世界があることを知る。その雲の下の世界は魔物に占拠されていて、リンクはそこへ行かなくてはいけなくなり、空の上と下の世界を往復することになる。

 去年のラウンドテーブルで発表したイラストに写っている白い人が、じつは本作のサブタイトルにもなっている“スカイウォーズ ソード”。リンクを地上に導く役割を担うという。E3のプレイアブルでは、リンクはマスターソードを持っているのだが、実はこの“スカイウォーズ ソード”が将来、マスターソードになるということだ。

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最後の質疑応答では、3DSの充電についての質問が飛びだした。フル充電したらどのくらいの時間が遊べるのか、という質問に対しては、紺野氏が「DSi相当を考えています」と回答した。

(C)Nintendo

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