2010年6月24日(木)
レベルファイブは、東京・恵比寿にあるザ・ガーデンホールで、DS『二ノ国』制作発表会を開催した。
登壇した同社代表取締役社長・日野晃博氏は、「出演するタレントさんが登場すると思われた方もいらっしゃると思いますが……どなたも来ません。今回の『二ノ国』発表会はレベルファイブのイベントで、もっとも地味です(笑)」と、集まった報道陣、流通関係者にあいさつを行った。これには理由が存在し、『二ノ国』の中身をしっかり紹介したいという意図があり、出演者を呼ばないイベントにしたことを明らかにした。
白のスーツに身を包んだ日野社長。「世界中で売れている『レイトン教授』や、最新作『3』の受注がすでに92万本に達している『イナズマイレブン』に続く3本目のフランチャイズ作品にしたい」と、本作に対する考えを公表した。 |
『二ノ国』は、異世界を舞台にしたハートフルなファンタジーRPG。母親を亡くした少年・オリバーが、異世界・二ノ国での冒険を通して成長していく様子が描かれる。数多くの名作アニメーションを生み出したスタジオジブリがアニメパートを担当し、音楽は久石譲さんが手掛ける。世界観に関してはこちらの記事を参照のこと。
『レイトン教授』シリーズは女性を、『イナズマイレブン』は子どもをと、日野社長はつねにユーザーを絞ってゲームを制作してきた。しかし、今作はそのルールを破って作った、全年齢をターゲットにしたソフトだという。スタジオジブリをはじめとする豪華スタッフ、そしてレベルファイブの熱意によって、RPGファンも楽しめる作品に仕上っているそうだ。
ここで机の下から、ゲーム中で魔法使いの指南書として登場する本“マジックマスター”を取り出した。この書籍はゲームに付属し、『二ノ国』のゲーム中に登場する魔法やモンスターの情報、さらに世界にハマれるための設定など、世界観を満喫できるものになっているという。アニメから出てきたような装丁、ルビに完全対応している文章など、大人だけでなく、子どもも楽しめる1冊。この本は352ページあり、ソフトと本をしまえる豪華な箱が付属する。
マジックマスターについて説明する日野社長。箱は、本とソフトをしまえるため、多少かさばる大きさのようだ。 |
マジックマスターのサンプル画像。『二ノ国』のマップや歴史などが書き込まれており、読んでいるだけでも魅力的な世界に引きこまれていきそうだ。 |
プロモーションムービーが公開された。映像では、本作の世界観の他に、新たに公開された“イマージェン”という要素、そして本作のタイトルが『二ノ国 漆黒の魔導士』に決まったこと、発売日が12月9日であること、価格が6,800円(税込)であることを確認できた。
12月9日に発売される『二ノ国 漆黒の魔道士』。日野社長は、「行こう(1)、二ノ(2)国(9)です!」と発売日とタイトルを掛けてコメント。 |
マル(CV:長澤まさみ) | ジャイロ(CV:大泉洋) |
『二ノ国』のアニメーション画像の作画は、数々の名作を手がけてきたスタジオジブリが担当している。 |
ここで、収集育成システム・イマージェンについての解説が行われた。イマージェンは、命ある生き物の心が実体化して幻獣の姿になったもの。オリバーは、このイマージェンと力をあわせて冒険することになる。イメージェンには名前をつけられ、育成かごで育てていく。集められるイメージェンは300種類以上あり、かなりやり込めるとか。日野社長から「開発が遅れたのは、これが原因です(苦笑)。とにかく長く楽しめます」とのコメントがあったことからも、その力の入れ方がうかがえる。
お気に入りのイマージェンを見つけて、特性を生かしたチームを作れる本作。イマージェンは、えさを上げたり遊んだりすることで能力がアップするという。 |
実際にその魅力をアピールしようと、同社の執行役員・制作2部シニアマネージャーの本村健さんと広報部シニアマネージャーの丸屋教子さんが登場。2人はマジックマスターを使いつつ、ゲームを進めていく遊び方を実際に披露した。
ゲームプレイを見た日野社長は「スクリーン上では、画面ぼやけているのが納得いきません! 実際の画面はもっとキレイなので、ぜひ体験してほしいです」とコメント。そんな日野社長が自信を持ってオススメする画像を掲載する。 |
本村さんは、「本を使いながらゲームの謎を解いていくという、これまでにない新しい感覚を楽しめます」と自信気に語った。ゲームと本のネタを今後も考えていくそうなので、楽しみにしておこう。これまでに広報として、報道陣と連係をとってきた丸屋さんは、マジックマスターの制作で初めてゲーム開発にかかわったという。「楽しく本を作っています。よりいいものにするために、これからもよろしくお願いします」とあいさつした。
最後に日野社長は「弊社の10周年記念作品が12周年作品になってしまいました。しかしその分、練りに練った内容になっています」とコメント。本との連動に苦労こそしたが、そのぶん、より密なものになっていることを加えた。
(C)LEVEL-5 Inc.
※画面は開発中のもの。