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2010年7月9日(金)

『メイプルストーリー』新クラス“エヴァン&デュアルブレイド”実装直前インタビュー

文:電撃オンライン

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――本日はよろしくお願いします。次の大型アップデートで『メイプルストーリー』には新クラス、“エヴァン”と“デュアルブレイド”の2つが入るとのこと。それぞれどのようなクラスなのか教えてください。

『『メイプルストーリー』新クラス“エヴァン&デュアルブレイド”実装直前インタビュー』

チョ・ドンヒョン氏:本アップデートの核となるのは、今おっしゃった2つの新職業の追加です。まずエヴァンですが、これは職業名ではなくドラゴンマスターを目指す少年の名前になります。前回のアップデートで実装された“アラン”に似た存在ですね。エヴァンはドラゴンを召喚します。これまでも召喚が行えるクラスはいましたが、プレイヤーの意思とは関係なく勝手に動き、敵を倒します。エヴァンはドラゴンに指示を与えスキルを使って戦えます。

 デュアルブレイドは忍者マスターがコンセプトで、アクション性の高さがポイントです。また、防御力は少し落ちますが両手に武器を装備でき、攻撃力を重視したクラスになります。

 韓国では別々に実装された2つの新クラスですが、日本では同時実装されます。そこでデュアルブレイドは日本向けに“エヴァンとデュアルブレイドの対立”という、完全オリジナルのストーリー、それに絡むクエストを用意しました。

――オリジナルなのはバックストーリーのみで、2つの新クラスの中身は韓国とまったく同じものですか?

チョ・ドンヒョン氏:そうですね。あとはデュアルブレイドのスタート地点となる場所が、日本オリジナルマップの“楓城”になり、忍者風の背景になったという違いでしょうか。

中西啓太氏(以下、中西氏):ステータスなどのゲームバランスについては、韓国と変わりません。

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――それは日本も韓国も、プレイヤーの遊び方やレベルの上がり方などに違いがないので、変える必要がないのでしょうか。一般的なオンラインRPGでは、日本向けに細かな調整が入るケースも多いですが

中西氏:成長曲線などで見る限り、日本と韓国のプレイヤー間にそれほど大きな差はありません。

チョ・ドンヒョン氏:韓国で先に実装し、プレイヤーの動向を確認し最終的に問題ない、と判断したたものを日本に導入していますから。

――少し細かいお話になりますが、まだエヴァンが動いているところを見たことがないので、ドラゴンと少年が戦うという場面がイメージできないんですね。戦闘するのはドラゴンだけなんですか? ダメージを受けたり、成長で強さが変わっていくのは少年なんでしょうか?

『『メイプルストーリー』新クラス“エヴァン&デュアルブレイド”実装直前インタビュー』

クアック・キョンス氏:エヴァンはドラゴンマスターを目指すごく普通の少年という設定ですから、戦うのはドラゴンです。ただ、モンスターと接触してダメージを受けるのは、自分のキャラクターつまり少年エヴァンですね。

 実物を見ていただければ一番早いのですが、HP/MPやステータス画面ではエヴァンが成長しているように見えますが、実際にレベルアップで成長するのはドラゴンなんです。ドラゴンはレベル10、20、30……160と合計10段階で転職でき、成長に従い覚えるスキル数と、見た目も変化します。

――転職システムも独特ですね。なぜ既存キャラクターと違う10段階にしたのか教えてください。

チョ・ドンヒョン氏:既存キャラの場合は転職が1つの目標になります。エヴァンはいち早くその転職を体験できるようにしたことと、ドラゴンは2回に1回、つまり合計5回外見のチェンジも楽しんでもらうためです。

中西氏:既存キャラよりも、転職できる回数が増えているんですよ。次に転職できるまでの期間が長かった今までに比べて、テンポよく成長できるのはエヴァンのメリットだと思います。これから『メイプルストーリー』を始めるプレイヤーにも、向いています。

――デュアルブレイドの方にも、1.5次と2.5次のサブ転職というものがありますが、サブ転職とはどういう意味でしょう。

中西氏:そちらはレベル30の2次転職と、レベル70の3次転職の間が空きすぎているので、モチベーションが保てるようにサブ転職を追加しました。

――エヴァンとデュアルブレイドは日本オリジナルストーリーとして、対立した関係にあるとのお話ですが、クエストを進めていくことで2人の物語も何らかの結末を迎えたりするんですか。

クアック・キョンス氏:最初のうちは互いに接点もなく、存在すら知らないのですが、クエストを進めるとエヴァンとデュアルブレイドの2人の距離が縮まったりするようなストーリーもありますよ。

『『メイプルストーリー』新クラス“エヴァン&デュアルブレイド”実装直前インタビュー』

中西氏:補足しますと、デュアルブレイド側は忍者の里がドラゴンに襲われた過去から、ドラゴンマスターであるエヴァンの存在を意識してゲームが進みます。本アップデートではエヴァンとどういう関係なのかまでは明かされますが、その後はまだ段階的にアップデートに合わせてクエストを実装していく予定です。

――この2つの新クラス実装にあたって、苦労した部分や特に注意したことがあったら教えてください。

チョ・ドンヒョン氏:職業の追加はゲームの他の部分すべてに影響しますから、既存コンテンツとのバランスにはいつも注意を払います。以前のシグナス騎士団アップデートでは、プレイヤーから冒険者に対する不満が出てしまい、その後パッチで対応しました。今回はその教訓を踏まえてのアップデートなので大丈夫だと信じています。

――ちなみに、韓国ではどちらが人気ありますか?

クアック・キョンス氏:どちらかと言えば、ドラゴンのかわいらしさでエヴァンが人気ありますね。日本でもエヴァンの人気が高くなるかなと思いますが、忍者というコンセプトは日本にあっているので、こちらも人気が出ればうれしいです。

――新クラス実装にあわせて、キャラクタースロットは無料で追加されますか。

中西氏:はい、アップデート実装前に登録されたアカウントに対しては、キャラクタースロットを2枠追加します。

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――『メイプルストーリー』も気が付けばサービス7年目。既存職業でレベルキャップ到達までとはいかなくても、高レベルまで育てたプレイヤーは多いと思います。愛着のあるキャラクターでプレイし続けられる上位クラス、つまり転職としてではなく、完全新規のキャラクターとしてエヴァンとデュアルブレイドを登場させたのはなぜですか?

チョ・ドンヒョン氏:うれしいことにサービス7年目を迎える今も、新規のプレイヤーさんが『メイプルストーリー』に来てくれます。しかし、既存職業だけでは高レベルの古参プレイヤーと、初心者は一緒に遊べません。既存プレイヤーのためのアップデートも必要ですが、同時にみんなが同じスタートラインに立てるコンテンツとして、新規職業として実装しました。

――確か、前回のアラン実装時にも同じようなお答えをいただいた記憶があります。2009年7月のシグナス騎士団、同年12月のアラン、そして2010年7月のエヴァン&デュアルブレイド……と定期的に新クラスの実装が必要なほど、常に新規プレイヤーが参入してきているんでしょうか。

中西氏:そういう訳ではありません。ただ、レベルキャップまではいかないが高レベルのプレイヤーと、初級・中級プレイヤーが一緒に遊べるコンテンツということです。今後はもちろん、高レベル帯向けのアップデートも行いますよ。

――アップデートから少し話を変えまして、今までの『メイプルストーリー』はレベルキャップの開放、新規マップや上位クラスの追加という形でゲームの拡張を行ってきました。ここ最近は新規クラスという形で初心者と古参プレイヤーの交流、新しい戦闘スタイルによる新鮮なゲームプレイを提供していますよね。
 しかし、レベルキャップ200という上限が変わらない限り、今後の拡張は新クラス追加以外、どんな形で行われるつもりですか。

『『メイプルストーリー』新クラス“エヴァン&デュアルブレイド”実装直前インタビュー』

チョ・ドンヒョン氏:それについては、我々も悩んでいます。レベル200以上を解放すのか、それともレベルキャップは変えないままに、高レベルプレイヤー向けのコンテンツを追加するのか。どういった方向性にするかを検討している最中です。

――実は同じ質問を“シグナス騎士団”実装前のインタビューでもお尋ねしているのですが、単純にレベル200のキャップ解放を行うと、ただただ攻撃値のダメージやHPといった数字を上げていくだけで、ゲームそのものの拡張性や未来という部分には繋がらないと考えていますが、それについてはいかがでしょう。

チョ・ドンヒョン氏:それは検討中の課題の1つであります。きちんと方向性が定まるまでは、上級者向けの新マップなどコンテンツの拡充を行いますので、プレイヤーの皆さんにはご理解いただければ幸いです。今のところレベルキャップ200に到達しているプレイヤーは、韓国で1%程度、日本は経験値テーブルが異なるためもうすこし多いですが、それでも数パーセントですので。

 ただ、『World of Warcraft』のように、レベルキャップに到達してから楽しめるオンラインゲームもあれば、『マビノギ』のように転生という形を取るゲームもあります。『メイプルストーリー』にとってはどの方法がベストなのかを、今は探っている状態です。

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――ネクソンさんは、マンネリ化を防ぎ常に新鮮なアイディアを持つために、約2年周期で開発スタッフやプロデューサーを社内で異動させる、と以前お聞きしました。7年と言うカジュアルゲームとしては長寿の『メイプルストーリー』も、当然立ち上げ当初のスタッフの方というのは、ほとんどいらっしゃらないと想像します。
 失礼な質問ではありますが、韓国でのサービス開始当初、誰も7年以上も運営が続くなんてことを想定せずに開発を行い、テコ入れがシステム的に難しかったりするのではないでしょうか……。

チョ・ドンヒョン氏:そういった問題点ももちろん含んでいますが、まず、『メイプルストーリー』でレベルキャップの200に到達するのは、他のオンラインRPGに比べてそれほど易しいことではありません。将来的にはレベル200のプレイヤーも増えていくでしょうが、現時点で一番大切なのは新規プレイヤーとベテランプレイヤーの交流やコミュニティをどう促進していくか、だと考えています。

――なるほど。それでは最後に日本の『メイプルストーリー』ファンに向けて、メッセージをお願いします。

クアック・キョンス氏:今回エヴァンとデュアルブレイドが同時実装されることで、キャラクター同士のストーリーを楽しんでください。

チョ・ドンヒョン氏:7年間もの間『メイプルストーリー』がサービスが続いているのは、プレイヤーの関心と愛情があってこそだと思います。日本向けのシナリオ部分を強化していますので、もっと『メイプル』を愛してあげてください。

――ありがとうございました。

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データ

▼『メイプルストーリー』
■メーカー:ネクソン
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:A・RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2003年12月3日
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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