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2010年7月23日(金)

STGといえば縦画面でしょう! 『ネオジオヒーローズ』開発者インタビュー掲載

文:電撃オンライン

『ネオジオヒーローズ』

 SNKプレイモアから7月29日に発売される、PSP用STG『NEOGEO HEROES ~Ultimate Shooting~(ネオジオヒーローズ ~アルティメット シューティング~)』。本作の開発スタッフにインタビューを行った。

 『ネオジオヒーローズ』は、SNKのキャラクターたちにスポットを当てたシューティングゲーム。平和を願うブラウン・シュガー博士の呼びかけに応えて、NEOGEOをはじめとするさまざまなSNK作品の中から、10人のキャラクターが集結。彼らは、タイムマシンを悪用して時代を乱そうとする謎の組織“ダムド”の脅威から世界を救うため、戦うことになる。

 本作のアシスタントプロデューサーを務めるSNKプレイモアのHASEさんと、メインプログラムを担当し、アーケード版『KOF SKY STAGE』の制作にも携わったMOSSの土屋滋さんに、インタビューを行った。本作の気になるポイントを多数伺った他、プレイ動画も掲載するので、ぜひチェックしてほしい!(インタビュー中は敬称略)

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●目指したものは新旧のSNKプレイモアファンが楽しめるSTG

――まずは、本作を制作することになった経緯を教えてください。

HASE:アーケードの『KOF SKY STAGE』の後、シューティングで新たにタイトルを立ち上げることになり……STGといえば、『KOF SKY STAGE』でご縁ができたMOSSさんにお話をしてみたところ、アーケードではできなかったことも多かったらしく、反対にいろいろとアイデアを持ちかけられました(笑)。私はクオリティチェックなどの監修をし、MOSSさんには仕様面など細かいゲームの仕組みについてまとめていただきました。

――開発で苦労したことはありましたか?

HASE:機能面での制限でしょうか。特にSTGでは処理落ちが致命的なので、少しでもゲームを快適にするために背景やキャラクターのモデリングデータの削減など、『KOF SKY STAGE』からほとんど作り直しに近い手間をかけています。それでもなかなか解消できない部分もあり、調整にとても苦労しました。

土屋:“画面の見やすさ”には苦労しました。縦シューティングですので、横長の画面ですと縦幅が限られてしまって、どうしてもキャラクターや敵弾、スコアなどの文字が小さくなってしまっていました。そこは開発の最後までいろいろなところを直しました。それと、ステージが全15面とボリュームがありましたので、敵配置やシナリオの作成の量が多く、苦労しましたね。

――登場キャラクターの選別理由を教えてください。

HASE:NEOGEOをはじめとする過去のSNKタイトルから、“独り立ちできる個性の強いキャラクターを”という基準で選出しました。『ASO』だけは世界観や詳細なストーリーがなかったこともあって、過去2作に特に触れることなく続編世界の後継機として“SYD III(シド・スリー)”という設定を作った形です。

――ブラウン・シュガー博士は、非常に懐かしいキャラクターですよね。どなたの趣味で登場することになったのでしょうか?

HASE:個人的には好きですが(笑)、誰かの趣味と言う話は……なかったはずです。ゲーム中に登場する“あるキャラクター”に引きずられる形で登場させることを決めました。時代も世界観も異なるキャラクターを結びつける接点として以外にも、マジメなキャラクターに絡むコメディーリリーフとして大活躍しています。

『ネオジオヒーローズ』
▲SNK作品のファンにはおなじみブラウン・シュガー博士。サブキャラながら、インパクト抜群のユニークなキャラクターだ。

――古いSNKファンが見たらグッとくるような、懐かしい要素やクスッと笑ってしまうようなポイントをいくつか教えてください。

HASE:やはり『ASO』が中心でしょうか。曲もそうですが、SYD III用のステージは旧作をイメージして作りました。もちろん、掛け合いのテキストにもそういった要素は盛り込まれています。各キャラクターの必殺技もアングルが変わりますので、いつもと違う見え方を楽しんでもらえるとうれしいです。

土屋:新キャラクターの必殺技やボムも原作のイメージをシューティング用にしたものなので「おっ、これはあの技だな」と思ってもらえればいいなと思っています。ストーリーも基本はオリジナルストーリーとなっていますが、原作のエッセンスを取り入れたパラレルワールドのようなノリもあり、SNKプレイモアファンでもこれからファンになる方も楽しめるようなものとなっています。

――各プレイヤーキャラの攻撃方法は、どのようにして決めていきましたか?

HASE:基本的には、既存の技やキャラクターのイメージを当てはめるように決めました。もともとゲームのキャラクターということもあり、苦労はさほどなかったと思います。反対に技の数が多すぎて「どの必殺技を使わせるか?」を選ぶ方が大変でした。

土屋:攻撃方法は通常ショット、必殺技、ボムとありますが、やはり原作のゲームがあるものなので原作の技や武器をイメージして作りました。『KOF SKY STAGE』でもキャラクターごとにタイプの異なった個性的な自機キャラクターとなっていましたが、『ネオジオヒーローズ』ではさらに個性的なものにしようと、新たに特殊な処理を追加したり、エフェクトを追加したりしました。SYD IIIのアーマー変更や、あかりの通常攻撃の時間差攻撃、さらにマルコでは残弾数を導入したりしています。

――キャラのイメージもあると思いますが、決めていく過程でおもしろいエピソードがありましたら、教えてください。

HASE:マルコはセリフ付で露出することが少ないキャラクターだったので、性格付けでずいぶん悩んだ覚えがあります。結局ドットのアクションパターンからの逆算で性格を決めて、担当者に確認してもらったのですが、その内容が『メタルスラッグ』のプログラマーに酷似してると(笑)。そりゃあもう、大慌てで修正を入れましたよ。

『ネオジオヒーローズ』 『ネオジオヒーローズ』
▲『メタルスラッグ』の主人公マルコ・ロッシ。キャラクターデザインはAKIOさんが担当している。

■ あかりvsマルコ対戦動画 ■


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(C)SNK PLAYMORE
※「NEOGEO」は株式会社SNKプレイモアの登録商標です。

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データ

▼『ネオジオヒーローズ ~アルティメット シューティング~』ダウンロード版
■メーカー:SNKプレイモア
■対応機種:PSP
■ジャンル:STG
■発売日:2010年7月29日
■価格:3,990円(税込)

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