2010年7月27日（火）

夏のオンラインゲーム祭2010 乙女向け『ルーセントハート』編

文：電撃オンライン

▲「あなた本来の力は全て消え去りました」と衝撃的事実を知らされるプレイヤー。これ以上悪い知らせは無いと思うのだが？

　台湾生まれの『ルーセントハート』は元の名前を中国語で『星辰 Online』、英語圏では『Zodiac Online』と呼ばれ、ゾディアック、すなわち黄道十二星座をモチーフに作られたMMORPGだ。舞台となる“アカディア”は女神テイアの力により生み出された、平和で美しい世界。しかし今はテイアが眠りに付き、人々はモンスターの脅威におびえて日々を過ごしている。プレイヤーは最前線でモンスターと戦う星の使徒であり、英雄の末裔という設定だ。ただし、深く傷つき意識を失ったプレイヤーが“星界”で目を覚ましたとき、あまりのショックにそれまでの記憶から能力まで、すっかり忘れていた……。

　そう、RPGの主人公といえば普通は世界を救う英雄候補と決まっているのに、本タイトルではまったくの役立たずと知らされるところから、物語は幕を開ける。

■イチから人生やり直します！　元・凄腕戦士のプレイヤー

　という冗談はさておき、プレイヤーが最初に訪れる星界はゲームの基本的な操作方法や知識を授けてくれる、チュートリアルにあたる場所。ここから最初の街“中央都市トリーア”に移動してから『ルーセントハート』での本格的な自分探し、じゃなくて冒険が始まるのだ。

　基本的なゲームの進め方は街中でNPCからクエストを受け、依頼をこなして経験値やアイテム、ゲーム内通貨などをもらってキャラクターを成長させていく。トリーアの街だけで、クエストは1日じゃとてもこなしきれないほどある。レベルが上がると次々に新しいクエストが用意されるので、もう片っ端から受けてしまおう。序盤は街のすぐ外にいるモンスターを倒して来い、アイテムを幾つ集めて来いといった簡単なものばかりだ。

　もし「倒して来い！」と言われたモンスターが全然見つからない時は“光の道”機能を使おう。クエストブックを開き“DROPモンスター”というボタンを押すと、あら不思議。キャラクターの体からキラキラ光る1本の筋が出て、モンスターがいる方向を示してくれるのだ。また、クエストは終わったけれど報告するNPCが見つからない、迷っちゃったという時にも“報告NPC”ボタンが同じように導いてくれる。この光の道機能を知らないプレイヤーさんが結構多くて、ひろーいアカディアを歩き回って見つからないからクエストを諦めちゃった、という人も……。もったいないのでぜひ使ってほしい。

▲目を覚ました直後のプレイヤーは無力そのもの。周囲にいるのはかつて最前線で一緒に戦った仲間達である。		▲冒険の拠点となる中央都市トリーアのマップ。黄色い“！”は受けられるクエスト、赤い“！”はレベル不足のクエストNPCを表している。		▲トリーアの倉庫周辺にはこんなに大勢の人が！ 活気溢れる街の様子にワクワクしてきた。

▲戦闘システムはMMORPGとしてはオーソドックスな作り。モンスターにターゲットを合わせ、ダブルクリックか攻撃スキルを発動すれば敵を倒すまで戦い続ける。		▲膝のあたりから出ているキラキラ光る筋が、目的地まで導いてくれる。これを辿れば迷うことはない。

　プレイヤーはキャラクター作成時に、髪型やフェイスタイプの他に星座を1つ選ぶだけで、まだ職業というものは決まっていない。レベル4になるとメイジかファイターという2つの職業から、どちらか1つ選択を迫られる。近接か遠距離職か、今後のアカディア人生を左右する大きな分岐点だが、焦ってはいけない。まずはこの先の2次、3次転職でどの職業に就きたいのかよく考えて選ぼう。公式サイトのゲーム紹介→職業ページでは転職ツリーと、3次職それぞれの特徴が紹介されている。なお、序盤の育てやすさで言うなら断然メイジが強い。2次転職クエストもソロで楽々こなせてしまう。ファイター系は大器晩成型。特にガンナーは中盤以降のダンジョンでパーティ必須の職業となる。

　フィールドでの戦闘が楽勝になってきたら、仲間を探して“ラビリンス”に挑戦しよう。本タイトルの特徴でもあるラビリンスは、クエスト報酬やモンスターが落とす“星石”を3つ揃え、各地にある聖盤にはめ込むことで出現する地下ダンジョンのこと。星石のレベルと組み合わせた種類によって、迷宮の作りやモンスターの強さが違ってくる。難易度の高いラビリンスにある宝箱からは貴重なアイテムや生産に必要な素材が出るし、経験値も美味しくて一石二鳥。知らない人とパーティーを組むのは苦手、というプレイヤーもいるだろうが、『ルーセントハート』のチャットには便利な“星座チャット”がある。これは最初に選んだ星座が同じ人、つまりおうし座なら同じサーバにいる全おうし座プレイヤーとだけチャットできる機能だ。まずはここで「ラビリンスに一緒に行ってくれる人を募集してます」と話しかけてみよう。必ず素敵なパーティメンバーが集まるはずだ。

▲ラビリンスに出現する敵は見た目やレベルが同じでも、フィールドの敵よりはるかに強い。高レベルのラビリンスになるほど連携プレイが必要になる。

■モノ作りが楽しくなる生産システム

　MMORPGでは戦闘クラスと生産クラスが完全にわかれていたり、覚えられるスキル上限のために、生産専用キャラクターを別に育てることも珍しくない。でも『ルーセントハート』はどの職業を選んでも、戦闘も生産も1つのキャラクターで楽しめるのがいいところ。鍛冶、錬金、機械、装飾、裁縫、カードの6つの生産スキルから1つ選んで育成できる。モンスターが落とすアイテムのほとんどは何らかの素材となるので、必要な数を集めて街中の工房に移動しアイテムを作ろう。

　生産にもレベルがあり、高レベルのアイテムには自分が選んだスキルだけでは作れない2次加工、3次加工された素材が必要になってくる。こんな時は、別のスキルを持った友達に頼んで作ってもらう、あるいは他プレイヤーから買い取るのが普通だ。しかし、本タイトルではゲーム内掲示板を利用して生産代行できるのが、大きな特徴となっている。

　これは、プレイヤーが自分の生産スキルで作れるアイテム、加工素材などをメニューから最大3つ選んで生産代行掲示板に登録。他のプレイヤーは必要な素材を自分の鞄に持っていれば、手数料を払うことで誰かのスキルを“ちょっと借りる”と言えばイメージしやすいだろうか？　これならば、頼みたいけど知らない人にレア素材を渡すのは不安……ということもない。

　また、キャラ作成時に決めた星座がここで重要になってくる。星座ごとに今週の運勢が決まっており、戦闘時のクリティカルヒット率や生産スキルの成功率に影響を与えるのだ。貴重な素材を使ってアイテムを作りたい、でも今週の“仕事運”が最低……という時は、運勢絶好調の星座のプレイヤーをに代行掲示板で頼むのもアリだ。もちろん絶対成功する保証はどこにもないが……。

▲筆者のキャラはカード生産スキルを持っている。カードは一時的に様々な支援効果を与えられるアイテムで、ラビリンスに毎日こもるようになるとその効果が分かってくる。		▲裁縫の生産代行掲示板を覗いてみた。ウィンドウ右上にはこのプレイヤーの製作成功率が表示されている。

■お願いキューピッド様！ 私のほしともを見つけてくださいっ

　ゲームのモチーフは星座だが、『ルーセントハート』のテーマは実は人との出会い、そして恋愛だったりする。それを象徴するのが“ほしとも”システムだ。

　トーリアの街にいる愛神クピド。彼に話しかけキューピッドシステムに登録しておくと、1日3回あなたに最適のパートナーを探してくれる。もちろんパートナーは異性のみである。最初はただのマッチング候補だが、2人一緒にシンクロテストを受けると公認ほしともへ、さらに戦闘中にいきなりやってくる心理テストという試練を乗り越えると2人の関係は親友へと進化していく。

▲ローマ神話でも恋愛にまつわる能力を持つクピド。彼の持つ金の矢で傷つけられると、最初に目にしたものを愛してしまうらしい。

　こんな面倒な手続きを経て、ほしともになるメリットは当然ある！ 特殊な装備品が手に入ったり支援バフ効果を得られるとか細かいことは置いといて、ほしともの2人にしかできない恋人専用エモーション、これに尽きるだろう。もう見ているのが恥ずかしくなるようなイチャイチャしたエモーションだが、まだほしともが見つからないプレイヤーの前で思い切り見せびらかしてあげよう。

▲見ているこちらが赤面してしまう、恋人専用エモーションの数々。発動からしばらくは様々な支援効果があり戦闘も有利になるので、ラビリンスに出かける直前にぜひどうぞ。

■悩ましいほど種類が多いアバター衣装＆チラリも期待の（!?）ダンスシステム

　オンラインゲームを選ぶとき、キャラクターやアバターのかわいさで選ぶという人がいたら、もう今すぐ『ルーセントハート』をオススメしたい。日本向けに独自のフェイスパターンと髪型を実装するなど、かわいらしさへのこだわりは強い本タイトルだが、とにかく衣装は種類が豊富でどれもラブリーでキュート。ちなみに、ここでは女性キャラクターを思い浮かべつつ解説しているが、男性キャラクターにもクールな衣装と、男性専用のエモーションなどがちゃんと用意されている。まぁ正直、着せ替えが楽しいのは女性キャラでしょう！　思わず興奮してしまったが、ひらひらフワフワした衣装はどれにしようか、ホントに迷ってしまう。

　さらに、この衣装をいかす強力な機能として2009年12月に実装されたのが、“ダンスシステム”だ。みんなで同じステップを踊るダンスマスター、対戦も可能なダンスバトル、さらにオリジナルステップの編集機能までついていて、MMORPGとしては驚くほどダンスに力をいれている。おまけに『ルーセントハート』からこのダンス機能を使って、2つの公認アイドルユニットぷりますてら＆シューティングスターまでデビューする勢い。もう、ここまでくると誰にも止められないというかガマニアさん、「どーしてこうなった？」って聞いてもいいだろうか……。

▲システム楽曲だけでなく、自分の好きな曲に合わせてオリジナルステップが編集できるダンスシステム。これが驚くほど本格的で、曲のサビに合わせて複雑なダンスを組み込むことも可能だ。職人技が光るステップを編み出そう。

　かわいいだけのMMORPGなら山ほどあるオンラインゲーム。しかし、冒険も恋もおしゃれも全部いっぺんに楽しみたい！ というプレイヤーの欲望に、ここまで応えてくれるゲームはそうそうない。とりあえず、今から記憶をなくして星界に降り立ってみないか？

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