2010年8月24日(火)
ステージの各所にあるワナは、一見わかりにくく、ともすると悪意すら感じる場所に仕掛けられています。しかもワナはかなり残虐なものばかりで、死ぬシーンこそシルエットで表現されていますが、その殺し方は結構エグいです。それは死ぬシーンを見ることがストレスになるというか、死ぬのが本当にいやなことに感じられるほど。
そんな恐怖に追い討ちをかけるように、この世界には主人公の命を狙う生物として巨大なクモや、正体のわからない人間などが登場します。この人間は主人公同様に子供の姿をしていますが、やることがあまりにも非道で、人を殺すことを楽しんでいるように見えるんです。
ゲームの序盤では生きた人間が一切登場せず、多数のワナをくぐりぬけた先でようやく誰かに出会えてホッとしたのも束の間、実は凶悪な殺人鬼だった。……という展開は暗たんたる気持ちにさせてくれるでしょう。
ここは現世で彼らは凶悪な人殺しなのか? あるいは主人公と同じく“LIMBO”に迷い込んだ死者なのか? などとこの子供たちに対して色々と想像を巡らせてはみるものの、その正体も最後まで明かされることはないんですよね。
▲ゲーム中でたびたび登場する巨大なクモ。このシーンでは、主人公が地面にあったクモの糸で歩けなくなったところで捕らえられてしまいました。はたして、このまま死んでしまうのでしょうか……!? |
このように『LIMBO』の世界は凶悪なワナと凶暴な生き物に満ちています。それに対して、主人公の少年はまったくの無力。格闘技を身に着けているわけでもなければ、飛び道具を持っているわけでもありません。つまり、敵を直接攻撃する手段がないのです。
ということで、ここでいったん『LIMBO』の操作方法をご紹介。左スティックは上下左右への移動、Aボタンはジャンプ、Bボタンは物をつかんだりスイッチを入れたりするアクションとなっています。そして、これが操作のすべてなんです。
では、どうやって敵に対抗すればいいのでしょうか? それには仕掛けられたワナを逆手に取って、敵をはめるしかありません。どうワナを避けるのか、どうやって敵をワナにはめるのかを考えるパズル的要素が、このゲームの醍醐味なのです。
ワナはジャンプで回避できるトラバサミのような単純なものから、物理法則を利用して解いていく複雑な仕掛けまでさまざまなものがあります。中には、正確な操作や瞬間的な判断が問われるワナもあって、一瞬たりとも気を抜くことができません。
▲一見草のシルエットのようですが、実は巨大なトラバサミが2つ並んでいます。注意して見ないと、こんな単純なワナにも引っかかってしまいます。 | ▲2つのトラバサミを離して、1つずつジャンプで跳び越えればクリアできます。これはワナとしては初歩的なものですね。 |
▲トラバサミのワナにはまると……全身を一気に挟まれてしまいます。 |
したがって、このゲームでは視覚と聴覚を研ぎ澄ませて、主人公の周囲を警戒しながら先に進むことになります。前述のように、この緊張によってゲームへの強い没入感が味わえる、というわけなんですね。ちなみに、本作をクリアするまでの所要時間は6~7時間程度。緊張しながら遊ぶ時間としては短くはないですが、なぜか本作には『LIMBO』の世界に引き込んで一気に遊ばせてしまう不思議な魅力があります。
このような真横視点で展開されるアクションゲーム、特にトラップの回避を重視したAVGテイストのタイトルは、過去にもスーパーファミコンで発売された『アウターワールド』や『フラッシュバック』などがありました。テキストやボイスではなく、キャラクターの動きや簡単なアニメーションでストーリーを語るという点でも、これらのタイトルと共通する部分が多いと言えます。
しかし本作は、それらのタイトルよりももっとシンプルな内容です。あまりにも控えめなストーリーテリングは、ゲームをしながら物語を想像していく過程、また、ゲーム展開によってそのイメージがクルクルと変わっていく過程を楽しませてくれます。
▲森から始まったステージが街や工場へと移っていく中で、ワナの種類もより残虐で難しいものへと変わっていきます。 |
ただし、その内容を書いてしまうと、これからプレイする方の楽しみを奪うことになってしまうので、ここではあえて書かないようにします。ワナなどの内容がわからないと、なかなかお伝えするのが難しい部分もありますが……そこはご自身でプレイして確かめてみてください。もっとも、ゲーム中には物語への想像を描き立てる要素が多分にありますし、プレイヤーによって想像する内容にもバラツキが出てくると思います。なので、ここで内容まで詳しく言及して、私が「こうです」と書くのはヤボというものですしね。
1つだけプレイする時の注意と言いますか、オススメのプレイ方法を挙げるとすれば、夜、ヘッドホンをしながらじっくりと遊ぶことでしょうか。次の日が休みだとなおいいですね。外界の余計なノイズを遮断して、効果音だけが静かに響き渡るこのモノクロ世界を、ぜひ味わってみてください。
▲作中の雰囲気を存分に楽しむため、ヘッドホンはぜひ使っていただきたいです。不気味さが増すこと間違いなしです。 |
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